
今回ご紹介するのは、「切り餅」と「米麹」で仕込む、手作りコチュジャン。一見むずかしそうに思える発酵調味料も、実は意外と簡単に自分で仕込むことができます。ここでは、夏バテ予防にも役立つ「甘麹(甘酒」の作り方もあわせて紹介します。
発酵のちからで、やさしく深い味わいに。コチュジャンと甘麹を自宅で作ろう
近年では、スーパーマーケットでも見かけるようになったコチュジャン。
「コチュ」は唐辛子、「ジャン」は発酵調味料の意味。コチュジャンは唐辛子を使った発酵調味料です。別名、唐辛子みそ、甘辛みそとも呼ばれ、韓国料理のベースとして親しまれています。手作りコチュジャンには、もち米や麹のまろやかな甘味、唐辛子の辛味、発酵が調和した、奥深いおいしさがあります。
日本ではもち米を炊いて仕込むのが一般的ですが、今回はもっと手軽に、市販の切り餅を使ったレシピを紹介します。まずは、コチュジャンのベースとなる「甘麹」づくりからスタートしましょう。

この甘麹、とくにこれからの暑い時期には、多めに作っておくととても便利です。
冷水で薄めて甘酒として飲むのはもちろん、冷凍にしてシャーベットにすれば、ひんやりスイーツとしても楽しめます。やさしい甘みが特徴で、砂糖やみりんの代わりとして使えば、日々の料理に幅広く活用できる万能調味料です。
【甘麹のレシピ】
【材料】できあがり約500g

- 切り餅 200g
- 水 300ml
- 麹(乾燥) 200g
<下準備>
- すべての材料を計量します。
- 乾燥麹はかたまりがあればやさしくほぐします。
- もちを小さめにカットし、水につけておきます。

<作り方>
(1) カットしたもちと水を鍋に入れ、もちを溶かします。

(2) もちが溶けたら、火を止めて粗熱をとります。温度が60度Cになるまで冷まします。
(3) 温度が60度Cまで下がったら、米麹を入れてよく混ぜ合わせます。

(4) ヨーグルトメーカーや炊飯器の保温機能を使って60度C前後を保ちながら発酵させます。

もし水分が少なくて混ぜにくい場合は、様子を見ながら少量ずつ水を加えて調整してください。

麹の甘い香りがたっていれば完成です。麹がやわらかくなっているかも目安になります。
【コチュジャンのレシピ】
【材料】作りやすい分量

- 甘麹 200~300g(できあがりのテクスチャーによって加減してください)
- 韓国唐辛子(粉) 100g(辛さはお好みで調整)
- 塩 大さじ2~3
<作り方>
(1) ボウルに甘麹を入れ、粉唐辛子と塩を加えてよく混ぜ合わせます。
(2) 清潔にした保存容器に移し、表面が乾かないようにラップを表面に密着させて蓋をします。
(3) 室温で1~2週間ほど発酵させます。

保存のコツ&味の調整テクニック
- 冷蔵保存でおよそ3か月ほど日持ちします。保存中も発酵が進み、時間とともに味がまろやかになっていきます。
- 辛さや、甘さを調整したいときは、粉唐辛子や甘麹の量を加減してください。
- 辛味が強すぎると感じた場合は、酢やごま油を少量加えるとマイルドになります。
- うま味や風味が足りないと感じたときには、しょうゆや味噌を隠し味程度に加えると深みが増します。

手作りコチュジャン使い方
手作りのコチュジャンは、韓国料理はもちろん、さまざまな料理に幅広く使える万能調味料です。ビビンパのタレやトッポキ、ヤンニョムチキンの味付け、チゲに加えるのはもちろん、味噌の変わりや炒め物、和え物、焼き肉や野菜のタレとしても使えます。
手作りコチュジャンのすすめ

手作りコチュジャンは、時間とともにまろやかさやコクが増していきます。好みに合わせて調整できる自由さも楽しみのひとつ。味噌やしょうゆのように、日々の料理に取り入れられる万能だれを、暮らしのなかで育ててみてはいかがでしょうか?