【小豆島お遍路】山・山・石・そして海。自然と向き合い歩く(モデルコース3日目) | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • 【小豆島お遍路】山・山・石・そして海。自然と向き合い歩く(モデルコース3日目)

    2021.05.04

     小豆島遍路を歩くモデルコース、3日目です。

    遍路2日目の前回は大部港にある「ビジネスホテルひさや」または、そこから約2km先にある「国民宿舎かつや」で終了しました。3日目はここからスタートします。

    3日目約22km:81番札所恵門の滝〜12番札所岡之坊

    3日目は朝一番に険しい山を登ります。一日の総距離は2日目とほぼ同じで約22kmですが、札所は少ない代わりに、2つの山と長い長い海岸線。1日中がっつり歩きますので、遅くても朝7時には歩き始めるのが理想です。

    2日目にバスで土庄に戻って宿泊した方は、「北廻り福田(2)線」というバスで7時前に大部~小部地区に戻ることができます。土庄出発6時台です。がんばりましょう。

    かつや旅館のすぐ横にある小部海水浴場からほぼまっすぐ南へ、標高348m81番札所恵門の滝(えもんのたき)を目指します。

    集落を過ぎると山道の入り口に来ました。すると柵が見えます。小豆島遍路、このあたりからこういった柵によく出くわします。猪による被害の多い小豆島では集落に猪が入らないよう、このような柵を集落の周りにぐるりと設けるところがたくさんあるのですが、お遍路道がその柵の中に通じている場所は柵を開けて入ることができるようになっています。

    初めて見る方は行き止まりだと思ったりドキドキするかもしれませんが、基本的に猪は夜行性で、鈴などで音を鳴らしながら歩いたり、なければ歌を歌ったりしながら歩けば近づいてくることはありません。柵を開けたら猪が入ってこないよう、またしっかり閉めるようにしましょう。

    ところで、何も遍路用品を身につけずに遍路を始めた方も、歩き進めるうちに少しずつ何か持ちたくなってくるかもしれません。

    遍路用品の中に金剛杖があります。お遍路では「同行二人(どうぎょうににん)」といわれ、弘法大師と一緒に歩いているという意味合いのある杖ですが、杖ですからもちろん歩行を助けてくれます。また、鈴が付ついているのでこういった山道を歩くときに鈴を鳴らして歩くことで猪除けになりますし、持っていると本当に心強いお遍路アイテムです。

     楽しい歩き道ですが岩がゴロゴロしていて落ち葉の多い時期は間違って足を取られそう。まるで沢の中のような箇所もあるので雨がたくさん降った後は特に注意が必要です。

    ゴロゴロの遍路道を上りきると弘法大師がお出迎え。「よー登って来たのぅ」と言われているよう。

    しかしここからまだキツイ階段が続きます。

    どどーーーん。2日目に訪れた奥の院笠ケ滝を思わせる本堂がお目見えです。

    ひるんでしまった方、ご安心を。ちゃんと右手に階段の通路もあります。

    どどん。81番札所、恵門ノ瀧です。大きな岩肌に食い込むように作られた本堂。毎回小豆島の山岳霊場に来るたびに、一体どうやってこんな場所にお堂を作ったのかと不思議になります。

    中は横長に広がっていて、休憩スペースも設けられています。

    ところでこちらの納経は、2日目最後に訪れた80番観音寺でいただけます。この後戻るのは辛いので観音寺で納経をいただく時、「この後恵門ノ瀧へ行くので」と伝えて先に頂いておきましょう。

    さて、下山して次は82番吉田庵へ向かいます。途中まで来た道を戻り、一旦小部バス停のある車道へ出ます。

    この後再びお山へ。

    民家を抜けて、山の入り口に来ました。

    早速、またもや猪除けの柵です。まさにどこかへの入り口。一体今からどこに行くんだっけ? という疑問が一瞬頭をよぎります。紐で頑丈に閉められた門を開けて、さぁお山様、お邪魔します。

    ここからしばらく眺望が開けたところはほぼなく、木陰の道を延々と登ります。この辺り一帯は石の採掘で有名な土地だからか、石っぽい、ともすれば庭園っぽい雰囲気のある道も歩きます。

    少しだけ小部の集落が見える場所が

    かと思えば、深い深い山の奥に入り、昼間でも木々から漏れるわずかな光しかない薄暗い道も出てきて、小豆島の中でも特に人里離れた場所に来たなぁと感じます。

    山に入って約2km、峠に来たようです。この「豆坂峠」の手前はしばらく平坦な道が続くので、あまり峠を越えた感じはしませんが、ともかく標高330mほどの峠を過ぎてしばらく行くと、シダ植物に覆われていたり、道も岩でゴロゴロとした、今までと違う雰囲気の地形の場所に出てきます。

    夫をモデルに写真を撮ってみると、ここは東南アジアのどこかか? 異国感満載

     そんな道をしばらく下ると、ようやく吉田ダムに到着です。

    ほっとしたのもつかの間、道はこのダムの反対側に続いています。ダムの左側にぐるりと周って歩きますが、気の緩みもあってか思ったよりダムは大きく、なかなか反対側に着きません。

    ようやく着いたと思えばまた柵。これでようやく猪のテリトリーから退出します。

    門を出た後の道順を丁寧に書いてくださっています。

    ところがこの門、反対側から見ると「立ち入り禁止」としか書いていません(20209月現在)。

    ……一体今まで自分はどこを歩いてたんだろう。。

     ダムの正面に着くと、どなたか存じませんが存在感たっぷりな方がお出迎えしてくれます。

    先ほどの手書きの説明にあったダム脇にある階段を下りて川沿いを進み、吉田の集落へ向かいます。

    これがまたものすごく急な階段。この日一番膝に応えるのはこの階段かもしれません。

    小豆島オートビレッジYOSHIDAという、敷地内に吉田温泉という泉質のいい温泉もある小豆島内でも人気のキャンプ場を通り過ぎると82番札所吉田庵に着きました。

    82番札所吉田庵。小豆島遍路の札所間の距離では一番長い山道を歩いてたどり着きます

    また、このあたりはロッククライミングで有名な場所で、周辺は岩肌がむき出しになった、おもしろい山々で囲まれています。

    この82番札所と次の83番札所の納経は、84番と85番の札所で一緒に頂けます。

    吉田庵の背後にそびえる吉田富士たち。クライマーが全国から集まります

    吉田庵から再び山の中へ。高さはさっきの山の半分ほどですが一気に登ります。

    福田港のある福田の集落が見えてきました。海が見えるとやはりホッとします。

    83番札所福田庵。納経は次の84番雲海寺でいただきます。

    福田庵に着くのはお昼時かと思います。福田港周辺に食堂がありますので、お昼ご飯を食べるならここで遍路道を一旦外れて福田港に向かいます。福田港には姫路からのフェリーが着くため姫路方面に近い方はここから小豆島遍路を始めることも多いです。

    ひと休みした後は84番霊場雲海寺(うんかいじ)85番霊場本地堂(ほんぢどう)へ。この2つは同じ境内にあります。

    雲海寺と本地堂は遠目からでも目立つ、お城かと思うような立派な石垣の上に建つお寺。手入れの行き届いた広い墓地に囲まれています。

    向かって右手にあるのが84番雲海寺

    階段を上って正面にあるのが85番本地堂 

    納経をこの本地堂の中で、手前の82番吉田庵・83番福田庵と合わせて頂きましょう。

    この後86番札所当浜庵(あてはまあん)の手前まではずっとアスファルトで舗装された海岸線の車道です。12か所、山道へ導く遍路道サインを見かけますが、ゴルフコースに迷い込んでしまった声を何度か聞いたため、車道を行くことをおすすめします。単調ですが広く開けた海の美しさと、このあたり一帯昔から続く採石場の荒々しさを対比しながら歩けます。 

    さぬき百景にも選ばれている福田海岸。ベンチもあり休憩にピッタリ

    そのすぐ近くの山側にはこんな大規模な採石場も。

    86番当浜庵につきました。民家の中にある愛らしいお堂。納経は3番札所観音寺にて。

    この後87番海庭庵(かいていあん)・88番楠霊庵(なんれいあん)までまたずっと海側のアスファルトの車道です。この区間には近年小豆島が笠岡市(岡山県)・丸亀市とともに申請した「知ってる?悠久の時が流れる石の島~海を越え、日本の礎を築いたせとうち備讃諸島~」が日本遺産に認定されたことにより、いくつかの「丁場(ちょうば)」と呼ばれる石切場(採石場のこと)がきれいに整備されて見学できるようになっています。

    →せとうち石の島
    https://stone-islands.jp/ 

    規模が大きいのは天狗岩丁場跡。遊歩道になっていて巨石群の中をぐるりと歩けるようになっています。このハードな遍路日に寄り道できるのはよほどの健脚の方かと思いますが、一見の価値ありなので後日観光としてでも立ち寄ってみてください。

    身長167cmの夫と大天狗岩を対比

    この後開放的な海岸のある岩ケ谷集落に入り、87番海庭庵(かいていあん)へ。こちらの納経は、離れますが21番清見寺で頂けます。

    「海の庭」もしくは「海が庭」という名前がぴったりの、海が目の前の開けたお堂。

    いよいよ次が最後の札所。という気分になりますが、土庄総本院から始める今回のモデルコースではまだまだここらでやっと半分を過ぎたくらい。

    ところで小豆島には「エンジェルロード」と呼ばれる、干潮の時だけ渡れる島々が人気の観光地がありますが、88札所楠霊庵の手前にも同じ現象が見られる「南風台(なんぷうだい)・希望の道」という場所があります。こちらはエンジェルロードほど観光化されておらずとても静かで綺麗なところですが、渡れるのは大潮に近い時だけのようです。もしここを歩いているとき島とつながっているのを見かけたら、渡れるチャンス!

    88番札所楠霊庵(なんれいあん)は、橘漁港を見守るように小高く見晴らしのいい所に建っています。坂手港近くの一番から歩き始めた方は、順番通りここが最後の札所です!

    ちなみに楠霊庵のすぐ横にある「食事処うめもと」は、あなごで有名な食堂。テイクアウトもできます。

    東海岸の美しい海景色はここまで。今日最後の札所12番岡之坊(おかのぼう)を目指して最後の山道に入ります。もう気力勝負です。

    とはいえこの山道、ここは元々地元の小学生の通学路だったとか。ですのでそれほど危ない所はなく、ふかふかな踏み心地で気持ちのいい道をなだらかに登っていきます。小学生はここを日々どんな会話をしながら歩いてたんだろう……そんな想像をしつつ歩くのも楽しい。ただ、足腰が鍛えられることは間違いありません。

    長い間海岸線で海とアスファルトの照り返しを受けながら歩いてきたお遍路さんには、木陰の中で顔や足が喜ぶ道です。

    山から出るとほどなく民家に隣接した12番札所岡之坊に着きます。お疲れさまでした!!

    納経は、13番札所栄光寺でいただきます

    22km、長い一日でした。山の上り下りが大小合わせて4回あるので山道が苦手な方はこの日の行程を2日に分けて、真ん中くらいにある福田港や、最後の88番楠霊庵で区切るのもアリです。体力に合わせて無理のない歩きをしてください。

    3日目の宿泊候補

    この日の宿泊候補は2つあります。

    ①岡之坊から100mほど先にある「ひろきや旅館」。倒れこむようにチェックイン。

    ②安田からバスで馬木~坂手地区に移動し、ホテル・民宿・民泊・ゲストハウス泊。選べます。

    (当Sen Guesthouseにも17:10頃の安田バス停発に乗れば泊まれますよ!)

    ※福田港で区切る場合は、港近くの「旅館ちぐさ」か、バスで小部方面または安田方面へ移動。88番で区切る場合は橘バス停から安田~坂手地区に移動して宿泊。

    民家も少なく自然の中をたっぷり歩いた3日目でした。4日目は対照的に小豆島伝統産業の醤油蔵や佃煮工場が並ぶ集落の中を歩きます。お楽しみに!

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