ゆったり自然と向き合えるアメリカ・ユタ州のトレイル“暮らしの道”を歩く | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2026.01.03

    ゆったり自然と向き合えるアメリカ・ユタ州のトレイル“暮らしの道”を歩く

    ゆったり自然と向き合えるアメリカ・ユタ州のトレイル“暮らしの道”を歩く
    ユタ州でアメリカ空軍基地の街として知られるレイトン市。街の住宅地を抜けると、空気がふっとやわらぐ「ケイズクリーク・トレイル(Kay’s Creek Trail)」があります。観光地のような派手さはありませんが、「暮らしと自然がそのままつながっている風景」に出会えます。

    旅先では、つい大きな景色を巡りたくなりますよね。でもユタの小さな光が宿る“暮らしの道”で、ひと息つくのも楽しいですよ。今回はそんな静かな時間を味わえるトレイルをご紹介します。
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    特別なギアや準備がなくても、“自然に触れている実感”がちゃんとあるアウトドア体験

    旅先の日常に触れられる「ケイズクリーク・トレイル」とは?

    地図を眺めて、その日の気分で歩くコースを決める!

    ケイズクリークは、レイトン市が整備したトレイルです。ユタの北部・デービス郡に位置し、州都のソルトレイクシティから車で40分ほどの場所にあります。

    舗装されたトレイルが中心で、ところどころに未舗装の区間があり、歩く場所によって表情が変わります。年齢に関係なく、その人の“いまのペース”で自然と向きあえるトレイルなのです。

    歩き出す前に、ひとつだけ

    最初に、歩き出す前の小さなアドバイスです。秋から春先にかけて、トレイルヘッドにある公共のトイレは閉まっていることがあります。

    トレイルヘッドの公共トイレは、まさかのクローズ…。

    この日は、いつものようにまずトイレに寄ってから深呼吸、のつもりでしたが、駐車場に着いてみるとまさかのクローズ。およそ2時間のウォーキング終盤は、気持ちだけ少し早歩きになってしまいました。最後は近くのガソリンスタンドに寄ってひと安心。

    自然の中では、事前確認も立派な準備だと実感しました(笑)。そんな小さなハプニングも含めて、この日はそのままトレイルへ。まずは、舗装された歩きやすい道からスタートしました。

    舗装路で味わう、暮らしに寄り添うウォーキング

    舗装されたトレイルはアップダウンが少なく、歩き始めから肩の力が抜けます。今年のユタは秋が長く、紅葉を楽しめる時間がたっぷり。足取りも自然とゆっくりになります(トレイル終盤をのぞいて…)。

    秋空の下、思い思いのペースで歩く街の人たち。
    犬といっしょに、気負わないアウトドアを楽しむ男性。

    犬の散歩をする人、小さな子ども連れの家族、友人同士のにぎやかなグループ。腕にギプスを巻いて、無理のないペースで歩くおじいちゃんの姿もありました。年齢や状況に関係なく、自然の中へ溶け込める空気があります。

    舗装路が秋色のじゅうたんに変わる、ゆるやかな丘の上。

    ここまで来るとトレイルは落ち葉で埋め尽くされ、舗装路とは思えないほどの秋景色。所どころに置かれたベンチも風景になじみ、腰を下ろすだけで心が整います。

    葉を落とした木々のすき間から見える貯水池。
    このあたりはスカンクの通り道。民家のそばでも、ふわっと匂いが漂うことがある。
    思わず足を止めたくなる、木の根がむき出しになった土壁。
    山からの雪解け水がちょろちょろと横切る舗装路。大げさじゃない発見がうれしい。

    気分次第で足を延ばす、ダートトレイルのひと回り

    舗装路を歩きながら、そのまま未舗装のダートトレイルへ。特別に構える必要はなく、足の向くままに枝分かれした道を選びます。地面の感触が少し変わるだけで、歩くリズムも自然とワクワクしてくる私です。

    ここからは足もとや景色が変わるダートトレイルへ。
    足もとで鳴る、カサカサという落ち葉の音が気持ちいい。
    前方に木製の小さな橋を見つけて、ワクワクで小走りになる。
    貯水池と山道と、遠くには人のけはい。ちょうどいい静けさが続くトレイル。
    落ち葉に紛れて、道が見えにくい場所も。足もと確認は忘れずに。
    一見するとポイズンアイビー?正体は気になりますが、念のため触らずに。
    人工なのに風景になじむ素朴な階段に、なぜか惹かれる。

    貯水池を囲むダートトレイルは、ところどころに小さなアップダウンがあります。のぼりの坂道に弱い私は、息を切らしてしまうときもありますが、立ち止まればすぐに落ち着きます。風に揺れる葉の音だけが聞こえる静けさの中、水面に浮かぶ小舟。そして船の上でひとり、釣り糸を垂らす男性の姿も。

    歩いているからこそ見える、秋から冬へと移行する静かな景色。

    紅葉を眺めながら歩く若い男女のグループとすれ違い、またしばらく静かな道が続きます。舗装路よりも少し自然に近づいた感覚がありながらも、無理をしなくていい距離感。その日の体調や気分に合わせて、歩く長さを選べる自由があります。

    水辺の景色を眺め、すぐまた舗装路へ戻るもよし。もう少し先まで足を延ばすもよし。選択肢があること自体が、このトレイルの心地よさです。

    水辺では以前動物ドッキリクイズでご紹介した、マガモたちにも出会えましたよ。

    アメリカ・ユタ州では民家の庭に産卵も!マガモの愛くるしい生態【動物ドッキリクイズ・その28】

    私たち夫婦の足音に気づいて、一斉に水へ移動するマガモたち。

    歩くことで見えてくる、ユタのもうひとつの自然

    落ち葉の中を流れる小川と小さな木の橋。歩いた先に、こんな景色が待っている。

    ケイズクリーク・トレイルは、舗装路と未舗装トレイルがゆるやかにつながり、その日の気分や体調に合わせて歩き方を選べる場所です。特別な装備がなくても、自然との距離が少し近づく感覚ってすてきですよね。

    秋が進み、ユタの木々が葉を落とす季節。派手な絶景ではありませんが、暮らしの延長にあるからこそ味わえる静けさがあります。

    ユタの旅先で大きな景色を巡る合間に、こんな“暮らしの道”を歩いてみる。自然と向き合う時間は、案外、こうした場所にこそ残っているのかもしれません。

    トロリオ牧さん

    アメリカ・ユタ州ライター

    2001年渡米、ユタ州ウチナー民間大使。パンデミックをきっかけに「いつ死んでもOK!な生き方」を意識するようになり、17年間務めたアメリカ政府の仕事を2023年に辞職。現在はNHKラジオ出演や日本のWebメディア執筆など幅広く活動中。編著に電子書籍『型の中に答えはある』がある。夫婦でRVキャンプを楽しむのが最高の癒し時間。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。「海外書き人クラブアウォーズ2025」最優秀新人賞受賞

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