
携帯浄水器の選び方
アウトドアや災害時に頼れる携帯浄水器ですが、選び方を間違えると後悔することもあります。用途や条件にぴったりな一台を見つけるために、注目すべきポイントを押さえておきましょう。
浄水能力が高いか
携帯浄水器を選ぶ際に重要なポイントの一つに、浄水能力の高さがあります。効果的に不純物や有害物質を除去できるものでなければ、十分に安心できる飲料水を得ることは難しいでしょう。
浄水能力の高さは、使用されているろ材(フィルターの素材)の種類・性能により大きく左右されます。そのため、携帯浄水器を選ぶ際には、まずどのようなろ材が使われているかを注意深くチェックすることが大切です。
例えば、活性炭フィルターは臭い・味を改善するのが得意である一方で、セラミックフィルターや逆浸透膜(RO膜)は細菌・有害物質の除去性能が高いといった特徴があります。
このように、ろ材によって浄水器が対応できる水質問題には違いがあるため、自身の利用環境に合わせた製品を選ぶことが鍵となります。
使用シーンにマッチしているか
携帯浄水器には、以下のようにさまざまなタイプがあるため、自分の用途・使用シーンに適したものを選ぶことが大切です。
- ポンプ式
- ストロー式
- ボトル式
- つり下げ式
ポンプ式は、川や湖などの水を効率的にろ過できるので、キャンプ・登山で大量の水を確保したい場合に適しています。
ストロー式は、直接水源から飲むことができるシンプルな設計で、軽量かつ携帯性にも優れています。ボトル式は、容器一体型で設計されており、手軽にそのまま水を持ち歩くことが可能です。
つり下げ式は、重力を利用して水をろ過するもので、一度設置すればほぼ放置で済むため、キャンプや長時間の滞在時に重宝するでしょう。
容量は十分か
携帯浄水器を実際に使う場面を想定し、一度にどれくらいの量の水を浄水できるのかも確認しておきましょう。
例えば、短時間のトレッキングや一人での利用が中心であれば、小ぶりで軽量なモデルが役立ちます。一方、複数人で利用するなら、より大量に浄水できるモデルを選ぶ方がよいでしょう。
また、浄水器の容量は、フィルターの交換頻度やメンテナンスとも密接に関係しています。浄水量が多いと、フィルターの交換頻度は下がりますが、メンテナンス頻度は上がる傾向にあります。
維持管理しやすいか
維持管理のしやすさは、非常に重要な要素の一つです。分解洗浄が複雑で手間がかかるものだと、メンテナンスを怠ってしまいがちになります。
フィルターの交換時期やメンテナンス方法は、メーカーごとに違いがあるため、購入前にその方法を調べ、無理なく実施できるかどうか判断することが必要です。
また、フィルター自体の価格も重要で、あまりに高価だと結果的に出費がかさんでしまうことがあります。浄水器本体の価格だけではなく、ランニングコストにも着目しましょう。
おすすめの携帯浄水器【ボトル式】
キャンプや登山、災害時の備えには、手軽で信頼できる携帯浄水器が必須アイテムです。ここでは、『ボトル式浄水器』を三つピックアップしました。
mont-bell「ウルトラプレスピュリファイヤー ワンウェイバルブ付属」
フィルターに電気吸着体や粉末状の活性炭を使用した、高い浄水能力を持つ携帯浄水器です。
ろ過流量は10秒ごとに約500mL、細菌・寄生虫・ウイルスを99.9%除去できるため、限られた時間の中で十分な量の飲み水を確保できます。
さらに、逆流を防ぐワンウェイバルブが付属しており、水を入れたまま持ち運んでも問題ありません。アウトドアや旅行を趣味にする人に、心強いアイテムといえるでしょう。
- 商品名:モンベル「ウルトラプレスピュリファイヤー ワンウェイバルブ付属」
- 公式オンラインストア:商品はこちら

KATADYN「ビーフリー」
無数の微細な穴を持つホロファイバーフィルターにより、微生物やバクテリアを99.9%除去し、約1,700回分浄水できます。
容量約600mL・約59gと軽量で、ポケットやバッグに入れてもほとんど負担を感じません。折り畳みも可能なので、キャンプ・登山で荷物を軽くしたい人にとって理想的な選択肢です。
交換用フィルターも販売されていますが、本体価格とあまり差がありません。本体も使用しているうちに劣化してくる可能性があるため、浄化能力が低下してきた時点で新しいものを購入するのも一案です。
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- 商品名:KATADYN「ビーフリー」
- 公式サイト:商品はこちら

seychelle「サバイバルプラス携帯浄水ボトル」
イオン吸着マイクロフィルターが、水中の不純物・汚染物質をしっかりと取り除き、安全でクリアな飲料水へとろ過します。
約600mLという程よい容量もポイントで、軽量で携帯性が高いため、長時間の持ち運びも快適です。デザインもシンプルで実用的なので、アウトドアや緊急時だけでなく、日常にも気軽に取り入れられるでしょう。
国際赤十字やNATOといったサバイバルのプロフェッショナルにも採用されており、製品の性能と耐久性の高さを物語っています。予期せぬ災害時にも、心強いパートナーとなりそうです。
- 商品名:seychelle「サバイバルプラス携帯浄水ボトル」
- Amazon:商品はこちら

おすすめの携帯浄水器【ストロー式】
ストロー式の携帯浄水器は、コンパクトで持ち運びやすい上、その場で手軽に安全な水を確保できる優れものです。ここでは、特に人気の高い三つのアイテムを紹介します。
ソーヤー「ミニ」
搭載されている中空糸膜のフィルターは、細菌・原生動物などの微細な汚染物質を除去する効果に優れており、登山家や防災意識の高い人々から高評価を得ています。
付属のパウチやペットボトルに接続して水をろ過するほかにも、市販のペットボトルに直接挿して、ストローとして使用することも可能です。
リュックの小さなポケットにも収まるほどコンパクトなので、荷物を最小限に抑えたい場合でも邪魔になりません。
- 商品名:ソーヤー「ミニ」
- 公式オンラインストア:商品はこちら

株式会社かりはな製作所「mizu-Q PLUS」
軽量コンパクトで、キャンプ・登山などのアウトドアレジャーに便利な携帯浄水器です。リュックに入れておけば、万が一の緊急時にも飲み水を確保できます。
全て日本国内で製造・管理されており、その品質に対するこだわりも際立っています。細部にまで目が行き届いた品質管理が徹底されており、信頼感が段違いです。
カートリッジ1本につき、約350Lの水を浄水できます。カートリッジ交換は入れ替えるだけと簡単なので、いざというときのために交換用カートリッジ込みで備えておくとよいでしょう。
- 商品名:株式会社かりはな製作所「mizu-Q PLUS」
- 公式オンラインストア:商品はこちら

LifeStraw「LifeStraw」
アメリカのLifeStraw社のストロー式携帯浄水器です。災害時や水資源の乏しい地域での使用を視野に入れた製品として、世界中で高い評価を得ています。
水源から直接水を吸うタイプでコンパクトなことから、キャンプ・登山の際に荷物を増やさずに携帯できるでしょう。
約4,000Lまで水をろ過できるという優れた耐久性も魅力で、長期間にわたって持続して使えるため、コストパフォーマンスにも優れています。
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- 商品名:LifeStraw「LifeStraw」
- 公式オンラインストア:商品はこちら

おすすめの携帯浄水器【ポンプ式】
ポンプ式は、効率良く水をろ過でき、キャンプやアウトドアで頼りになるアイテムです。ここでは、使いやすさが評判のおすすめモデルをピックアップしました。
MSR「ミニワークスEX」
アメリカのアウトドアメーカー「MSR」の携帯浄水器です。アウトドアギアブランドとして広く知られたメーカーであり、品質の高さと耐久性に裏打ちされた製品は多くの人々に支持されています。
『ミニワークスEX』の最大の魅力は、1分間で約1Lろ過できるスピーディーな浄水性能です。時間を無駄にせず、迅速に安全な水を確保できるというのは、アウトドアにおいて大きなメリットです。
このスピードは、他の携帯浄水器と比較しても優れており、効率性を求める人にぴったりのアイテムといえるでしょう。
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- 商品名:MSR「ミニワークスEX」
- 公式オンラインストア:商品はこちら

シーガルフォー「ファーストニード XLE」
平均して毎分約1.8Lもの水を浄化することが可能で、短時間で必要な量の安全・清潔な飲料水を確保できます。
付属のボトルアダプターを使えば、ペットボトルに取り付けて使用することも可能です。手軽に浄化した水を保存し携帯できるので、飲み水が限られた場所で重宝するでしょう。
緊急時・登山・海外旅行など、さまざまな場面で安心して利用できるため、限られたリソースを最大限に活用したい人におすすめのアイテムです。
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- 商品名:シーガルフォー「ファーストニード XLE」
- 公式オンラインストア:商品はこちら

おすすめの携帯浄水器【つり下げ式】
手軽さと効率性が人気のつり下げ式の携帯浄水器ですが、具体的にどのような製品が人気なのでしょうか?最後に、注目のつり下げ式携帯浄水器を二つ紹介します。
KATADYN「グラビティ ビーフリー 3.0L」
約3Lとたっぷりの容量を備えた携帯浄水器です。グループ・ファミリーでも必要な水を十分に確保することが可能で、わざわざ水をくみに行く手間も軽減されます。
重力を活用して水をろ過できるので、袋をつるしておくだけで水が自然に浄化され、特別な力を必要としません。長時間歩いて疲れた後でも、簡単に清潔な水を手に入れられます。
サーモプラスチックポリウレタン製(TPU製)でコンパクトに収納でき、持ち運びしやすい設計となっているため、かさばる荷物をできる限り減らしたいときに活躍します。
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- 商品名:KATADYN「グラビティ ビーフリー 3.0L」
- 公式サイト:商品はこちら

プラティパス「グラビティワークスフィルターシステム」
流量は1分当たり約1.5Lで、グループでの利用や複数人分の飲料水を確保する場合でも、ストレスなく迅速に対応できます。取り扱いが簡単なので、初心者でも安心して使用できるでしょう。
搭載されているフィルターは、米国環境保護庁(EPA)や全米科学財団(NSF)の厳しいガイドラインをクリアしているため、浄水性能には信頼が置けます。
バクテリアや原生動物を効果的に除去し、山でのトレッキングやキャンプ、災害時などでも安全な水分確保が可能です。
- 商品名:プラティパス「グラビティワークスフィルターシステム」
- 公式オンラインストア:商品はこちら

まとめ
清潔で安全な水の確保は、アウトドアや災害時の最優先事項です。携帯浄水器は、その場で即座に安心できる水を手に入れるための、頼れるパートナーとなるでしょう。
浄水能力・使用シーン・容量・維持管理のしやすさをチェックすることが、ライフスタイルにぴったりの一台を見つけるポイントとなります。
それぞれの製品が持つ機能性や使用感を比較し、アウトドアの装備を充実させましょう。