花や実も写真で紹介!都会の庭や街路でも見かけるようになった「ヤマボウシ」を見つけてみよう | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2025.06.30

花や実も写真で紹介!都会の庭や街路でも見かけるようになった「ヤマボウシ」を見つけてみよう

花や実も写真で紹介!都会の庭や街路でも見かけるようになった「ヤマボウシ」を見つけてみよう
画家・写真家・ナチュラリストのおくやまひさしさんによる、美しいイラストと写真付きの自然エッセイです。今回は、ヤマボウシについて。

ヤマボウシの英名はCornus kousa subsp. kousa

ミズキ科の落葉小高木。高さ10mに達し、本州から九州までの山地に分布する。花は6〜7月に開き、淡黄色で小さく、多数が球状に集合し、大形の花弁状で白色の総苞片が4枚ある。

名は、頭状花序を僧兵の頭に、白い総包片を頭巾に見立てたことに由来。果実が食用となるため「山に生える桑」という意味からヤマグワともいわれるが、クワ科のヤマグワとは別種。材は木槌の柄など器具材として用いる。

赤い実がおいしいヤマボウシは別名「ヤマグワ」ともよばれる。

関越道を湯沢で下りて、三国街道を通って清津川を渡り、かぐらスキー場のほうへ登ると、私たちがイワナ釣りに入る沢がある。このあたりは勾配のきつい山道が続くが、6~7月ころ、まっ白い大きな花をつけた木をよく目にする。
 
上向きに大きな花をつけるこの木が、ヤマボウシだ。4枚の大きな花弁に見えるのは、じつはつぼみを包んでいた総苞片で、本当の花はとても小さく、20~30個ほどが中心にかたまってつく。
 
よく似た花にハナミズキがあるが、これは1912年に当時の東京市長の尾崎行雄がワシントンにサクラを贈り、その返礼に贈られた木だ。公園や植物園によく植えられているほか、今では庭木や街路樹としてもよく見かける。

ヤマボウシの総苞片は先が尖っているが、ハナミズキの総苞片は先がへこんでいる。ハナミズキの赤く熟れる実は、1.2㎝ほどの楕円形の核果で、数個かたまってつくが、残念ながら食べられない。
 
山地に育つヤマボウシだが、最近は都会の庭や街路でもよく見かけるようになった。果実は集合花で、1~1.5㎝ほどの球形で、10月ころには赤く熟れて食べられる。なぜかこの実を食べる人はいなくて、いつまでも枝にぶら下がっていて、やがて鳥のエサになってしまう。
 
赤い実は外皮がざらつくが、皮をめくると中身はジューシーなオレンジ色で甘い。ジャムにすると水っぽいが、砂糖を多めに入れて煮詰めれば、もしかしたらねっとりとしたオレンジ色のジャムに仕上がるかもしれない。

ヤマボウシの花や実はこんな形

中心にかたまってつく本当の花。

赤く熟れた秋の実。

果肉はオレンジ色で甘い。

ハナミズキの実は食べられない。

※イラスト・写真・文/おくやまひさし

おくやまひさし プロフィール

画家・写真家・ナチュラリスト。 
1937年、秋田県横手市生まれ。自然や植物に親しむ幼少期を過ごす。写真技術を独学で学んだのち、日本各地で撮影や自然の観察を開始。以降、イラストレーター、写真家として図鑑や写真集、書籍を数多く出版。

(BE-PAL 2025年7月号より)

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