最先端の科学技術で森林保護を。猛烈なスピードで変化する中国のいま、その素顔に触れるドキュメンタリー
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    2023.05.19

    最先端の科学技術で森林保護を。猛烈なスピードで変化する中国のいま、その素顔に触れるドキュメンタリー

    中国全土にその名を轟かせるインフルエンサーで、ドキュメンタリー監督の竹内亮。彼の手掛けた4本の映画を上映する「竹内亮のドキュメンタリーウィーク」が開催されます。中国の環境保護って?中国の科学技術がエクアドルの森を守ってる!?来日した監督に完全独占取材を敢行しました。

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    『ファーウェイ 百面相』

    竹内亮(たけうち・りょう):1978年千葉県出身。ドキュメンタリー監督・番組プロデューサーとして『ガイアの夜明け』(テレビ東京)、『世界遺産』(NHK)などを制作。中国・南京在住。Weibo (中国版Twitter)522 万⼈、抖⾳(中国版TikTok)70 万⼈(23年1月時点)、番組のアカウントを含めると1000万人を超え、中国全土でナンバー1インフルエンサー(Weibo 旅⾏関連のランキング。23年1月時点)。2021 年 Newsweek の「世界が尊敬する日本人 100」に選出。

    自身が画面に登場し、目撃する事実を自分の目線で記録していく

     竹内亮監督のドキュメンタリーは、独特なバランスの上に成り立つ。自身がMCとして画面に登場し、彼が目撃する事実をシンプルに記録。監督の在り方は気負いなくフラットで、普通の人が驚くことに驚き、疑問を持って次なる行動に移す。『お久しぶりです、武漢』 『我住在这⾥的理由(私がここに住む理由)』では、フォロワー500万人を超えるWeibo で取材対象者を募り、フットワーク軽く、ドキュメンタリーをつくっていく。

    中国は変化のスピードが猛烈に速い!

    ――ごく一般的な目線で抱いた好奇心から、ドキュメンタリー作品をつくるまでの距離が短いように思うのですが?

    「おっしゃる通りです。そうしないと、スピード勝負に勝てないからです。中国は変化のスピードがめちゃめちゃ速い。中国を半年離れたらもうついていけない、それくらいのスピードで流行りすたりが変わります。日本の場合、半年離れても全然大丈夫という気がします。10年前に中国へ移住する以前は日本のテレビ業界にいましたが、いまでも戻れそうだなと。技術的なものも含めて」

    10年前にNHKのドキュメンタリー番組で長江を撮影、「そのときに撮れなかった長江源流の最初の一滴を撮りたい」と6300㎞を走破。途中、10年前に撮影した人たちと再会しながら中国の10年の変化を見つめる。

    ――『再会長江』を観ると、変化のスピードに改めて驚かされます。雲南省の西北、標高約3300mの高地にあるシャングリラに暮らすチベット族の少女ツームーとのエピソードが衝撃で。

    「僕も衝撃でした。ツームーは親の決めた相手としか結婚できなかったのに、その10年後、6歳離れた妹は大学に行って、結婚する必要がなくて、自由に恋愛ができる。ええっ、数百年の伝統が たった10年で変わっちゃうの!?って。中国ではそれぐらい、変化が早いのです」

    動物保護に熱心

    ――『再会長江』で長江小型イルカ、絶滅危惧種であるスナメリの保護活動が盛んに行われていると知りました。中国で動物保護や環境問題に関心が高いことも知りませんでした。

    「いま、環境程意識はとても高い。そこも変わったのです。10年前はPM2.5問題もあって、空気が汚かった。うちも空気清浄機を3台使っていましたが、それでもきつかった。かつての日本もそうでしたが、経済発展が最優先だったのが、そこからガラッと意識が変わりました。今回長江の源流に行ったときも、環境保護団体の若者が集まり、ボランティアでゴミ拾いをしていました。10年前は水が汚れて匂っていた長江が、いまは全然臭くなくなりましたから」

    『ファーウェイ 百面相』。トランプ前米国大統領から名指しで批判された中国通信機器企業、ファーウェイ。ファーウェイとはなにをしている会社なのか?世界13ヵ国、20万人の社員の奮闘を追う。

    最先端技術で森林保護

    ――ファーウェイがエクアドルで、NGOと中南米の森林を保護するプロジェクトを推進しているということにも驚きました。

    「そのプロジェクトもそうで、ウチの会社も妻が社長なのですが、中国では女性のトップがとても多い。普通すぎて、‟女性社長”などと枕詞がつくことはありません。しかもメインは20代後半から30代、日本と比べると、圧倒的に若いのです」

    ――マヤ文化を保護するプロジェクトの責任者も若い女性で、ミニスカートで遺跡を走っていて。

    「そうそう。それを見ていると、日本はかなかわないな~、あのパワーには勝てない!と思いますよね。日本のトップは年配の人ばかりで。時代についていけるわけがないよな…と」

    中国は食べきれない!

    ――『再会長江』に登場した鏡のような透明感の湖面のロゴ湖や、『大涼山』で訪れていた3㎞の鉄骨階段を登らないと行けない村と、中国は自然に触れるにもスケールが大きく、人びとの暮らしもあまりに多様です。ご自身は、中国を旅する魅力はなんだと思いますか?

    「単純にいうと、飯が上手いことです!当たり前ですけど。世界一うまいのはやっぱり中華料理だと思います。しかも各地によって味も全然違って。四川料理は辛いし、南の方の広東料理は海鮮が多く、北の方は饅頭などの炭水化物系や餃子なんかがうまい。中国全土に行きましたが、種類が多過ぎて、全然食べ終わりません!日本に帰ってくると、種類が少ないなと思ってしまうほどで。中国人って食へのこだわりがものすごく強くて、‟飯を食ったか?”が挨拶なんですよ」 

    ――ファーウェイの社員が海外赴任するとき、専属のシェフを連れて行くのにも驚きました。

    「あれは、中国パワーのひとつですよね。それから彼らのパワーの源は、一言で言うと人間が多すぎること。だからパワーを出せないと、勝てない。中国に行ってから、僕も声が大きくなりました(笑)」

    「竹内亮のドキュメンタリーウィーク」

    ●期間/5月19日~5月25日まで、角川シネマ有楽町にて。
    *開催期間中、竹内亮監督によるトークイベントを開催予定。
    ●上映作品/『再会長江』『お久しぶりです、武漢』『大涼山』『ファーウェイ百面相』

    取材・文/浅見祥子

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