カンデブー国立公園(Camdeboo National Park)は「地球の歩き方」にも紹介されているスポット。南アフリカ内陸部の乾燥地帯「カルー」に位置し、半砂漠のような荒涼とした景観が広がります。公園内にはダム湖もあり、荒涼とした地形の中に変化のある自然風景を楽しめます。
今回はヨハネスブルグからケープタウンまでの南アフリカ横断ロードトリップで立ち寄ってみました。
変化していく地形
南アフリカの首都ブルームフォンテーンを出発してカンデブー国立公園までは420km。4時間以上のドライブです。ブルームフォンテーンではどこまでも見渡せそうな平らな風景が広がっていましたが、カルーに近づくとコッピー(小さな丘)がたくさん現れ、風景ががらりと変わります。
車窓を観察しているとスプリングボックの群れが!思わず路肩に車を停めて写真を撮りました。

“モニュメントバレーのような場所”がある?
事前調査によると、公園最大の見どころは、「荒廃の谷(Valley of Desolation)」。地球の歩き方では“アメリカのモニュメントバレーのように壮観”との説明があります。
アメリカのモニュメントバレーは、広く平坦な赤土の荒野にところどころ大小の岩山が残る“地球の果て”“別の惑星”のような風景が有名です。もしかして、カルーの地形が似ているってこと…?

カンデブー国立公園に到着です。19000ヘクタールの面積と広いため、荒廃の谷に近い入口へ向かいます。

入場ゲートから荒廃の谷の最寄り駐車場までは8.7km。まずは途中にあるトコスコープ展望台を目指します。
ときどき離合場所があるものの基本的には断崖絶壁の一本道。美しい車窓の風景に気を取られないよう、注意しながら進みます。

トコスコープ展望台に到着です。なんと、荒廃の谷がちょうど収まるような黄色いフレームがありました。訪れたのが午後だったので少し逆光気味ではありますが、ここまで来た~!と気持ちが高まります。
付近を見渡すと、ところどころにコッピーがあるものの、広い平野の中にごつごつした岩が高くそびえており、荒廃の谷のあたりだけ異世界感が漂っています。これが南アフリカのモニュメントバレーか。

ここからの眺めは荒廃の谷だけではありません。公園内にあるグラーフライネの街を一望でき、ドイツ・ベルリンのシュパンダウ要塞にちなんで名づけられたシュパンダウ・コップを間近に見ることもできます。


風景に満足したので、先へ進みます。荒廃の谷はその景観から行きづらい場所なのかと思いきや、展望台近くに駐車場があり、さらに展望台までの道も歩きやすいので、小さな子どもも年配の人もいました。


岩柱を赤く染めるサンセット
日没まではあと1時間。展望台に着いたものの、太陽の方向には厚い雲が…。他の人と写真を撮り合ったり雑談をしたり、日が沈むのを待ちます。


待っている間に、地形について簡単に説明します。
荒廃の谷は、火山活動と浸食活動によってつくられたドレライト(粗粒玄武岩)の柱です。景観保護の観点から、1939年に国定記念物として宣言されました。
その歴史はジュラ紀にまでさかのぼります。1億年以上の年月をかけて地層が形成され、浸食され、残ったのが荒廃の谷です。およそ90~120メートルの高さがあることから、山の大聖堂(Cathedral of the Mountains)とも称されることもあります。
少しずつ暗くなり、サンセットを諦めかけた頃、雲の隙間から太陽が顔を出しました。周りの人と喜び合いながら静かに眺めます。待っていてよかった!


光が差すことで、乾いた景色から神秘的な風景に様変わりしました。長い時間待ったからこそ、この景色がより特別に感じられました。
雨がパラパラと降り出し、みんなが帰り始めていました。私も駐車場に急ぎます。
今回は公園内で動物に遭遇することはありませんでしたが、バッファローやマウンテンゼブラ、ミーアキャットなど50種類以上の動物が生息しています。
カンデブー国立公園では、キャンプサイトで宿泊したり、トレイルコースを歩いたり、ダム湖畔でピクニックをしたりと、さまざまな楽しみ方ができます。南アフリカでのロードトリップの際には、ぜひ立ち寄ってみてください。




