
アサガオの種類は大きく2つに分けられる

アサガオは、大きく分けて『日本アサガオ』と『西洋アサガオ』に分類されます。まずは、それぞれの特徴や魅力を見ていきましょう。
小学校でも定番「日本アサガオ」
日本アサガオは、1000年以上前に中国から日本へ伝わり、その後長い年月をかけて日本独自の品種改良が進められてきた伝統的な植物です。『大輪アサガオ』と『変化アサガオ』に大別され、大輪アサガオは小学校でもよく栽培されています。
変化アサガオは、突然変異や品種改良によって生まれた品種で、珍しい花色や斑入りの葉を持つもの、八重咲のものなどがあります。一見アサガオとは思えないほど個性的な姿が、愛好家の間で特に人気です。
グリーンカーテンに適した「西洋アサガオ」
西洋アサガオは、明治以降に日本へ伝わった品種で、日本の伝統的なアサガオと比べると少し特徴が異なります。
例えば、日本アサガオは朝早くに花が開き、午前中にはしぼんでしまうことが多いのですが、西洋アサガオは夕方まで咲き続けてくれるのが大きな魅力です。
また、一般的に西洋アサガオはつるの勢いが非常に強く、夏の盛りから秋遅くまで次々と花を咲かせるので、長い期間にわたって観賞を楽しめます。
日中の時間帯に庭でゆっくり花を楽しみたい人や、朝だけでなく長い時間アサガオの鮮やかな色合いを味わいたい人には、ぴったりの品種です。
【日本アサガオ】人気の種類2選

古くから日本にあった伝統的なアサガオには、ユニークな姿や色合いを持つ多彩な品種があります。中でも、「庭をもっと華やかにしたい」「人とは違うアサガオを育ててみたい」という人におすすめの品種を紹介します。
枝垂れた姿が美しい「恋しぐれ」

日本の育種家によって生み出された枝垂れ咲きのアサガオで、従来のアサガオとは異なる独特の姿が魅力です。
つるが支柱などに巻きつかず、自然に垂れ下がる性質を持っているため、ハンギングバスケットやベランダの手すりなど高い場所に植えるのに向いています。
垂れ下がったつるが風にそよぐたびに動き、庭やベランダに涼やかな雰囲気をもたらしてくれるでしょう。また、葉に美しい白い斑が入るため、花だけでなく葉の観賞も楽しめます。
枝が広がって平たい株姿になることもあり、誘引の手間がかからないので、手軽に個性的な演出ができるのも大きな魅力です。
あんどん仕立てに最適「暁シリーズ」

花径約18cmにもなる、迫力のある大輪の花を咲かせるアサガオです。存在感のある美しさで、咲き始めると庭が一気に華やぎ、毎朝の水やりが待ち遠しくなるでしょう。
つるがあまり長くならない性質を持っているため、限られたスペースでも育てやすく、『あんどん仕立て』にも適しています。
あんどん仕立てとは、鉢に支柱を立てて、つるをらせん状に絡ませながらコンパクトに仕立てる方法です。スペースを有効活用しつつ、見た目にも美しい形に整えられるため、庭やベランダでの栽培にぴったりです。
【西洋アサガオ】人気の種類2選

西洋アサガオは、日本のアサガオよりも花期が長く、秋が深まるまで庭やベランダを彩り続けてくれるのが魅力です。代表的な西洋アサガオの品種と、それぞれのおすすめポイントを詳しく紹介します。
鮮やかな青色の花「ヘブンリーブルー」

爽やかな青色の大きな花を、8~11月ごろまで長く咲かせる人気品種です。日本アサガオより開花時期が遅く、晩夏から秋の終わりまで庭を華やかに彩り続けるため、季節の移ろいを感じながら長く鑑賞できます。
育てやすく生育旺盛でつるがよく伸びるため、フェンスやネットに絡ませてグリーンカーテンを作りたい人にもおすすめです。夏の強い日差しを和らげ、涼やかな空間をつくるのに役立つでしょう。
葉は丸みを帯びたハート型で、花とともに庭に優しい印象を与えます。適宜肥料を与えることで花付きがよくなり、より美しい花を楽しめます。
星形の模様がかわいい「フライングソーサー」

白地に青いストライプ模様が特徴的な西洋アサガオです。美しい絞り染めのような花色が、庭を鮮やかに彩ります。
白や青の単色で咲くこともあり、一株の中でも蕾ごとに異なる模様や色合いを楽しめるため、まるで一点もののアート作品のような、変化に富んだ表情を見せてくれます。
育てやすく丈夫な性質でもあり、日当たりと風通しのよい場所で適切に管理すれば、たくさんの花を楽しめるでしょう。
ヘブンリーブルー同様、つるの伸びが非常によく、夏から晩秋にかけて花を咲かせ続けるため、グリーンカーテン作りにも適しています。
【変化アサガオ】人気の種類2選

多様な姿や色彩を持つ『変化アサガオ』も、近年多くのガーデナーに注目されています。ユニークな形や華やかな咲き方は、同じアサガオながらも全く違った表情を楽しめるのが魅力です。中でも、庭作りにおすすめな変化アサガオの品種を紹介します。
縁が尖った小ぶりの花「桔梗咲きアサガオ」

桔梗の花を思わせる星形の花びらが特徴的なアサガオで、一重・半八重・八重咲きと、個体によりさまざまな顔を見せます。花びらが重なり合うことで、華やかさとボリューム感が増して豪華な印象です。
花径は約6〜8cmで、赤・青・白など多彩な花色が混ざり合うため、変化に富んだ景観を作り出せるでしょう。
花びらが厚く花もちがよいので、長く美しい姿を保つのも魅力です。つるはあまり長く伸びず、葉も小さめで濃緑色をしているので、あんどん仕立てや鉢植えなど限られたスペースでも美しく仕立てられます。
一風変わったアサガオ「スプリットペタル」

深く切れ込みがあり、レースのようなエレガントさのある花びらが特徴です。中心が白く、縁に向かって濃いピンク色に染まるため、繊細でふんわりとしたかわいらしい印象を与えます。
花径は約4~6cmと小ぶりですが八重咲きの華やかさがあり、まるで閉じたパラソルのような形の蕾にも、愛らしさを感じられます。
つるは細く、葉も小型で鉢植えに向いているでしょう。変わり咲きの中でも多花性のため、次々と花を咲かせて庭やベランダを華やかに彩ります。
秋まで長く楽しめることも魅力で、ほかのアサガオとは違った個性を求める人にぴったりの品種です。
まとめ

ひと口にアサガオといっても、その姿や楽しみ方はさまざまです。日本でなじみ深い伝統的な品種から、近年人気の西洋由来のものまで、庭作りの方向性やライフスタイルに合わせて選べます。
選び方や育て方次第で、庭やベランダを個性豊かに彩り、日々の生活に小さな楽しみをもたらしてくれるはずです。初めて育てる人も、こだわりの品種に挑戦したい人も、自分らしいアサガオの楽しみ方を見つけてみませんか?