カナダ、アメリカ、メキシコの国境を越えて旅する「オオカバマダラ」ってどんな蝶?【動物ドッキリクイズ・その24】 - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.04.05

    カナダ、アメリカ、メキシコの国境を越えて旅する「オオカバマダラ」ってどんな蝶?【動物ドッキリクイズ・その24】

    カナダ、アメリカ、メキシコの国境を越えて旅する「オオカバマダラ」ってどんな蝶?【動物ドッキリクイズ・その24】
    南カリフォルニアにある我が家の庭にときどきオレンジ色の羽を持った大きな蝶がやってきます。英語ではMonarch Butterfly、帝王の蝶という、すごい名前の持ち主です。和名はオオカバマダラ。

    この美しい蝶は毎日のように庭先に現れる時期があり、しばらくすると姿を消します。忘れた頃にまた戻ってきます。その理由を最近になって知りました。オオカバマダラは季節によって旅をする蝶なのです。夏の間にカナダやアメリカ北部で繁殖し、秋になるとカリフォルニア州やメキシコへ南下し、越冬した後にまた北へ帰るのだそうです。

    移動する蝶は他にもありますが、このように数千キロにも及ぶ移動距離は世界的にも珍しいとのこと。トランプ米国大統領がメキシコとの間にどれだけ高い壁を築こうが、どれだけ高い関税をかけようが、オオカバマダラには関係ありません。国境を(たぶん)軽々と飛び越えて旅をします。

    かっこいいと思いませんか? 私は思います。

    ということで、オオカバマダラにまつわるクイズ4問です!

    【第1問】オオカバマダラの越冬地として正しいのは?

    a) カナダ
    b) メキシコ
    c) アラスカ
    d) ハワイ

    オオカバマダラは秋になると南下し、寒い冬を暖かい土地で過ごします。彼らが冬を過ごす場所として正しいものは上のうちのどれでしょう?

    正解は「b)メキシコ」です。 同国ミチョアカン州内にはユネスコ世界遺産に登録されたオオカバマダラ生物圏保護区があります。

    【第2問】オオカバマダラの最速飛行スピードは?

    a) 時速10㎞以下
    b) 時速15~25㎞
    c) 時速50㎞以上
    d) 時速100㎞以上

    オオカバマダラは3,000㎞から、ときには4,000㎞以上の距離を移動します。気流に乗るためでしょうか、数100mくらいの高さを飛ぶこともあるそうです。風の強さや方向などの条件が揃うと、オオカバマダラはどれだけの速さで移動できるでしょうか?

    正解は「b) 時速15~25㎞」です。それもほとんど休むことなく飛び続け、1日に100㎞以上移動することもあるそうです。

    【第3問】オオカバマダラの天敵として正しくないものは?

    a) クモ
    b) カマキリ
    c) 熊
    d) ネズミ

    他の昆虫たちと同じように、オオカバマダラもライフサイクルの段階によって生態が変化します。卵から幼虫になり、幼虫からさなぎになり、そしてさなぎから蝶になるわけです。むろん、自然界ではすべての卵が成虫に育つわけではありません。数多くあるオオカバマダラの天敵のなかで、正しくないものはどれでしょう?

    “Butterfly life cycle diagram in English as” by Cyanocorax – https://openclipart.org/artist/Cyanocorax is marked with CC0 1.0.

    正解は「c) 熊」です。 クマのプーさんはハチミツが大好きで知られていますし、さまざまな昆虫も食べるようですが、そのリストにはオオカバマダラは含まれていないようです。

    【第4問】オオカバマダラがもっとも長生きする世代の時期は?

    a) 地中
    b) 越冬中
    c) 北上中
    d) 南下中

    オオカバマダラの大移動は4世代に渡ります。同じ個体が北米大陸の北から南を往復するわけではなく、親から子へ、さらにその子へと、その長い旅は引き継がれていくのです。

    旅をしながら、前述したライフサイクルを辿るわけですが、その長さは一定ではありません。どの時期のオオカバマダラがもっとも長生きをするでしょうか?

    “butterfly collage (Large)” by JesusBranch is licensed under CC BY 2.0.

    正解は「d) 南下中 」です。 その時期の世代は6か月から9か月ほど生きることもありますが、他の世代の平均寿命は2週間から6週間ほどだそうです。

    どの世代に生まれるにしても、オオカバマダラにとっては旅こそが人生(蝶生?)です。どこかの土で生まれ、どこかの土に帰ります。いつも旅の途中です。しつこく繰り返しますが、かっこいいとは思いませんか? 私は思います。

    しかしながら、近年はオオカバマダラの個体数が減ってきているそうです。幼虫が依存するミルクウィードという植物が減少していることが主な原因だと見られていて、各地でさまざまな保護活動が行われています。

    私の近所の自然公園でも、「オオカバマダラのためにミルクウィードを植えましょう」というイベントでボランティアを募集していました。これからも、この美しい蝶が見られますように。

    私が書きました!
    米国在住ライター(海外書き人クラブ)
    角谷剛
    日本生まれ米国在住。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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