タイ北部の街チェンラーイで出合った、郷土料理のカオソーイとサイウァに舌鼓! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.06.08

    タイ北部の街チェンラーイで出合った、郷土料理のカオソーイとサイウァに舌鼓!

    今も献花に訪れる人々が絶えない、ラーンナー・タイ王国の建国者、メンラーイ王の記念碑。
    ©Takaki Yamamoto

    著述家、編集者、写真家・山本高樹のタイ辛旨縦断紀行①

    3年ぶりに訪れたチェンラーイの街

    2023年初頭、僕は旅行用ガイドブック『地球の歩き方タイ』の改訂に必要な取材の仕事で、3週間半ほどかけて、タイを北から南へと縦断する旅をしていました。以前は年に一度のペースでこの取材をしていたのですが、2020年に発生したコロナ禍の影響で、ずっと中断を余儀なくされていました。僕自身がタイを訪れたのは、実に3年ぶりのことでした。

    タイでの取材はかなり過密なスケジュールで、個人的な取材や撮影をする時間はほとんど取れなかったのですが、取材の合間に目にしたタイの街や人々の様子、そして各地で口にした辛くて旨いタイ料理の数々について、これから何回かに分けてレポートしていきたいと思います。

    チェンラーイの街のあちこちで見かける、異様に画力の高い壁画。
    ©Takaki Yamamoto

    タイ北部に位置するチェンラーイは、13世紀にラーンナー・タイ王国の都が置かれていたこともある場所で、ゆったりとおおらかな雰囲気の漂っている街です。しかし、コロナ禍の影響はそれなりに大きかったようで、馴染みの旅行会社がオフィスを閉鎖していたり、観光客向けの宿やレストランにも、廃業していたところがいくつか見受けられました。

    白亜の寺院、ワット・ローン・クン。
    ©Takaki Yamamoto

    芸術家を大切にする街、チェンラーイ

    チェンラーイは、地元出身の芸術家を大切にしていることでも知られている街です。街の南の郊外には、チェンラーイ出身の芸術家、チャルームチャイ・コーシピパットさんがデザインし、私財を投じて建設した美しい白亜の寺院、ワット・ローン・クンがあります。チェンラーイ随一の観光スポットとしてすっかり有名になったこの寺院は、今も敷地内で新しいお堂が建設され続けています。

    チェンラーイの街の象徴の一つ、金色の時計塔。
    ©Takaki Yamamoto

    チェンラーイの街の中心部の交差点に建つ金色の時計塔や、大通り沿いに連なる街灯も、チャルームチャイ・コーシピパットさんのデザインによるもの。鋭利な装飾に彩られたそれらの姿は、現在のチェンラーイの街を象徴する存在の一つとなっています。

    夕刻、通りに面した酒場で、気だるく酒を酌み交わす欧米からの観光客たち。
    ©Takaki Yamamoto

    少しずつ戻ってきた観光客

    コロナ禍の影響で、タイでも一時はすっかり姿を消していた海外からの観光客も、今回の取材をしていた2023年初頭には、少しずつ戻ってきていました。以前はもっとも多かった中国からの観光客はまだこれからのようでしたが、欧米からの観光客たちが、夕暮れ時に酒場に集まって、酒を飲みながらおしゃべりに興じている姿は、街のあちこちで見かけました。

    チェンセーン郊外の寺院に新しくできた、ガラス張りのスカイウォーク。
    ©Takaki Yamamoto

    チェンラーイから北に60キロほど離れた場所にあるチェンセーンという小さな街の郊外に、ワット・プラタート・パーン・ンガオという寺院があります。2022年、その寺院のある山の上に、ガラス張りの回廊を巡らせたスカイウォークが完成したというので、見に行ってきました。ガラスのスカイウォークは大勢の観光客でにぎわっていて、うっすらとかすむ空の下には、滔々と流れるメコン川やチェンセーンの街並が見渡せました。タイ北部の新名所になりそうな予感がします。

    タイ北部の代表的な郷土料理、カオソーイとサイウァ。
    ©Takaki Yamamoto

    地元民御用達の食堂で、タイ北部の郷土料理をいただく

    チェンラーイの街には、観光客に人気のレストランがいくつもありますが、個人的には、地元の人々でにぎわっている安食堂で食事をするのが好きです。チェンラーイの街でお気に入りだった食堂は、時計塔の近くにある、ラーン・ポーチャイという食堂。ここは、カオソーイというタイ北部の代表的な麺料理がおいしいことで有名なのだそうです。

    カオソーイは、ココナッツミルクを使ったカレー風味のまろやかなスープにゆでた麺を入れたもので、トッピングに麺を揚げたものを添えます。この時はカオソーイと一緒に、サイウァという香草を練り込んだ爽やかな風味のソーセージも注文。パクチーと一緒にサイウァを頬張り、ひりっと辛いカオソーイをすすっていると、ああ、タイに戻ってきたんだなあ、と、ようやく実感が湧いてきました。

    ———

    取材協力:
    『地球の歩き方タイ 2024〜2025』
    (地球の歩き方 2023年6月8日発売)

    私が書きました!
    著述家・編集者・写真家
    山本高樹
    1969年岡山県生まれ、早稲田大学第一文学部卒。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとザンスカールに長期滞在して取材を敢行。以来、この地方での取材をライフワークとしながら、世界各地を取材で飛び回る日々を送っている。著書『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。

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