山歩きやキャンプで拾ったどんぐりで「どんぐり盆栽」を作ってみよう | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.09.27

    山歩きやキャンプで拾ったどんぐりで「どんぐり盆栽」を作ってみよう

    山に行ったとき、キャンプに行ったときに、どんぐりや松ぼっくりが落ちていて、思い出に持ち帰ってきたことはありませんか?

    そのままインテリア小物として飾っておくのも素敵ですが、どんぐりや松ぼっくりはお家で「育てる」こともできます。

     ベランダガーデニングの著書を多数出版し、ご自身もアウトドアを楽しまれている、イラストレーター&ガーデニングクリエイターの、たなかやすこさんに、どんぐりと松ぼっくりを使って、お家でグリーンを育てる方法を伺いました。

    山や森、公園で。どんぐりや松ぼっくりを集めよう

    夏が終わりかけて秋めいてくる頃に山や森、近所の公園を歩けば、どんぐりや松ぼっくりが落ちているのを見かけるようになります。きれいなものを少し多めに拾い集めたら、どんぐり盆栽や松ぼっくりテラリウムを作る準備をしましょう。(松ぼっくりテラリウムはこちらの記事から

    どんぐりの下準備をする

    9月〜10月頃に拾ってきたどんぐりを、水の中に入れてみて、浮かぶかどうか観察してみてください。浮かんでしまったものは残念ながら虫に食われている可能性があるため使えません。水に沈んだどんぐりのみ使っていきます。

    どんぐりの発芽に適している時期は、実は3月頃。そこで、秋に拾ってきたどんぐりは、休眠させておくと良いでしょう。ラップにくるんで冷蔵庫の野菜室に入れて、春まで眠らせておきます。3月以降に取り出したら、水にもう一度沈めて再チェックします。

    「どんぐりの発芽のタイミングですが、夏だと暑すぎてしまい、冬も寒すぎるためオススメしません」

    待ち遠しいですが、少し辛抱して来春まで待機します。

    どんぐり盆栽の作り方

    春になり、いよいよ発芽の季節になったら、どんぐり盆栽を作りましょう。

    材料

    どんぐり 3〜5個
    ハイゴケもしくはヤマゴケ 適量
    素焼きの器 直径9cm(3号バチ)
    小さな網 適量
    赤玉土、盆栽の土  適量

    ハイゴケやヤマゴケは、ホームセンターで売っているので適量を購入してください。どんぐりは、水に入れて沈んだものをセレクトします。

     1.苔は水につけて、あらかじめ給水しておく

    2.素焼きの器に網を張り、赤玉土を入れる。

    3.その上から盆栽の土を入れる。鉢の9割ほど土を入れたら、その上にどんぐりを置く。どんぐりが発芽するには酸素が必要なので、土の中には入れないようにする。これは山でどんぐりが発芽するときと同じ原理。

    4.たっぷり水をあげる。

    5.その上から給水しておいた苔を乗せていく

    6.完成!水やりは2日に1回を目安に、鉢底から水が流れくるくらいまで与え、皿の水は捨てる。

    どんぐりや苔は光が必要

    「どんぐりが発芽する状況を想像してみると、木からどんぐりが地面に落ちて、そこからゆっくり発芽していきますよね。山と同じように、自然に近い状態を作ってあげることで、どんぐりも育ちやすくなります」

    どんぐりと苔を一緒に育てるのは、苔に含まれた水分が土に潤いを与えて乾燥を防いでくれるから。特に苔は、1日のうち3〜4時間、朝日を浴びさせると枯れることなく育ちやすくなります。

    「山でも、様々な植物が生えていることで土に水分がキープされています。また、山の道を歩いていると、光が入り込んでいるところに新芽や苔が生えているのを見ることがあると思います。どんぐりも苔も、光合成をして育ちます。そのために光が必要です。なるべく光の当たる場所で育ててあげてください」

    どんぐりはそれぞれ個体差があり、発芽するものとしないものが、どうしても出てきます。そこで、いくつか鉢を分けて複数植えるか、少し大きめの鉢に複数のどんぐりを同時に植えて様子をみるのも良いでしょう。

    発芽まで、40日から2ヶ月くらい。3月上旬に植えつけて40日後に発芽したものがこちら。

    鉢分けの仕方

    発芽して1年経ち、写真のように葉に元気がなくなってきたら、株分けすると良いでしょう。

     

    1.鉢からどんぐり盆栽を取り出す。

    2.土、根、枝、苔をばらす。

    3.新しい鉢に網を張り、赤玉土を入れて、どんぐりの枝に軽く手を添えながら、盆栽の土を注ぎ入れていく。

    4.土の上を覆うように苔を被せて、たっぷり水をあげて完成。

    「余った苔は、他の鉢植えに使ってみるのも良いです。どんな場所だと植物が好んで育つかな、と自分のベランダや室内で位置を変えるなどして、観察してみてください。山で見た自然を、もう一度お家で再現してみる。実験感覚で楽しんでみるといいですね」

    途中で枯れてしまった場合、原因として考えられるのは「光不足」が多いとか。ベランダで育てる場合は日光が適度に入る場所で、室内の場合はテラリウム用のライトの下などに置いてあげると安心です。

    「どんぐりはもちろん、苔の1年の経過を観察してみるのも楽しいものです。どんぐり盆栽を通して、自然との付き合い方を学んでみてください」

    次回は、「松ぼっくりテラリウム」の作り方をお伝えします。

    たなかやすこさん

    イラストレーター&ガーデニングクリエイター
    市川緑の市民フォーラム会員
    長男の小学校入学を機に自宅でイラストレーターの仕事を開始。同時に菜園を借りて始めた野菜作りのとりこに。著書に『ベランダ寄せ植え菜園 自然の力を借りるから失敗しない』(誠文堂新光社)など。 

     

     

    私が書きました!
    ライター・エディター
    古園麻子
    東京在住。編集、執筆、企画プロデュース、WEBディレクション、翻訳などする傍ら、登山や海のアクティビティを楽しみ、最近では武道も学び始める。

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