
今回紹介するのはフィンランド旅の1月前にしてきたカナダ旅でやりたかったけどできなかった「犬ぞり」です!
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思ってた通り最高に爽快な体験でした!(雪遊び王国フィンランド旅・その2)
前回はこちら↓
カナダ旅でなぜできかなったというと、異常寒波の到来でキャンセルになったから。それでも「馬ぞり」は決行されたことから「やっぱ馬だべ」とか思ったのは以前の記事にも書いた通りです。
でもやっぱり「犬ぞり」もしてみたいということで、フィンランドで体験しました。やってきたのはマカホーハスキーケンネル(McAho Huskie Kennel)、つまりはハスキー犬を飼う犬舎です。案内してくれたのはここで犬たちと暮らしているオーナーのティモさん、そして助手のサラさん。
さて最初はハスキー犬たちの見学とふれあいタイムです。ここには43頭の犬がいます。


別に「ペアルック」ってわけではなく、防寒服を提供されただけです。それで思い出すのがパース旅シリーズでいっしょだったシンガポール人ジャーナリスト、ヤエン。
今度シンガポールで数時間乗り継ぎするので久しぶりに連絡したら、なんか驚きの転職をしていました。それもまたこの【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】で紹介できるかと思います。
熱烈すぎる歓迎に驚き!
そのあと別の犬舎へ向かいます。するとそれまでおとなしくしていた犬たちなのに、私たちが入ってきたらパニックを起こしたように急に騒ぎ出します。
じつは犬たちの熱狂の理由。これから犬ぞりが始まることを理解していて、「自分を選んで!」というアピールなのです。私をスキーに…ではなく、犬ぞりに連れてってという感じなのでしょう。
さてさて犬ぞりの前に犬たちにハーネスを装着するのを手伝います。もちろんティムさんやサラさんがやったほうが圧倒的に早いのであまり「手伝い」にはなっていないのですが、こうして「体験」することでアクティビティがより深いものになりますよね。
ハーネスのつけかたは、犬にまたぐように立って胴の真ん中あたりを両側から足で挟んで犬が動かないようにしてから、前足にロープを通していきます。


ハーネス装着が終えたあと20メートルほど歩いて犬ぞりまで移動。

2人の乗客と運転手のティモさんを合計8頭の犬たちで引っ張ります。

「カラダを動かしていたらしあわせ」という私と通じるものがあります。まあ私の場合「アウトドアで日に当たっていたらハッピー」という面もあるので、動物と植物のハイブリットなのですが。笑

ちなみに私が切に請うたわけではなくティモさんの指定です。
犬ぞりがスタート!
さていよいよ、犬ぞりがスタート! で、これが無茶苦茶爽快なのです。犬ぞりレースとかだと最高速度は時速40~45キロメートルだそうですが、この犬ぞりツアーでも下り坂とかだと時速30~35キロメートルくらいは出ることがあるそう。30~35キロメートルって聞くとそれほどはなくないと思われるかもしれませんが、そりの着座位置はゴーカートよりも低いくらいですからスピード感は半端ないのです。

アップダウンが少しある林の中を駆け抜けたり、雪原を爆走したり。

下り坂では犬たちが急ぎすぎてけがをしないように、ティモさんがブレーキをかけるそう。
雪面が凸凹なところもあってときおりはねて、ごつんとお尻を打つのですがあまり痛くありません。それは下に敷かれているトナカイの毛皮が分厚いから。そして上にかけるのもトナカイの毛皮で暖かい。
今回の犬ぞりツアーの距離は3キロメートルで、所要時間は約10分(他にも1キロと6キロのツアーあり)。思っていたよりもずっとスピード感があって、本当に爽快な体験でした。カナダでは「やっぱ馬だべ」と思ったけど、「やっぱ犬だべ」と思いましたよ。
オーナーのティモさんに質問タイム
さてさて犬ぞりツアーを終えたあと、ティモさんにあれこれ聞いてみました。ハスキー犬たちと暮らしているから、誰よりもくわしいはずです。
まずどうしても聞きたかったのが「ハスキー犬にとって快適な気温」。冬場はマイナス5~10度くらいがちょうど快適で、マイナス30度になると犬たちにとっても厳しい気温だとのこと。カナダで犬ぞりが中止になったのはやはり犬たちの健康が考慮されたようです。
あともう一つ素朴な疑問が。「どうやって舵を切っているんですか?」「ああ、先頭を行く犬に右だ、左だと口頭で指示を出しているんですよ」
また犬の個体や気候にもよるけれども大体1日20から30キロメートルぐらい走ることができるそうです。…あっ、この話、私がお世話係を務める海外書き人クラブがこの「BE-PAL.NET」でリレー連載を務める「動物ドッキリクイズ」にすればよかったな。笑
ハーネスを外すのも参加者が協力してやります。そして「抱っこタイム」も。

すごくティモさんが大切にしているなによりの証拠です。そして…。

人間でも動物でも幸せそうな表情を見ていると、こちらも幸せそうな気分になれますな。だから私も幸せそうな表情でいようと思いました。
先住民風の小屋でほっこり体験
その後、先住民サーミの人たちが住んでいた伝統的な小屋(本来はアメリカの先住民のティーピーのように移動させられる)にインスパイアされた小屋で、温かい飲み物を手渡されます。寒かったこともあり、すぐにひとくち。やさしい甘さが口の中に広がります。

「ホットベリージュースです。ブルーベリーなどのベリー類やアップルからつくるんですよ」。「ホットワイン」は飲んだことがありますが、「ホットジュース」はもしかしたら初めての経験。これがほっこりいやされます。いやいや、温かい飲み物をつくらせたらフィンランドの人には叶わないな。そんな気分になりました。


さてここでまた疑問が。先住民サーミの人たちが住んでいた伝統的な小屋とのことですが、熱い空気は上に上がっていきます。つまり屋根がこんなに高いと熱が上に逃げてしまうので、冬の寒さが厳しいこのあたりではとても非効率的なんじゃないでしょうか。
その質問に対する答えは「この小屋には煙突をつけていますが、木や動物の皮で組まれた伝統的な小屋には煙突はなかったんです。だから煙を上にのぼらせて下のほうでは煙らないようにするためにこの形になっているんです」

トナカイ&ヘラジカ飼育園でネットリ体験
さて「動物つながり」でもう一ヵ所、紹介しましょう。別の日、トナカイやヘラジカを飼っている牧場も訪問しました。


ヘラジカのほうは「餌」ではなく「木の枝」を食べさせます。

この案内をしてくれた人は「ヨー、ヨー」という口癖があります。

英語にすると「Yes, Yes!」というか「Ya, Ya!」という感じ。つまり日本語に直すと「トナカイの歯は牛と同じなんです。うん、うん。肉をかみちぎるような前歯がないんです。うん、うん。だから餌をやっても人間が噛まれることはないんです。うん、うん」。
なんだかかわいい感じがして、つい真似しそうになっていた私。
そしてこの後オーストリアに移動して衝撃の事実を発見することになります!
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
Visit Finland
https://www.visitfinland.com/ja/
Visit Jyvaskyla Region(ユヴァスキュラ観光公社)
https://visitjyvaskyla.fi/ja/
McAhon Safarit
https://makiaho.com/safari_index2/
Restaurant MOOSE MANOR
https://hirvikartano.fi/en/
フィンエアー/Finnair
https://www.finnair.com/jp-ja
「日本から一番近いヨーロッパ」であるヘルシンキ経由で、欧州約70都市へ。羽田・成田・中部・関空の4空港就航。
写真/田所優季
旅行写真家、トラベル・ライフスタイルライター、ファッションデザイナー。