慌てて町の中古屋さんに駆け込み、購入した格安テントはなんとお値段15ドル。そんな値段で、果たしてちゃんと組みあがるのか?一か八か、直感を信じてトライしてみた。
- Text
いざ開封!激安中古テントの中身は大丈夫か?

キャンプ旅なのに肝心のテントがないことに出発直前に気がつく。そんな行き当たりばったりの私だから、今回の旅の相棒アメリカ人のケビンと、目的のキャンプ場に着いたのはすっかり日が暮れてから。
中古のテントで、購入してから一度も袋を開けていないから、どうやって組むのか、パーツが全部揃っているかも分からない。このテントを選んだ決め手は、袋越しにペグハンマーの感触があったから。ハンマー込みで中古屋さんに持ち込んだのだから、元の持ち主は几帳面な人に違いない。きっとパーツは揃っているはず。お願い、そうであってくれ!

ドキドキしながら開封すると、丁寧に折りたたまれた本体と、3色のポール。本体をパタパタ開いてみると、おそらくポールを通すであろう位置が同じく3色に分かれている。色が一致するようにポールを通してみると、意外とあっさり組み上がった。

な〜んだ、安いから心配したけれど問題ないじゃん。
と喜んだのもつかの間、夜中に風でテントが揺れる。その場しのぎに壁につっかえ棒を張ってみた。この棒は本来、ロープを使ったロッククライミングで最初のクリップが遠い時などに使う便利グッズ。関係ないところで役立ってしまった。
テントは高さがある形状だから、風に弱いのは仕方ないかもしれない。だが、昨年の失敗体験が頭をよぎった。

昨年も、今回と同じようなテントでキャンプ旅行をしたのだが、強風に煽られたテントは原型が分からないほど大きく歪み、ポールが折れた。ものの見事にペッタンコだ。
ポールが折れてからは、ゴリラテープという、正直名前負けしている強力ガムテープで補強してごまかした。しかし、同じ失敗はできれば繰り返したくない。安心してテント生活を送るため、翌日ホームセンターで補強グッズを買うことにした。
ホームセンターの材料でテントを補強

キャンプ用品やアウトドアウェアを購入するのに便利な場所といえばホームセンター。日本と比較するとアメリカのホームセンターはアパレル系はあまり置いていないけれど、その他の品揃えは概ね日本と似ている。
さて、私たちのテントの強度を上げるためにどんな工夫ができるだろう?まず、既存のポールは長方形の対角をつなぐ形で繋がっている。風が長辺に向かって吹くと、とくに揺れるのだが、この長辺同士を直接支えるポールがないので、付け足してみることにした。

丈夫で、多少曲げられるしなやかさがあって、安い材料。旅の相棒ケビンが思いついたのは、水道修理に使うビニールパイプ。
テントのポールをビニールパイプで代用するなんて、そんな大胆な作戦聞いたことがないけれど、彼は己を信じて突き進む。

2本のパイプを繋いだら、テント本体のメッシュが擦れて傷まないように、気休めではあるけれど筒状の断熱スポンジのようなものを装着。

パイプの足元もそのままではテントを傷めてしまうので、ガムテープを生地に貼ることで頑丈にしてみた。また、クルマの中で見つけた古いテニスボールに穴を開け、パイプの端を差し込んだ。これでもうテントを突き破る心配はない。
作業前は正直、成功するとは思えなかったが、完成してみると明らかに風への耐性が上がってテントの揺れが収まった。なんでも試してみるものだ。
続いて問題になったのがペグ。なんということか、格安テントにはペグハンマーだけが入っていて、肝心のペグそのものが入っていなかった。幸い、テント用ではないものの園芸などに使われるペグをホームセンターで確保することができた。

私たちのキャンプ場の地面は砂っぽいから、ペグは抜けにくい長めのものをチョイス。テント用のペグと違って紐を引っ掛けるための出っ張りがないけれど、安いワッシャーを噛ませて解決した。
テント購入時のハンマーはゴム製で、長いペグが地面になかなか刺さらず、薪割りに使う手斧の背で叩いた。
ベッドを工夫して快適に睡眠

テント泊といえば、寝袋とスリーピングマット。だけど私たちはスリーピングマットを持っていない。代わりに使うのは、外岩ボルダリング用のマット。1人1枚でも寝られるが、合計3枚敷くとクイーンサイズくらいのベッドになって2人が快適に眠れる。
ボルダリング用のマットをベッドとして使用する際、やや不快になるのがマット同士の隙間。これを解決するアイテムは、通常のマットレスの硬さ調整に使われる薄手のマット。これを敷けば、いつものベッドと同じ寝心地をキャンプで再現することができる。

ここでさらにこだわりたいのが枕と掛け布団。寝袋の中に入れば暖かいけれど、家と違ってなんだか窮屈。かといって、室内で使う寝具をキャンプに持ち込むのも抵抗がある…。向かったのは、またまた中古ショップ。数ドルで買える掛け布団と、ふかふかの抱き枕を購入した。少し綿が出ていたけれど、裁縫道具で修理すれば問題なし。

これはもはやグランピングと呼んでも良いくらいなのでは?中古グッズを組み合わせて、キャンプでも妥協しない睡眠環境が実現した。
テント内でインドアライフを満喫

テント内で過ごす時間をなるべく不自由なく過ごしたい。というわけで今回持ってきたのは最近ちまたですっかりお馴染みのポタ電。これでパソコンを充電すれば、その日撮った写真を夜に振り返ったり、ケビンの趣味のチェスもできる。

ちなみに、私の普段の家には電気がない。
だから、いつもはポタ電以下の生活を送っている。なんならソファーがベッド代わりだから、キャンプ中のベッドの方が大きくて硬さもちょうど良い。キャンプなのに、普段より快適なインドアライフになるなんて。
お金をあまりかけられないなりに、工夫して少しずつ快適になった私の中古テント。ボロくて、かっこ悪いけれど、愛している。







