小豆島遍路モデル歩きコース2日目~数々の寺庵と三方の海景色を堪能する

2021.02.27

私が書きました!
ゲストハウスオーナー
アイエアナロン範子
ゲストハウス「Sen Guesthouse」を夫婦で経営。香川県出身。ニュージーランドのホステルで働いてから、世界中の旅人が「自分の家」のように帰ってきてくれるゲストハウスを将来作りたいなぁと大阪のゲストハウスで修行した後まずは松山で6年半ゲストハウスを開き、Senの第二幕として小豆島へ移ってきました。四国から、関西・本州・世界に近い立場として、もっともっとディープな四国ファンを増やしていこうと思います。Sen Guesthouseホームページ

 

小豆島遍路を歩くモデルコースを前回に引き続いて紹介します。遍路1日目の前回は、「グリーンプラザ小豆島」で終了しました。2日目をここからスタートします。

2日目は全行程約22kmです。札所もたくさんあります。1日目は早めに就寝して、できれば朝7時、遅くても8時には歩き始めましょう。土庄の町中に泊まった人も、オリーブバス四海線に乗れば、グリーンプラザ小豆島へ78時台に到着することができます。

2日目は約22km:66番等空庵〜80番観音寺

歩き始めは美しい海岸線から(写真を撮った日は風が強くて荒れていましたが)。小豆島の西海岸は夕陽の名所でもあるので、1日目にグリーンプラザ小豆島に泊まったならきれいな夕陽が拝められるかもしれません。 

しばらくすると伊喜末(いぎすえ)という集落が見えてきます。墓地の側にある馬場崎バス停が見えたら、そこから集落を抜ける道に入ります。

中道に入って少し行くと66番等空庵(とうくうあん)があります。昔ながらの焼杉を使った家が立ち並ぶ、とても雰囲気のある通りです。

道も狭いところが多く、1日目にも通った迷路の町に戻ったかのよう。

一体今自分はどこにいるのか。2日目もまたそんなワクワク感を抱きながらタイムスリップしたような集落の中を歩いていると着きました、68番松林寺(しょうりんじ)。凛とした雰囲気のお寺です。

松林寺では、等空庵と瑞雲堂の納経を一緒にいただけます

松林寺を出た後は67番の瑞雲堂(ずいうんどう)へ行くのですが、一度さっきの集落の中を歩いた後、少し山手に向かいます。しかし海側にもお遍路サインがついているので味のある家々に気を取られていると瑞雲堂を見逃してしまいます。忘れないようにお参りしましょう。

※初版の小豆島遍路地図では写真右上の瑠璃堂が68になっていますが正しくは69番です。

お遍路でなければ気づくことのない、こんなかわいいサインを見つけるのも楽しみの一つ。

集落を見渡せる小高い丘の上にある瑞雲堂

 その後69番の瑠璃堂へは、山手からでも海側からでも行けます。

真下に迷路のような集落の屋根が広がり、その向こうに見えるのは渡船で行ける沖之島。この写真を撮った日は風が強くて海が荒れていたものの、いい景色。

ガードレールに干されている大根がなんともよい

瑠璃堂から少しだけ山へ上がっていきます。上がりきったところに広がるのは、牛舎も見える小豆島ののどかな農牧風景。遠くの山に小豆島大観音の姿も見ながら、島の東側に向かいます。

木陰の道を過ぎて「長浜」という集落が見えてくると、一見して立派なお寺と分かる存在感を放つ建物が。これが、70番長勝寺です。

隅々まできれいに清掃されていて気持ちのいい境内。長勝寺では瑠璃堂の納経を一緒に頂けます。

長勝寺の後、最初の山岳霊場、奥の院笠ヶ瀧に向けて少しずつ山を登っていきます。でもほとんどがアスファルトの車道なので、山を登っているような感覚はしばらくありません。

途中、皇踏山ハイキングコース滝宮口のすぐ側に八坂神社があります。この八坂神社は放牧の守護であり、元々牛頭天王社(ごずてんのうしゃ)と呼ばれて71番札所でしたが、明治に発令された「神仏物離令」により、今の滝ノ宮堂に銅鐘が移され、滝ノ宮堂が71番札所になりました。

八坂神社の鐘楼には現在、牛の像が鎮座しています。

なんだかのどかなお顔の牛さん

そして71番滝ノ宮堂に祀られている鐘はこちら。

滝ノ宮堂を出ると、いよいよ「これぞ遍路道!」といった山道に入ります。

ここから一気に100メートルくらい標高が上がりますが、距離にしても1キロ弱なので短期集中でがんばりましょう。

以前ご紹介したことのある皇踏山からのハイキングコースと合流しました。(写真は、登ってきた道を見下ろしたところ)

さっきまで北側の海を見て歩いてきたのに、登った先には小豆島の南側の海が広がっています。

この後お地蔵さんたちが見守る道をずっと上っていくと、岩場への入り口に到着。

一瞬目を疑う光景ですが、紛れもない遍路道です。慌てずゆっくり進んでいきましょう。軍手をバックパックに忍ばせておくと、ここで重宝します。

これが遍路道(下から見上げたところ)

最後にここを登れば、奥の院笠ケ滝に到着です。疲れを吹き飛ばしてくれる眺めが待っています。 

笠ケ滝は下る時も強烈な階段が待っていますので最後まで気を抜かずにいきましょう。下りきったらヤギがのんびりとくつろいでいる道にたどり着き、癒されます。

納経は72番瀧湖寺(りょうこうじ)にて。この後に向かう73番救世堂(ぐぜどう)の納経も、ここで先にいただけます。

さっきまでいた笠ケ滝が背後に見えます

73番救世堂(ぐぜどう)。ご本尊と香川県志度寺の十一面観音菩薩様はご兄弟だとか

ここまでくると、遠くからよく見えていた小豆島大観音が目の前に。

白くて美しいこの大観音様、八十八か所霊場には含まれていませんが、余裕があって興味のある方は立ち寄ってみてください。なんと、中に入れるのです。エレベーターで上がれる最上階にはスリランカ国仏歯寺より分与された 「仏陀のミハ(御歯)」が祀られていて、仏歯寺とも呼ばれています。

観音様の中も相当ですが、境内もとても広いのでお参りしていきたい方は時間に余裕を持って行きましょう。 

次は75番大聖寺(だいしょうじ)へと向かいます。

海の向こうに見えるのは岡山。この日は進むたびに西・南・北側の海が次々と見えるようになりました。

75番大聖寺。71番滝ノ宮堂の納経もいただきます

この後は大きな車道を渡り、76番奥の院 三暁庵(さんぎょうあん)へ。「笠松大師」の名で親しまれています。

弘法大師がこの地で松の枝に笠を掛けて汚れた衣を洗おうとしたのですが水が少なく不自由をされたので大師は清水を湧出させたところ、村人は大師の威徳を偲んで小堂を建てたのが始まりだそうです。

この隣に御衣洗いの池と大師堂があります

この後77番歓喜寺(かんきじ)へ向かう時、大型リゾートホテル「オリビアン小豆島」の敷地内のゴルフコースを抜けていきますが、珍しいのはディスクゴルフコース(フリスビー)があること。

こんな景色を見ながら遊んだら楽しいこと間違いなし。この先に夕陽の丘展望台という、名前の通り夕陽の名所もあるしホテル内には良い露天風呂もあるので、遍路とは別に滞在するものいいですねぇ。

77番歓喜寺はこの後集落の中を歩き、坂を少し上ったところにあります。

立派なお堂。この後お参りする78番雲胡庵(うんこあん)の納経もいただきます。

この後集落の中を海に向かってくだり、76番金剛寺へ。

金剛寺と奥の院三暁庵の納経をいただくのですが、「外出中ですのでご自身でどうぞ」というサインがあったので自分で押させていただきます。小豆島では時々こういった寺庵があります。お金を置いていくのをお忘れなく。

この後番外・藤原寺(とうげんじ)へは細い道をクネクネと歩くので迷いやすいエリアとなっています。目印は石仏と消火栓のみ。笑 でもこういう道を歩けるのが遍路の楽しさでもあるのです。

無事に番外・藤原寺(とうげんじ)へ到着。小豆島霊場の中で唯一の番外です。

この後は78番雲胡庵(うんこあん)へ向かいます。子供が喜びそうな名前です。この辺りは昔から石材の村として栄え、海沿いにある大阪城残石記念公園はじめ、道中にも昔の掲示板などその歴史を感じられる物が残されています。

ところで2日目の昼食ですが、大坂城残石記念公園内にあるお食事処「おみの里」までは道中にお店が何もありません。歩き始めから記念公園までは17kmほどまでの間、お参りする札所がたくさんあるのでお腹が持たないかもしれないことと、「おみの里」もお休みしている可能性も考えて、お弁当や軽食など持参されることをお勧めします。

小豆島では不定休のお店、特に閑散期は臨時休業するお店がよくあるので要注意。遍路中は念のためいつも何か軽食を持っておくと窮地には至らずに済みます。店を頼りに持参する食べ物を考えるなら、事前に営業日をお店に要確認です。

大阪城建設に連れていかれる予定で行けなかった「残念石」たち

この後79番薬師庵までは海岸線の車道を3kmほど歩きます。この日最も長くて単調な道ですが、道中にある数々の「石の手紙」が心を和ませてくれます。

小豆島の良質な花崗岩と「小豆島からの手紙」をテーマに全国から募集した絵手紙をコラボレーションさせた石の絵手紙。港などでも見られますが、一番数が多いのはこの北側の通り。

記念公園から2kmほど進んだところにある「琴塚港」には知る人ぞ知る老舗のヨットビルダー、岡崎造船所があります。そのため、港にはかっこいいヨットたちがズラリ。

そうして着きました、79番薬師庵

この地は昔から造船業が栄んで、豊臣秀吉が海上安全のため守護庵としてつくられたのだとか。有名な造船所を見た後だけに納得。

この後大部(おおべ)という集落に入ると2日目最後の札所、80番観音寺に着きます。

とても大きくて立派なこちらのお寺は「子安観音寺」とも呼ばれ、安産子宝祈願のお寺として知らせています。また、驚かされるのは、お参り後の参詣者に手打うどんのお接待をしてくださること。

「うどんのお寺」と有名になった由来

本堂のお参りも、参拝者が自分一人であってもわざわざ住職さんが出てこられ、般若心経を唱えてくださいます。それが本当にかっこいい。「よければご一緒に」と言われますが、あまりにロックでかっこいいので私は即脱落してしまいました。聞きほれてしまいます。

とても美味しい手打ちうどんに、なんとこの日はきな粉餅まで。心に染み入ります

地元の方々によるおもてなし「お接待」

ところでお接待について紹介します。お接待とは、お遍路を歩く人々に地元の方々が食べ物や物品、金銭などを無償でくださることです。自動販売機も何もない時代に歩いて旅を続けることは、死と隣り合わせ。相当過酷だったであろうことは想像に難くありません。

そんな時代から遍路を支える地元の方々のおもてなしが、今も受け継がれています。また、遍路は弘法大師の身代わりであり、それゆえ自分自身は歩けないが「お接待をすることにより功徳を積む」ことができるという考えでお接待をされる方も多くいらっしゃいます。

ですので基本的に、車のお接待以外はお断りしてはいけないことになっています。ありがたく頂き、御礼には納札(おさめふだ・各札所で自分の名前や住所を書いて納札入れに入れる小さな紙)をお渡しします。

お寺の皆様の手厚いお接待のおかげで心がほっこりしたところで、今日のお参りは終了です。全行程約22km、計17寺庵。笠ケ滝以外に険しい道や山道はありませんが、札所も多く丸一日歩きました。お疲れ様でした!

2日目の宿泊はこちらで

2日目の宿泊候補は3つあります。

①大部港にある「ビジネスホテルひさや」
②もう少し歩ける方や、1日目に「コスモイン有機園」に泊まった方はあと2kmほど歩いて「国民宿舎かつや」
③バスで土庄の町中に戻って宿泊。民宿、ビジネスホテル、ゲストハウス、選べます。

ちなみに、観音寺の背後にあるお山に「山の観音」と呼ばれる奥の院があります。往復3.5km、険しい山道なので1.52時間かかりますが、なんとも立派なお寺が山深いところに鎮座していて驚かされます。

特に秋の紅葉は見事です。よほどの健脚か、相当朝早く出て時間に余裕がある方は2日目の最後に行くことができるかもしれませんが、いずれにしても山の観音をコースに組み込みたい方は①に泊まるのがスムーズです。

3日目は朝からいきなり山を2つ登ります。それに備えて夜は足をしっかりマッサージして早く就寝してくださいね。

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