スイスのキャンプ&BBQの定番!大人も子どもも大好き!焚き火で楽しむ”蛇のパン”! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2021.04.26

    スイスのキャンプ&BBQの定番!大人も子どもも大好き!焚き火で楽しむ”蛇のパン”!

    私が書きました!
    日本山岳ガイド協会認定登山ガイド&スキーガイド・ヨガ講師
    西村志津
    スイス在住、2児の母。スイスの山岳観光地やアクティビティ、ギア、トレンド、文化をお伝えします!ヨガを通して心と体のメンテナンス方法もお届けし、より快適な山行のお手伝いができれば嬉しいです。美味しいものとカフェ巡りが好き。スイスと日本の架け橋となる活動に努める。オンラインにて「スイスツアー」や「登山者のためのヨガ」を発信中! instagram@seas_yoga_hiking_skiing
    [caption id="attachment_151892" align="aligncenter" width="1500"] グリルプレイスで焼いて楽しむ"蛇のパン"と"ソーセージ"。[/caption]

    森や河原で楽しく焼く!グリルの必須は"蛇のパン"!

    スイスでは、大きな都市の周辺でも森や川など自然豊かな場所がたくさんある。そこには、決まって"グリルプレイス"という焼き場が常設されている。今回は子どもと一緒に自宅でパンの生地を作り、それを持って川の近くにあるグリルスポットへ出かけることにした!

    まずはパンに使う"小麦"に着目。かつてのスイスには、山岳地帯に孤立する地理的条件と第2次大戦勃発時に敵国に包囲された強い危機感があった。そこで国をあげて食料の完全自給を目指し、農耕可能な土地のほぼ全域で穀物栽培を開始したそうだ。現在では食料の3分の2を自給、3分の1を輸入に頼っている。

    自然災害、伝染病流行、コンピュータシステムのダウン、経済制裁と何かが起こったときのために食糧備蓄計画も立てられている。必須備蓄品は、まず主食の小麦、米、コーヒー、砂糖、調理用油など。この国には4か月分の貯蓄があるそうだ。

    2020年の厳しいロックダウンでも当初は買い占めが起きたものの、小麦粉やパスタがまったく買えない状況にはならなかったことを思い出す。

    [caption id="attachment_151886" align="aligncenter" width="1500"] 材料は4種類のみ![/caption]

    バター&卵&牛乳&砂糖も不使用!

    昔はバターや卵、砂糖が高級品であったためだろうか、蛇のパンに使われる材料は驚くほど質素でシンプルだ。本当にこれで美味しくできるのか?と疑ってしまうが、大丈夫!

    では、オリジナルのレシピをご紹介しよう。

    【蛇のパン4本分】※イーストは生でも乾燥でもどちらかお好みで

    (1)小麦粉200g
    (2)塩小さじ1(5g)
    (3)オリーブオイル小さじ1(5g)
    (4)イースト(生イースト15g、乾燥イースト5g)

    [caption id="attachment_151878" align="aligncenter" width="1500"] 生イーストを溶かして入れる。[/caption]

    今回は生イーストを多めに使うことにした。お湯で溶かし小麦粉へ投入。生イーストは香りが強い。
    発酵がスムーズに進み、ふんわり食感の風味豊かになる効果がある。

    [caption id="attachment_151879" align="aligncenter" width="1500"] 子どもも楽しくこねこねタイム![/caption]

    水を投入。ベタベタするが力強くこねていくと、まとまっていく。

    [caption id="attachment_151882" align="aligncenter" width="1500"] 徐々にまとまっていく。[/caption]

    塩を投入。

    [caption id="attachment_151883" align="aligncenter" width="1500"] 弾力が気持ち良い触感。[/caption]

    真ん中に指で穴を開け、オリーブオイルを投入。

    [caption id="attachment_151885" align="aligncenter" width="1500"] 左が行者ニンニク。右がローズマリー。[/caption]

    スパイスで楽しむ!

    ローズマリーやオレガノなど、お好みのスパイスを入れるのも風味が出るのでおすすめ。スイスではちょうど今、行者ニンニクのシーズン。スーパーで乾燥の小瓶を発見したので早速、使ってみた。まさに、この時期だけの旬の味覚を楽しめるプロダクトだ!このほかチョコレートチップや焼いたベーコンを入れても美味しい!

    [caption id="attachment_151887" align="aligncenter" width="1500"] 食べるのが楽しみ![/caption]

    つるっとするまでこねて、最後にきれいに丸める。

    [caption id="attachment_151888" align="aligncenter" width="1500"] あせらず、ゆっくりねかす。[/caption]

    濡れタオルをかけて、30分くらい常温でねかし発酵を待つ。

    [caption id="attachment_151889" align="aligncenter" width="1500"] 川沿いにある公共のグリルプレイス。[/caption]

    輪になって囲むスイスのグリルプレイス!

    発酵した生地を4等分にし、細長くして保存容器に入れる。それを持って焼き場へ移動だ!
    この場所には5か所のグリルプレイスがあり、週末には家族連れで賑わう。しかも市が運営しているため、燃やす薪は無料で使うことができる。では、火をおこそう。

    [caption id="attachment_151890" align="aligncenter" width="1500"] かつてボーイスカウトをしていた筆者の主人は、慣れた手つきで器用に木を削る。[/caption]

    火がつくのを待っている間、子どもの仕事は周辺の森でパンを巻いたりソーセージを刺すための木を探すこと。そして、子どもが探してきた木を主人がナイフで削っていく。筆者の主人(スイス人)が軍隊に所属していたときに配られ使っていたアーミーナイフが登場!スイスでは成人になった男子に兵役の義務がある。

    削る木は、パンの場合、先端は太くてOKだが、ソーセージを刺す場合には先端を尖らせる。これがワイルドなスイススタイル。手を切らないように気を付けて。

    [caption id="attachment_151891" align="aligncenter" width="1500"] 自宅で仕込んだ材料を木に巻き付ける。まさに蛇が巻き付くようだ。[/caption]

    ドイツ語では"シュランゲンブロート(schlangenbrot)"。"シュランゲン"が"蛇"、"ブロート"が"パン"。そのまま"蛇のパン"!

    左がブラート左がブラートヴルスト。右がセルベラ。

    ナショナルソーセージのセルベラ!

    今回はソーセージも持参した。スイスでは、夏場のバーベキューが大人気。庭やバルコニーに大きなグリルの機械を持っている家庭が多い。

    右がスイスの"ナショナル(国民的)ソーセージ"ともいわれる、セルベラ。大きさは、長さ15cm、太さ3cm程度。日本のソーセージに比べるとかなり大きめで、色は赤みがかっている。生でも食べられるためサラダに入れることもある。両方とも牛・豚肉が主原料だが、左のブラートヴルストは、細長くて白っぽいのが特徴。仔牛肉が入っているので味わいが深い。

    パンとソーセージだけだと彩に寂しいので、野菜スティックも持参した。

    [caption id="attachment_151901" align="aligncenter" width="1500"] 焦げないように火にあまり近づけないのがコツ。[/caption]

    グリルプレイスには丸太のイスもあり、そこに座って焼けるのがありがたい。15分程度じっくり焼く。焦がさないようにじっくりと。

    [caption id="attachment_151893" align="aligncenter" width="1500"] できあがり![/caption]

    こんがりキツネ色でほくほく!何本かパンとソーセージを一緒に撮影したかったが、子どもが待ちきれずに食べてしまった……。

    [caption id="attachment_151895" align="aligncenter" width="1500"] コクが深いグリュイエールチーズ。[/caption]

    パンの穴の中にチーズや焼いたソーセージを切って入れるのもおすすめ!乾燥サラミと一緒に食べても美味しくて、コーヒーとの相性も良い。子どもたちは砕いた板チョコレートを入れるのが大好き!質素なパンも付け合わせ次第で楽しみ方がグンと広がる。

    簡単なレシピなので、日本の皆さまも、ぜひキャンプの際には焚き火でおためしあれ!子どもたちも大喜びするはず!

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