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大人がじっくり観たい4本
CINEMA 01
植物は会話し、思考する。森には、知性が満ちている
『森に聴く Listen to the Forest』
【ドキュメンタリー】3/27~
(配給:alfazbet、シグロ)
●監督/山上徹二郎、今井友樹
●YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

2020年7月、熊本豪雨による球磨川の氾濫で、実家が被害を受けた山上監督。洪水も田畑を潤す水も、森がつくり出したもの。なぜこんな洪水が? 貯水するはずの森に問題がある? 森の真の姿を知る旅へ──。
アイヌの人びとに守られた巨木の森、西表島のマングローブ林。国土の約7割が森林というこの国の各地へ出向き、森についてさまざまな研究をする〝物知り〟の声に耳を傾ける。
膨大な知識と、森を感じる日々から繰り出される実感を伴う言葉の数々。30年前から森の危機を率直な言葉で説く民宿のおじさん、キノコ目線でその生存戦略を語る菌類学者と、森にまつわる話は人間の寿命なんてお話にならないスケールでもあって興味は尽きない。
地球でいちばん長生きな植物は知的な生命体。その多種共存の姿から、人間は学ぶことがたくさんある。その姿勢が大事! と知る。

CINEMA 02
韓国エンタメ界、最高峰の監督&俳優が集結した衝撃作
『しあわせな選択』
【就活サバイバル】3/6~
(配給:キノフィルムズ)
●監督/パク・チャヌク
●出演/イ・ビョンホン、ソン・イェジン、パク・ヒスン、イ・ソンミン、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォン
●TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中

郊外の広い家、美しい妻の誕生日に庭でバーベキュー・パーティー、2人の子供と2匹の犬。製紙会社勤務のマンスは「すべてを叶えた」と思っていた。突然に、解雇されるまでは。
追い込まれたマンスは「ライバルがいなくなれば仕事は手に入る?」と紅葉の美しい山の中で、ヤバい妄想を暴走させる──。
イ・ビョンホンの的確に過剰な演技、異様にキレ味の鋭い演出。ゴールデングローブ賞ノミネートも納得。
CINEMA 03
のと鉄道がつなぐ、震災前の能登と震災後の人びとの今
『田村真子 のと鉄道 明日へ向かう旅』
【ドキュメンタリー】3/13~
(主催:TBS)
●監督/矢島公紀、小池博
●ヒューマントラストシネマ渋谷ほか6都市にて順次開催「TBSドキュメンタリー映画祭2026」内にて上映

2020年、旅番組で能登半島の魅力を伝えた田村アナ。震災後、のと鉄道に乗って各地を再訪する。
震災前の能登半島を愛で、直後のニュース映像に衝撃を受け、震災後を懸命に生きる人びとの強い言葉と明るい笑顔に触れる。
「(被害の)いちばん酷いところを見て、また来て」という能登愛に心を打たれる。
青と白のかわいい観光列車、車窓の風景、語り部が伝える震災の記憶と、乗り鉄も撮り鉄もきっと満足!
CINEMA 04
未来を照らす幻の花火。ベルリン国際映画祭正式出品作
『花緑青が明ける日に』
【アニメーション】
3/6~
(配給:アスミック・エース)
●原作・脚本・監督/四宮義俊
●声の出演/萩原利久、古川琴音、入野自由、岡部たかし
●全国公開中

町の再開発による立ち退きが迫る、帯刀煙火店。敬太郎は蒸発した父に代わり、幻の花火「シュハリ」を完成させようと引きこもる。そこへ幼なじみのカオルが帰郷。役所勤めの敬太郎の兄も来て、3人は4年ぶりに再会を果たす。「運命を変える花火を」、打ち上げを巡る計画を立てる──。
日本画家の四宮義俊が、8年かけた長編監督デビュー作。「花緑青」とは、青く燃える緑色の染料のこと。夏の森と過去の記憶がコラージュされる冒頭から、全カットが儚い水彩画のように美しい。コマ撮りの実写も挿入され、洗練された映像表現が効いている。
アニメーション界の新たな巨匠の爆誕を、大きなスクリーンで堪能したい。

親子で楽しむ3本
CINEMA 05
人間が森を壊しちゃう ビーバーになって、森を取り戻せ!
『私がビーバーになる時』
【アニメーション】3/13~
(配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン)
●監督/ダニエル・チョン
●制作/ニコール・パラディス・グリンドル
●全国公開

おばあちゃんと過ごした森が高速道路に!? メイベルはビーバー型ロボットに意識を転送して森へ向かう。
ディズニー&ピクサー最新作。〝ビーバーになった〟メイベルは、彼らの声が理解できてテンション爆上げ。森のルールを知り、本物の仲間になり、やり手市長と対峙。果たして!?
猛烈なテンポ感、最弱なゆるかわキャラ、あんな動物こんな動物大集合! と、サービス精神てんこ盛り。
CINEMA 06
実在する部活動をモチーフにした漫画の実写化
『ザッケン!』
【青春】4/3~
(配給:SPOTTED PRODUCTIONS)
●監督・脚本/上村奈帆
●原作/上村奈帆、モノガタリラボ
●漫画/プクプク
●出演/中島瑠菜、大島美優、八神遼介、豊島心桜、仲村悠菜、中島歩、土屋伸之(ナイツ)、板谷由夏、岡本信人
●新宿ピカデリーほか全国順次公開

好きなものが見つからないゆかりは高1の春、雑草大好き! な〝ドクダミちゃん〟と出会い、休部状態の「雑草研究部(=ザッケン)」復活を目指す──。
好きなことは好きでいい! コミカルに真っすぐ、迷える若者の背中を押す青春映画。雑草レシピも登場。
CINEMA 07
〝オチ“との出会いが、少女の感受性の扉を開く
『OCHI! -オチ-』
ファンタジー
4/3~
(配給:ハピネットファントム・スタジオ)
●監督・脚本/アイザイア・サクソン
●出演/ヘレナ・ツェンゲル、フィン・ウォルフハード、エミリー・ワトソン、ウィレム・デフォー
●全国公開

黒海に浮かぶ小島。村人は悪魔と呼ばれる〝オチ〟を恐れて暮らしていた。オチ狩りに執着する父に疑問を抱くユーリはある日、傷ついたオチを助ける。家族の元へ返そうと森へ向かう。
「わかってとは言わない。ただ私を信じて!」、孤独な少女の切実な成長譚。
※構成/浅見祥子
(BE-PAL 2026年4月号より)







