
200km以上の水路網が張り巡ったブローズ国立公園。
イギリスにある15の国立公園の1つ、ノーフォーク州とサフォーク州にまたがるブローズ国立公園は水路の国立公園とも言えるユニークな存在です。川と湖の水路網が張り巡ったブローズ国立公園の湖は自然にできたものではなく、中世に泥炭採掘場所であったものが14世紀頃に浸水され形成されたもので、水路網は200km以上にもわたります。
ブローズ国立公園の楽しみ方

ブローズ国立公園では水上から楽しむのがベスト。
ブローズ国立公園は、ブローズと呼ばれる60か所の水域と7河川の行き交うエリア。ブローズのサイズは大小さまざまで、ボートなどでアクセス可能なところは13か所あります。ユニークな歴史のあるこのエリアでは、川沿いにある停泊したボートハウスやB&Bに滞在しながらウォーキングやバードウォッチングを楽しんだり、宿泊可能なサイズのレンタルボートでブローズや川を移動しながら過ごすホリデイに人気があります。そしてもちろんブローズの水路網を楽しむスポーツも盛ん。水上から楽しむのがベストなブローズ国立公園で、カヌーやカヤックなどをレンタルして遊ぶのがオススメです。

ブローズ国立公園でのんびり景色を楽しみながらカヌー体験。
カヌーなどのレンタルは?
カヌーやカヤックをレンタルするのは簡単で、レンタル会社は国立公園内に何ヶ所もあります。レンタルにはもちろんライフジャケットやパドルも含まれていて、初心者でも乗り方を簡単に指導してくれ、半日から1日とレンタル時間の長さによってルートを提案してくれるので安心です。初めてのエリアで自信がないなら、水辺にいる動物や野鳥観察、風車や町の景観を見るルートなど目的別ツアーなどもあります。

ボート、カヤックやカヌーなどのレンタル会社の1つ、バンクス。
水上で安全に過ごすチェックリスト
ブローズでカヌーなどを楽しむなら、水上での安全のためにもライフジャケット着用、右側通行などのマナーを守るのが大事です。ボートが近づいてきたら、直行か方向転換かなどに注意して様子を見ながら移動しましょう。特に川が合流している場所では交通量も多いので、ボートが通過するのを待ってから移動するのが安全です。

川が合流しているところはボートの交通量も多いので要注意!
交通量の少ない支流だと大型ボートも少なく静かなので、野生動物に会えるチャンスも大!カワウソなどの野生動物を見かけたら、近づかずに静かに見守るのが原則です。水鳥も多く生息する地域なので、双眼鏡を持参するのがオススメ!

ヒナが側にいるとハクチョウも威嚇しながら近づいてくるときがあります。
また簡易応急処置キット、小さめな懐中電灯と予備電池、防水ジャケットや着替え、除菌ジェル、飲み水やスナック、日焼け止め、帽子や携帯電話などを防水バッグの中に入れておくと安心です。ブローズ国立公園に限らず、イギリスでは変わりやすい天候です。アウトドアを思う存分楽しむためにも、天気に合わせて調節しやすいように重ね着して、防水ジャケットやパンツなども用意しておきましょう。

ビュア川を眺めながらホーニングの町のパブで休憩。

イギリス在住ライター(海外書き人クラブ)ディキンソン恵子
1994年からイギリス・ロンドン在住。日系会社、英系出版社を経て、家具作りコースや食品衛生コースなど履修。環境問題やSDGsに興味あり、D.I.Y.が得意。大手旅行会社ウェブサイトでイギリスのガイド記事を2007年から13年間担当した他、新聞、各種雑誌などに寄稿、ラジオ出演などもあり。ブログやメールマガジンでもイギリス情報発信中。世界100か国以上の現地在住日本人ライターたちの集団「海外書き人クラブ」の会員。 https://www.kaigaikakibito.com/