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    2019.08.01 女ひとりぶらりモンゴル草原マラソンの旅

    私が書きました!
    編集者・ライター
    古谷玲子
    出版社・編集プロダクションの株式会社デコ所属。移住者向け雑誌「TURNS」のほか、単行本『孫育て一年生』を担当。フリーランス時代は、海外旅行ガイドブックで、台湾、台北、モンゴル、東アフリカを手掛ける。2年前に初めてモンゴルで遊牧民の男の子に恋して以来、毎年モンゴルを訪れている。「人の営み」に興味がある。旅はライフワークのひとつ。

    女ひとりぶらりモンゴル、草原マラソンの旅⑤です。

    ゴールしたときには、すでにほかの距離のレースの表彰式が始まっていた。モンゴル語と日本語で次々と表彰され、メダルや表彰状のほか賞品が贈られる。賞品というのが、何ともユニーク!!総合優勝者は「馬1頭」、外国人部門で優勝者は「羊1頭」がもらえるのだ。

    羊の代わりに「ラクダ1頭」という年もあり、ゲットした日本人ランナーは遊牧民に預けた自分のラクダに会うために、定期的にモンゴルを訪れているという。このレースがしっかり友好と観光いう目的を果たしている。

    これまでの総合優勝者は全てモンゴル人だったそうで、馬をゲットした日本人はまだいないのだが、もらったところでどうすればよいのやら……。

    ということで、2018年の優勝賞品はいったい誰の手に!?

    やはり、2018年もモンゴル人だった。歴代の優勝者はゲットした馬に乗って草原の中をさっそうと帰っていったとか、いかなかったとか。それを聞いただけでもいかにもモンゴルらしくて、カッコいい。

    表彰式が終わったあとは、いよいよ草原パーティのはじまり。「ホルホグ」というモンゴルの伝統料理とアルヒ(モンゴルウォッカ)がふるまわれた。ホルホグは羊肉の塊を野菜、塩、香辛料とともに大きな缶に入れ、さらに焼けた石とを交互に詰めて石焼きしたものだ。新鮮な羊肉を使うと臭みが少ないため、羊肉が苦手な私でもおいしく食べられる。

    日本人もモンゴル人も、老いも若きも、男も女も、草原の中で友好の祝杯をあげる。運営ではモンゴルで日本語を勉強している大学生や卒業生たちが大活躍だった。ありがたい。

    今回初めて草原マラソンに出場したが、存分にモンゴルの草原を満喫できた。モンゴルの草原の楽しみ方としては、「乗馬」が有名だが、もっと自由に満喫したいのであれば、草原マラソンは断然おすすめだ。もちろん馬をうまく操れるほど乗りこなせる人は別だが、マラソンであれば、自分が止まりたいところで止まって写真を撮れるし、スピードをコントロールこともできる。何より自分の足で大地を感じ、草原を吹き抜ける風を全身で受け、太陽の光を全身に浴びることができる。ハーブの香りに包まれ、可愛い花を愛でながら……。

    「記録」より「記憶」に残るレースは、真実だった。最後の「オマケ」がより一層、その気持ちを大きくさせた。何とパーティの途中で「実はあなたが外国人の女子部門で優勝者でした!」と、耳を疑うような展開が待っていたのだから。パーティの途中で表彰されて、バタバタと羊1頭が贈られた。

    もっとも、ランチップを取り付けて厳密に計測しているわけではないから、正確にはわからない。でもわからないながらも、初めて出場するモンゴルでの草原マラソンで優勝賞品に羊をゲットするというのは、なかなか一生のうちでも味わえることではない。しかも後から発覚したというのも、いかにもモンゴルらしくて笑える。

    オマケのように後から「記録」もついてきた、「記憶」に残るレースとなった。

    さて、ゲットした私の羊ちゃんはいったいどうなったかって!?
    うふふ、それは内緒です……。

    終わり

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