職・住・遊が隣接する、 世界一クールな街「ポートランド」 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2016.01.24

職・住・遊が隣接する、 世界一クールな街「ポートランド」

ポートランド

BE-PAL1月号のインタビューでは「職・住・遊が隣接する世界一クールな街」と題し、米国オレゴン州ポートランド市開発局の山崎満広さんにご登場いただきました。

ポートランド

米国オレゴン州ポートランド市開発局・山崎満広さん

先進的な都市計画をはじめ、行政と市民が息を合わせて地域づくりを推進できる理由、世界中の若者が注目しているポートランド的ライフスタイルなどを縦横に語っていただきましたが、じつはスペースの都合で割愛した興味深い話も多々。もったいないのでこぼれ話をご紹介します。

 古いものが大好き。DIYはもっと好き

キャプチャ

「ドアや窓、照明のようなものまで、古いパーツを売る店がたくさんあって、よく利用されています。最近はやっているのは、古い家のドアに脚をつけてテーブルにすること。なかなか素敵な仕上がりになるんですよ。古いモノを長く使うことやDIYは、単なる節約ではありません。ポートランドでは、手間暇かけて創造することを楽しむことがカッコいいとされているのです」

自動車より自転車のほうがエライ

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「街の設計基本は20分以内で自宅と職場とを行き来できること。ライトレール(路面電車)沿いに機能を凝縮した居住圏をたくさん作り、ひとつの中心街に人が集まる旧来的な都市構造を改めてきました。居住圏内での移動の主役は自転車です。自動車が我がもの顔で走る街というのは望ましくないと考えています」

 「ですから、道路も場所によっては自転車用レーンのほうが広いこともあります。自転車の利用率はかなり高く、通勤手段としては当たり前。雨の日でも防水ウェアを着て元気に走っている人がたくさんいます。雨の中を走るのは実際大変だけど、その大変さを楽しんでしまえという、前向きな考えの人が多いんです」

 

シェア・エコノミーの先進地
「空き部屋を旅行者に貸すエアビーアンドビー(airbnb)の利用者は、近年アメリカでも増えています。その本社機能の半分くらいが、じつはポートランドに集まっています。airbnbはサンフランシスコが発祥ですが、ポートランドは家賃が安い割に旅先としての価値が高く、つねに実験的なことができるというのが理由です」

 「5年前くらいから盛んになっているのが、ウーバー(Uber)というカーシェアリング。簡単に言うと自分がタクシーになれちゃうしくみです。会員になってスマホのアプリにアクセスすると、いま車に乗りたい人と、いま乗せてもいい人をジャストタイムでつないでくれます。料金決済はクレジットでできます。僕もたまに使うんですけど、タクシーを呼ぶよりうんと早く来ます。はじめはいろいろ議論もあったのですが、安くて便利で、小さな経済が地域にたくさん生まれるということで定着しています」

 面白い人材が世界中から集まる
ポートランド

「幸福指数の高い街として認知されだしてから、世界中から若者がやってくるようになりました。3割は大学卒業以上で、タレント…つまり個性的な人が多いのが特徴です。とくに都市計画を学んだ人にとってポートランドは理想郷で、アーバンプランナーの資格を持ちつつ、バーテンダーやアーティストとして飯を食っている人もたくさんいます。そういう人たちが街づくりの会議に参加するので、ものすごく磨きのかかった議論になります。ポートランドにはグーグルやナイキなどの世界的企業も集まっていますが、有名企業があるから若者がやって来るのではなく、むしろ逆です。タレントが多く集まっているので、優秀な人材をつねに探している企業がやってくるのです」

ブランドや肩書で人を評価しない
「ポートランダーは、自分のモノサシを大事にします。世間の評価…たとえば肩書とかブランド、レッテルで人や物事を判断しないことが誇りで、横並び的な考えを嫌います。世界的な大企業の頭脳部が集まる一方で、小さな事業体もたくさんあるのが特徴です。マイクロブルワリー(醸造所)だけで60か所以上、インディーロックの練習や発表ができる場も60以上あります。目利きが多く、自分がよいと思ったものは気持ちよく応援しようという気質があるので、これだけの数になるのです。街全体にインキュベーション(養成)能力があり、起業へのチャレンジも盛んです」

 アーバンファーミングが盛ん
ポートランド

「アメリカ人のステータスというと、大きな自動車と持ち家、そして広い芝生の庭というイメージがありますが、ポートランダーは、そういう景色が好きではありません。空間はもっとクリエイティブに使うべきだと、庭や共有地の路地にブッシュ系のハーブや果樹を植えている人が多いです。地区によっては、実りの時期になるとザルに果物を入れ、フリーフルーツ(ご自由にどうぞ)と書いて置いてあります。小さな空き地はたいてい農園として活用されていて、育てた野菜を地産地消型のレストランに卸している人もいます。都市住民でありながら小さなプロ農家でもある。そういう人がけっこういます」

 大都会ではないけれど、利便性と幸福度ならピカイチで、住みたい街の上位に立ち続けるポートランド。そのしくみを学ぼうと、最近は日本の地方自治体からも視察や研修依頼が増えています。2月には、内閣府の地方創生推進室が主催する「環境未来都市」というイベントが、なんとポートランドで開催されるそうです。

参考サイト http://www.travelportland.com/lang/japanese/

 

文/鹿熊 勤

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