【アラスカ・カトマイ国立公園1】野生のブラウンベアが大集結する、ブルックス・ロッジ滞在記 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル - Part 2
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 海外の旅

    2016.06.15

    【アラスカ・カトマイ国立公園1】野生のブラウンベアが大集結する、ブルックス・ロッジ滞在記

    ブラウンベアたちがブルックス滝の周辺に姿を見せるようになるのは、多数のサケが産卵のために川を遡上してくる、7月と9月の時期に限られるそうです。この時は9月初旬で、レッドサーモンを狙ってブラウンベアたちが滝の周辺に集まってきていました。

    ブラウンベアたちは、滝の下でじっと待ち構えたり、時に水中に身を沈めたり、不意に飛びかかったりして、婚姻色の赤に身体を染めたレッドサーモンを捕まえます。彼らがレッドサーモンを前足で上手に持ちながら、皮を剥ぎ、卵や身にかぶりつくと、ばりっ、みちみちっ、と、すごい音が聞こえてきます。

    ブルックス滝での漁場を争って、ゴーッ!と吠えながら互いに威嚇し合う、雄のブラウンベアたち。滝の近くでサケを獲っているのは主に雄で、体力のない雌や子供は、下流の河口付近で、産卵を終えて弱ったり死んだりしたサケが上流から流れてくるのを待ち構えているそうです。

    ブルックス・ロッジに滞在した数日の間、毎日のようにたくさんのブラウンベアたちを観察し、ロッジやその周辺を歩き回る時も常に警戒を怠らないようにしていると、たまに10メートルほどの距離でニアミスしそうになっても、そこまであわてずに対処できるようになりました。そのうち、遠くに見かける分には「ああ、クマか」とさほど感動しなくなったり(笑)。それでも、この地の生態系の頂点に位置する彼らの気高さと恐ろしさは、骨身にしみて実感しました。

    ある日の夕暮れ、ロッジからナクネク湖の湖畔に出てみると、対岸の山にかかる雲が黄昏の光に染まり、鮮やかな色を湖水に映していました。

    ……と、そんな黄昏の光に誘われたのか、湖畔に一頭のブラウンベアが現れました。少し離れた木立の隙間から見守っていると、ブラウンベアは何かを探しているかのように、悠々と歩きながら湖の方を見やっていました。

    【アラスカ・カトマイ国立公園2】

    山本高樹 Takaki Yamamoto
    著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。2016年3月下旬に著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』を雷鳥社より刊行。
    http://ymtk.jp/ladakh/

    NEW ARTICLES

    『 海外の旅 』新着編集部記事

    カリフォルニア州にあるモハーベ砂漠をハイキング。見えるものは白い砂と青い空のみ

    2024.04.22

    コアラの睡眠時間は?野生のコアラを見つける方法は?ほか全4問!【動物ドッキリクイズ・その1】

    2024.04.21

    ジャーナリスト 丸山ゴンザレスさんに聞く「危険な取材の面白さ」とは【動画公開中】

    2024.04.20

    ヒマラヤツーリングで直面したトイレ&お風呂問題【38歳女芸人・橋爪ヨウコの爆夢旅その6】

    2024.04.19

    カリフォルニアの砂漠に花が咲く「スーパーブルーム」は再来するか…2冬連続大雨で高まる期待

    2024.04.18

    オーストリアで最も急勾配なラック式シャーフベルク登山鉄道と絶景山歩きの乗り鉄旅

    2024.04.15

    サファリ観光でもそう出会えない絶滅危惧種と贅沢な時間を!アフリカ・タンザニア秘境のワイルドな旅

    2024.04.11

    湖畔の移りゆく季節の風景を感じる公園「グリーン・レイク・パーク」【アメリカ西海岸・シアトルで絶景街ハイク(2)】

    2024.04.09