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日本生まれの総合アウトドアメーカー「モンベル」
1975年、辰野勇氏は28歳にしてモンベルを設立。"Function is Beauty(R)"(機能美)と"Light&Fast(R)"(軽量と迅速。製品が軽量であればそれだけ迅速に行動でき、天候悪化や危険なエリアを早く抜けることができる)をコンセプトに商品開発を行なっている。
ラインナップはウェアから登山靴、テント、寝袋、カヤックまで。ここまで幅広く展開しているブランドは世界でも稀だ。数多いアイテムの中、最初のヒット商品は多雨多湿で寒暖差が激しい日本の気候に合った寝袋とレインウェアだった。このふたつは、今も同社の顔といえる存在で、充実のラインナップを誇る。
国内直営店は125店舗。商品を販売するだけでなく、使い方や遊び方、宿泊から保険まで幅広くサポートしてくれるのも魅力。近年は地方との関係を深め、アウトドアを通じた地域活性化に取り組み、地方自治体や企業、教育機関などと包括連携協定を締結することで、地域の魅力発信、自然体験やエコツーリズムの促進など、多方面で提案している。

寝袋やマットは、専用の台の上に広げて、寝心地やサイズ感を試すことができる。参考記事「日本全国125店!全国で展開されている「モンベルストア」早わかりガイド」
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日本を代表するアウトドアブランドのもの作り

2025年で記念すべき創立50周年を迎えるモンベル本社ビル。
本社企画部の開発フロア。自社開発を始めとした最新マテリアルが集められていて、隣のパターンルームで裁断、縫製、試作ができる体制が整っている。
隣接のテストラボには耐水圧、耐摩耗、耐引き裂き強度試験などに必要な機械類がずらりと並び試作したらすぐにテストできる。このフットワークの良さが開発速度の速さに繋がっている。
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独自技術で快眠!モンベルの寝袋の特徴を解説
高いストレッチ性やシームレスなど、革新的な機能を持っているモンベルの寝袋。筆者は、フィールドではいつもモンベルの寝袋を使っている。
動きを妨げない伸縮性で最高の寝心地
スーパースパイラルストレッチ システムと呼ばれる独自の技術は、最大135%のストレッチ性を持っている。就寝中の動きを妨げず、寝心地がとても良いだけでなく、テント内で寝袋に入りながらも動きやすいのが魅力。
そして、寝心地だけでなく保温性が高いのもポイント。アウトドアの活動で大切な衣食住の確保。住環境において大事な眠りの質を高めるには、寝袋の性能が重要だ。
保温性とストレッチ性で、快適な眠りを保証してくれるのがモンベルの寝袋だ。
隔壁をなくして断熱性と寝心地を向上
スパイダーバッフルシステムを採用したモデルを、筆者は冬の登山で愛用している。
従来の寝袋は隔壁を設け、ダウンが移動して片寄らないようにしている。この隔壁が、寝袋の象徴でもあった。スパイダーバッフルシステムはこの隔壁をなくしてもダウンが片寄らないシステムなのだ。
内部を「スパイダーヤーン」と呼ばれる特殊な糸を張り巡らせており、コールドスポットができにくくなっている。冬のテント泊では、寝ている際に背中側が圧迫されて冷えやすいのが筆者の悩みだったが、従来モデルより冷えにくく寝心地が良くなった。
抜群のストレッチ性や高気密性による優れた保温性により、アウトドアで快適で質の高い眠りを提供してくれるモンベルの寝袋。冬の寒さも気にすることなく過ごせる。
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寝袋を選ぶポイント
シュラフの形状は主に2種類
寝袋の形状は主に「封筒型」と「マミー型」の2種類。それぞれに特徴があるため、用途にあったものを選ぼう。
マミー型
マミー型のマミーは英語の「ミイラ」を意味し、まるでミイラが入った棺のような形状をしているのが特徴。体にぴったりフィットするような形状をしているため、人によって寝心地の好みがわかれるといえる。
軽量で収納するとコンパクトになるため、電車やバスなどの公共交通機関を利用したキャンプや野外フェス、登山などの荷物に制限がある場合におすすめ。
封筒型
封筒型は文字通り封筒のような長方形をしており、布団のような感覚でゆったりと寝られるのが特徴。また、寝袋内のスペースが広いため、ストレスなく簡単に寝返りをうてる。
同一商品をジッパーで連結できるタイプなら、家族で仲良く一緒に寝ることもできる。 封筒型は収納時のサイズが大きい傾向があるため、車でのファミリーキャンプにおすすめといえる。
温度域に注目
寝袋を選ぶ際は、温度域は見逃せない大切なポイント。たいていの寝袋には、快適使用温度・使用可能温度・限界温度の3つが書かれている。 それぞれの温度域の詳細は、以下の通り。
快適使用温度:一般的な成人女性が、寒さを感じず快適に寝られる温度域。
使用可能温度:一般的な成人男性が、寝袋の中で丸くなって8時間寝られる温度域。
限界温度:一般的な成人女性が、寝袋の中で膝を抱えて丸くなった状態で低体温症による死亡の危険なく6時間耐えられる温度域。ただし凍傷の危険あり。
※上記の定義はEU諸国の統一規格で、大手メーカーが採用している。ヨーロッパの成人男女を基準にした規格のため、日本人にとっては「快適温度」「使用可能温度」でも寒く感じる場合も多いので注意が必要。
これらのなかで、最も重要なのは快適使用温度。快適使用温度は上述のとおり最も快適に使用できる温度を示しており、商品によって異なる。
重視するのは寝心地?持ち運び?
寝心地に大きく関わってくる中綿の素材。寝袋で使われる中綿は化学繊維と羽毛(ダウン・フェザー)の2種類に分けられる。
羽毛が充填された寝袋は寝た際に圧力がかかる背中側が潰れるが、化学繊維の寝袋は潰れにくいため、ふかふかとした感触を味わえるのが特徴。また、水にぬれても保温力が落ちにくいので、結露しやすい環境では化学繊維中綿の寝袋が使用されることが多い。
ただし化学繊維製の寝袋は収納サイズがやや大きくかさばりがちで、若干持ち運びにくい。同じ快適温度域を確保する場合、ダウンと比べると重量も重くなる。
羽毛製の寝袋は、収納すると非常にコンパクトになるため簡単に持ち運べる。車だけでなく、リュックサックに取り付けたり、自転車に積んだりして移動可能。また、エアーマットやインフレーターマットを下に敷くことで、寝心地の向上も十分に図れる。また、同じ重量で比較すると化学繊維中綿の寝袋よりも、保温力が高い。
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「ドライ シームレス ダウンハガー900」シリーズ
mont-bell(モンベル) シームレス ダウンハガー900 #1
「スパイダーヤーン」という特殊な糸を張りめぐらすことでダウンの偏りを防ぐ革新的な構造を採用。ストレッチ性もあり寝心地は良好。(FP値 900FP)
●適応身長:身長183cmまで
●収納サイズ:直径16×32cm
●本体重量:864g
●適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-3度C、限界温度/-9度C
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mont-bell(モンベル) シームレス ドライ ダウンハガー900 #3
内部隔壁を廃し、代わりに特殊な撚り糸を使ってダウンの片寄りを防ぐ「スパイダーバッフルシステム」を採用した防水シュラフ。縫い目の少ない構造を生かし、表地に防水透湿素材を使用することでダウンを水濡れから守り保温力を最大限に引き出している。
●収納サイズ:直径14×28cm
●重量:541g
●快適使用温度:4℃
●下限温度:-1℃
●極限温度:-16℃
内外を裏返した状態。裏地はゴム糸でスパイラル状に縫ってある。深いギャザーを作ってあり、体にぴったり密着して暖かい。
「スパイダーヤーン」という特殊な撚糸から枝状の触手が無数に出ていて、この触手にダウンボールが絡みついて保持される仕組みだ。
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「シームレス ダウンハガー800」シリーズ
mont-bell(モンベル) シームレス ダウンハガー800 #1
ダウンが偏りにくい独自のスパイダーバッフルシステムを採用。保温性、伸縮性、軽さ、コンパクトさなど、欲しい機能を凝縮。
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\2024年本当に売れた寝袋ランキング第1位/
mont-bell(モンベル) シームレス ダウンハガー800 #3
隔壁のかわりに特殊な糸を張り巡らせることでダウンの偏りを防ぐスパイダーバッフルシステムを搭載。隔壁がない分軽く、縫い目からの冷気が入りにくい。内側にスーパースパイラルストレッチシステムを装備していて寝返りもスムーズ。一年を通して使えるトータルバランスに優れたモデルだ。
●収納サイズ:直径13×26cm(3.0L)
●重量:531g(スタッフバッグを含む総重量:555g)
●快適温度:4度C
●使用可能温度:-1度C
暖かさと軽さを両立する800FP EXダウンと、はっ水加工を施した超軽量シェル素材を組み合わせた軽量スリーピングバッグ。ファスナーの位置を選べるので、対応モデルの寝袋を接続することも可能だ。
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「ダウンハガー650」シリーズ
mont-bell(モンベル) ダウンハガー650 #2
最低使用可能温度は約-7℃で、春秋の登山にぴったり。夜に気温が下がる高原キャンプなどにも適しており、幅広いシーンで活躍する。独自のスーパースパイラルストレッチシステムにより、体の動きに合わせて生地が柔軟に伸び縮みする。
●収納サイズ:直径17×34cm(6.8L)
●重量:900g
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mont-bell(モンベル) ダウンハガー650 #3
よく伸びるストレッチ性の生地が使われているため、フィット感はあっても窮屈さは感じない。収納すると約15×30cmとコンパクトになるため、徒歩キャンプでも持ち運びやすい。「気軽なキャンプに使いやすいコスパのよい寝袋が欲しい」という人にぴったりな、ほどよい機能性と手の出しやすい価格を兼ね備えた寝袋だ。
●収納サイズ:直径15×30cm
●重量:695g
身長約183cmまで対応可能な、撥水加工の寝袋。快適使用温度は約3度、限界使用温度は-2度となっており、服装を工夫すれば、比較的暖かい時期の冬にも快適に使えそうだ。
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「シームレス バロウバッグ」シリーズ
\2024年本当に売れた寝袋ランキング第2位/
mont-bell(モンベル) シームレス バロウバッグ #3
表に縫い目がでないシームレス構造で、中綿のロフトは高いまま。縫い目からの放熱も防げるといいこと尽くめ。3種類のポリエステル繊維を組み合わせたシート状のオリジナル中綿「エクセロフト」を、30Dスーパーマルチ・ポリエステル・タフタで挟んでいて、万一、濡らしても保温力はキープ。
●収納サイズ:直径17×34cm(6.8L)
●重量:933g(スタッフバッグを含む総重量:963g)
●快適温度:5度C
●使用可能温度:0度C
●適応身長:183cmまで
快適温度5℃で、夏のアルプスから冬の低山キャンプまで幅広く利用できる。水濡れにも強いのでタープ泊などにも。 独自の中綿素材「エクセロフト」は、繊維を互いに固着させることで優れた一体性と耐久性を備えており、従来のようなキルティング加工が不要。
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mont-bell(モンベル) シームレス アルパイン バロウバッグ #5
使用可能温度4度Cで夏山の縦走や夏キャンプに適した、マミー型の化繊寝袋。中綿には濡れても保温力をキープし、耐久性の高い独自素材エクセロフトを使用している。スパイラルストレッチシステムを採用しているため、生地がよくのび、就寝時に窮屈さを感じない。
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「 O.D.スリーピングバッグ」シリーズ
mont-bell(モンベル) O.D.スリーピングバッグ#3
マミー型と封筒型の特徴を組み合わせたスリーピングバッグ。伸縮率最大125%と、フィット感がありながら窮屈さもなしで寝返りも楽々。L字型ジッパーで大きく開き、布団のように使用することもできる。
●収納サイズ:36×18×18cm(11.3L)
●重量:1,156g(スタッフバッグを含む総重量:1,236g)
●適応身長:~183cm
中綿には速乾性に優れ、濡れてもすぐに保温力を回復するエクセロフト(R)を使用。夏の高地や冬の低山に対応する汎用性に優れたモデルだ。

足先が蒸れるときは下側だけ開ければベンチレーションの役目も果たす。

生地の繊維方向を斜めに配置。ステッチ部分に糸ゴムを使いストレッチ性を実現。
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mont-bell(モンベル) ダウン O.D.スリーピングバッグ #0
マミー型のフィット感と封筒型の開放感を両立させたモデル。L字型ジッパーを全部開けば布団のように使うこともできる。
●重量:1,808g
●快適使用温度:-8度C~
●中綿素材:600FPダウン
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mont-bell(モンベル) ダウン O.D.スリーピングバッグ #3
マミー型と封筒型のいいとこ取り寝袋。伸縮率最大125%とフィット感がありながら、窮屈さもなく寝返りもスムーズ。L字型ジッパーを全開放すれば布団のようにも使える。
●サイズ:32×16×6cm(7.9L)
●使用可能身長:183cm
●重量:914g(収納袋込み:983g)
抜群のストレッチ性と足元のゆとりで快眠できるスリーピングバッグ。中綿には軽量で保温性の高いダウンを使用。コンパクトに畳めてロフト回復性も高い。ヒートロスの大きい頭部と首回りはしっかり保温しつつ足元はゆったりしていてストレスなしだ。

フルオープンできるので、掛け布団のような使い方もできる。
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「ファミリーバッグ」
mont-bell(モンベル) ファミリーバッグ #7
濡れても素早く保温力を回復するホローファイバーを採用しており、速乾性にも優れているので、多少の結露があっても安心。ホローファイバーは保水しないポリエステル繊維のことで、洗濯もできるので手入れもしやすくなっている。ファスナーを全開にすることで、ブランケットとして使用できたり、同モデルを連結してひとつの大きな寝袋として使ったりも可能。
●サイズ:最大長190×最大幅75cm
●収納サイズ:36×22×22cm
●重量:1,150g
●快適使用温度:13℃~
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mont-bell(モンベル) ダウン スリーピングラップ #5
長方形の簡易スリーピングバッグ。汎用性が高く、ブランケットやインナーシーツとしても使える。

ホックとドローコードで、体にフィットさせることも可能だ。
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