僕を夜空の世界へいざなってくれた星。【武井伸吾の星空写真館】
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 自然観察・昆虫

    2016.07.07

    僕を夜空の世界へいざなってくれた星。【武井伸吾の星空写真館】

    星夜の親子 / 長野県

    星夜の親子 / 長野県

    はじまりは“北斗七星”だった。

    僕がはじめて星空に接したのは小学生の時だ。きっかけは理科の授業。自宅から見上げた夜空に、授業で習った北斗七星を見つけたのが、すべてのはじまりだった。
    「一体、北斗七星がどんな大きさで、どのくらいの明るさで見られるのか?」……教科書の図説ではさっぱり解らなかったのだが、授業で習った星の配列を、実際に自分の目で確認できたときの喜びは忘れられない。すでにある周知の星なのに、まるで自分が発見し命名したかのように思え、とにかく嬉しかった。(実物の北斗七星は、想像していたよりも大きく感じたことを覚えている)

    以来、星探しに熱中した。子供の頃にありがちな旺盛な好奇心と知識欲から、どんどん星の世界にのめり込んでいった。
    しかし、僕の家は都市部の幹線道路のほど近く、光害の真っ只中に位置していた。しかもベランダに出ると、目の前に街灯が煌々と照っているという状況。当然、天の川など望めるわけもなかったが、それでもめげずに夜空を見上げ続け、興味を育んでいった。
    学び舎はもっぱら図鑑、そしてプラネタリウム通い。この頃、図鑑やプラネタリウムで学んだことが礎となり、今の自分がいる。写真やアウトドアに関する知識や技術は、後年必要に応じて身に付けたものだが、こと星空に関する知識のほとんどはこの頃に学んだものだ。

    満足に星を見られない環境の中、「よく興味を失わなかったもんだな」と思う。でも、今にして思えば、きれいな星空への渇望が強かったからこそ、興味を失わずにいられたのかもしれない。
    もしあの頃、当たり前に天の川を望める良好な環境に住んでいたら、もしかしたらそういった渇望は生まれず、今の自分はいなかった……かもしれない。

    好きな星や星座はいくつもあるが、北斗七星は今でもやっぱり特別だ。
    ひとたび目にすれば、あの時感じたワクワクを瞬時に呼び戻してくれる星。僕にとって、北斗七星はそんな星だ。

    本写真の画題は「星夜の親子」。“親子に見えるニ本の樹”と“おおぐま座・こぐま座親子”(ギリシャ神話より)のダブルミーニングだ

    本写真の画題は「星夜の親子」。“親子に見えるニ本の樹”と“おおぐま座・こぐま座親子”(ギリシア神話より)のダブルミーニングだ

    星景写真家・武井伸吾
    「星と人とのつながり」をテーマに、星景写真(星空のある風景写真)を撮影。著書に写真集『星空を見上げて』(ピエ・ブックス)など。
    http://takeishingo.com/

    武井さんの以前のお話はこちら。
    桜と星空鑑賞のススメ。~夜桜礼賛~
    満天の星の下、お気に入りの樹々と過ごす時間。
    星降る夜に、カメラを構えながら思うこと。

    NEW ARTICLES

    『 自然観察・昆虫 』新着編集部記事

    先月見つかったばかりの新「アトラス彗星」 が、10月下旬に肉眼で見えるかも!

    2024.10.24

    夜長は焚き火で「花炭」を作ろう!形がかわいいぞ

    2024.10.21

    1万2000年後にはベガが北極星になっている!そのとき、現在最北の1等星カペラは?

    2024.10.17

    見つけるのがとても難しいツチアケビの花や実はどんな形をしている?

    2024.10.15

    カナダの森より動物の冬じたくの様子をお届け!かわいいリスと精悍なムース

    2024.10.14

    クローバーに赤と白があるって知ってた?アカツメクサとシロツメクサの違いを解説

    2024.10.08

    食べられる野草は何がある?季節別に写真付きで紹介!

    2024.10.02

    命を自然界に返す「やさしいノグソのしかた」を教えてください!

    2024.09.26