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大人気「NANGA(ナンガ)」の歩みを振り返る
破竹の成長を見せる「NANGA(ナンガ)」。日本が誇るダウンメーカーの、知られざるサクセスストーリーに迫る!
(BE-PAL 2023年11月号より)
「NANGA(ナンガ)」ヒストリー
ナンガ・パルバット(8,126m)──それは、過去に多くの遭難者を出していることから「人喰い山」という異名を持つ、恐ろしくも険しいヒマラヤ山脈に属する山。
いまや高品質ダウンメーカーとして確固たる地位を築いた「NANGA」のブランド名は、そんな険しい山の名前に由来する。そこには、「困難だからこそやってやろう」──という、創業者・横田晃(文中敬称略)の熱い思いが込められていた。
ナンガ社の前身となる横田縫製(晃の父が創業)は、地場産業である近江真綿を使った布団縫製の下請け工場として創業。その品質が認められ、後に寝袋作りを開始。これが現在のNANGAの原点となった。
’95年には社名をナンガに変更。大手アウトドアブランドなどからのOEM(委託者製造)が殺到し、PB(プライベートブランド)で寝袋の製造も始めた。
そんなナンガの強みは、長年にわたるOEM生産で培った“企画力”。これが、同社が持つ既存の縫製技術や素材知識と相まって、優れた品質のダウン製品を生み出し、ブランド力を高めていったのだ。
象徴的なのが、防水透湿性を持つ独自の表地素材「オーロラテックス」の採用。’99年、湿気を帯びると保温性が低下するダウンを濡れから守ることができる、当時としては画期的な寝袋を開発した。
寝袋の生産に加え、2003年には、いまやブランドのアイコン的アイテムとなった「オーロラダウンジャケット」の販売を開始。自社ブランド初のダウンジャケットの登場で、同社は急成長を遂げることとなる。
’17年には海外のアウトドアショーに出展するなど視野を世界に広げていった。また’21年には自社研究機関を立ち上げて最高峰のダウンギア開発をスタートさせた。
布団の下請け縫製に始まり、一躍人気ブランドへ。その原動力こそ、拒まれてもナンガ・パルバットに挑戦し続ける登山家同様、いいモノを作り続けるという“不屈の決意”なのだ。
▼参考記事
「NANGA」大躍進の秘密とは?社長に直インタビュー!
大勢の縫製職人が働く本社工場の一角で、Tシャツに短パン姿の横田智之社長が気さくに迎えてくれた。2023年の売り上げ見込みは55億円。2009年の社長就任当時に3億円だった売り上げは、わずか14年間で18倍以上に。ダウンジャケットの売り上げがけん引し、ここ数年でも驚異的な成長を見せる。ナンガを成功に導いた道のりを振り返ってもらった。
(BE-PAL 2023年11月号より)
成功の秘訣は「もの作り」の熱意にこそあり
ナンガ代表取締役社長 横田智之さん

ファクトリーブランドの強みを活かしてます
2代目社長の長男で、2001年にナンガに入社。2009年に社長就任。「基本的にダウンや寝袋というのは、『休む』ときに使うものなんです。ナンガとは、休むことを目的とした製品を作る企業なんです」と話す。
「OEMで培った信頼と技術が自社製品の魅力を高めました」
横田:『オーロラダウンジャケット』のデザインを大きく変えたのが2016年の3代目からです。当時は、すでに寝袋が売れていて、防水透湿性のある生地『オーロラテックス』が、ナンガの代名詞として知られていました。ですが、もっとダウンジャケットを売っていくために、デザインをかなりタウン寄りに変更しました。
2代目までは、シルエットもだいぶ大きめの山寄りのデザインでした。登山やアウトドア向けだけではマーケットが小さいので、そこをもっと広げていくうえで、保温性はそのままにタウンウェアとしても着用できるよう汎用性を広げ、アウトドアとタウン、どちらでも着られるようなデザインにしました。
――今やアウトドアの世界でナンガというブランド名を知らない人はいないと思います。いつごろからどうやって知名度を上げていったんですか?
横田:2009年に社長になってからダウンジャケットをもっと売っていこうと思いました。そもそもうちがダウンジャケットを作っていることすら知らない人がほとんどの時代です。知名度を広げるために最初にしたことが、有名ブランドのOEMやダブルネームの活用でした。
うちで生産したOEM製品を通して、ナンガという会社がダウンジャケットを作っていることを周知しました。当時は会社の売り上げが少なく、戦略的な広告宣伝を打てないなかで考えた策です。そのなかで、約5万枚、売り上げ高でいうと10億円を超えてくるあたりまで、自分たちのブランド力を上げることを目標にやってきました。
――会社全体の売り上げを見ると、2009年が3億円、2013年が5億円、2017年が10億円と飛躍的に伸びていますが、その飛躍の理由はどこにあったのでしょうか?
横田:潜在的にナンガが欲しいという方のパーセンテージを増やせたことだと思います。国内工場だけで生産して、「メイド・イン・ジャパン」を売りにしていた時代もありました。しかし製品がある程度売れるようになり、海外で縫製する必要が出てきました。
生産キャパを格段に広げた結果、売り上げが伸びはじめ、海外工場での量産態勢が整った2020年ごろから、売り上げは急伸しています(右下表参照)。計画的にプロセスを踏んできたので、今後も順調に成長していけると思います。
――ここ数年を振り返って、ターゲットの変化などはありましたか?
横田:自分たちが歳を取ってきたことと同調するように、購買層の平均年齢も以前より、少し上がっている気がします。そこで、現在は20代後半ぐらいの方をターゲットにしたプロモーションも行なっています。
今、Tシャツは5,500円くらいですが、これからは若い世代に向けた3,000円という低価格の製品を作ることもあり得ると思うんです。それはブランディングを壊すことではなく、エントリー層を広げていくことで、永続的に自分たちが大切にしているコアゾーンの客層を増やすために必要なことだと思っています。
――海外での展開は?
横田:今は20か国ぐらい。まだそこまで大きな売り上げがあるわけではないですが、この7年間、OR(アウトドアリテーラーショー)に出展してアメリカ市場での知名度を上げる活動をしてきました。コロナ禍中でも出展した海外ブランドはうちぐらいだったので「お前たちよく来たな」って、とても喜んでもらえました。それまでなかなか受け入れてもらえなかったアメリカのローカル・バイヤーともしっかり話ができて、繋がりを作れたことで、飛躍的に海外マーケットが開けました。
――ナンガがアウトドアの世界で目指すところはどこですか?
横田:間口を広げ、世の中の多くの人に広く使ってもらうことが大切です。もちろん品質の向上も追求していきます。例えば、世界に通用するダウンジャケット。製品としては、『レベル8』のアップデートです。8,000m級でしっかり使ってもらえる製品を増やしていくことを考えています。
世界の8,000m級の山でも、どういったアプローチで登山するのかで必要な製品は変わります。縦走をするのか、無酸素で単独で登るのか、ポーターを使うのかで変わるじゃないですか。でも、本当に過酷な環境下でも使える製品を作れるブランドは世界でも少ないんです。だからこそ、そういう製品を世に送り出し世界に認められれば、グローバルの市場は一気に広がると考えています。
やはり、もの作りの熱意こそが成功の秘訣、ブランドを躍進させていく力になると確信しています。これからも我々の製品にぜひ期待してください。

品質とデザイン、街と自然をクロスオーバーさせたコンセプトが高く評価され、2023年6月のORでは、ベストインショーに選ばれた。
▼参考記事
本社工場に潜入!こだわりのモノ作り現場レポート
もの作りの匠が集う本社工場に潜入BE-PALが独自潜入。創業以来培ってきた繊細なもの作り、その一部始終を見ていこう。
(BE-PAL 2023年11月号より)

日本百名山 伊吹山の麓に位置する本社工場

従業員は約130人。ナンガは、伊吹山を望む滋賀県米原市内郊外に本社を置く。現在の社屋は2012年に建てられた。1941年に横田縫製として創業した場所からわずかに移転したが、地域密着にこだわり今も米原で生産を続けている。
高性能な機械により量産される製品が主流の今も、ナンガは長年培ってきた、職人の手仕事と熱意でもの作りを続けている。
2F
縫製、ダウン封入の生産部
縫製、ダウンの吹き込みなど、主要生産ラインは、2階フロアに集約されている。

1F
生産管理、EC対応、販売部、総務部など
1階には、事務系の部署のほか、生地を裁断する部門と、ボタンなどのパーツ保管庫がある。

ナンガ製品ができるまで
1.生地を裁断する
生地を無駄にしない緻密な作業。

長年培った工程で効率的に作るよ~
この日は、オーロラライトダウンジャケットの生産が行なわれていた。生地を裁断する前に、型紙の配置を調整。

貴重な生地を無駄にしないため、端材が出ないよう狭い間隔でパズルのように型紙を並べてカットする。

棚に積まれたオーロラテックス。自社で一貫生産しているので、別注品にも柔軟に対応できる。

生地を広げスイッチを押すと、オートカッターが動きだす。1回でジャケット2枚分の生地をカットするという。
2.型紙の情報を転写

型紙に記された縫製のための情報は、職人の手で一点一点、生地に描き写される。
3.職人がミシンで縫製

縫製作業も抜かりなし!
ミシンを使いながら、ほぼ手作業のような工程を重ねて、緻密に製品が作られていた。
最高峰モデルは4時間半かけて生産!凝ったデザインにもきっちり対応

大勢の職人が働く生産部門の中枢。ひとつの製品が、人の手から手へ受け渡され、徐々に完成形へと近づいていく。
4.製品の要となるダウンを封入
自社開発の機械を使いグラム単位で正確に!

青い箱の中に入れられたダウンを専用の機械で吸い上げ、重量を測りながら正確に製品に吹き込む作業。

上質なスペイン産のダウンだよ
封入の出番を待つ上質なダウンが入った袋。1袋に10kgものダウンが入っている。
5.パーツの取り付け

ボタンやファスナーなどのパーツは、1階にある棚からピックアップして、生地と一緒に2階に運ばれる。
職人の感覚で最適な位置にボタン付け

ボタン取り付け専用の機械。スナップボタンは、職人の経験による感覚で微調整し、スムーズに開閉できる位置に取り付けられる。
6.検品作業は別倉庫
ナンガ長岡
ロジスティックセンター

本社から車で10分ほどの場所にある2019年に建てられたナンガ長岡ロジスティックセンター。この倉庫内に検品部門がある。

不良品は 再度縫製するよ!
検品中にも針やハサミを使うため、検品前、検品後の2回、金属探知機に通して異物がないかを確認。徹底した安全対策が施されている。
金属探知機を2回通して安全対策

縫製が完了した製品は、ここで検品される。縫製が悪いものなど、少しでも問題があれば本社に戻して作り直される。
7.包装、梱包して出荷
寝袋を巻く機械も自社開発

分厚いダウンの寝袋を瞬時に巻きあげる自社開発の巻き取り機。これを使えば、数十秒で寝袋を袋に入れられる。

タグ付け、包装が終わった製品は、箱詰めされて倉庫に保管。ここから各地の物流拠点を経由して店舗に届けられる。
撮影/奥田高文
▼参考記事
まずはチェックしておきたい!定番、ベストセラーのウェア
ナンガのウェアといえばこれ!定番人気のダウンジャケットを紹介。
オーロラテックスを採用した、ナンガの定番ダウンジャケット。シンプルなデザインながら、高品質な760FP(フィルパワー)のスペイン産ホワイトダックダウンを使用し、優れた保温性を実現する。
NANGA(ナンガ) オーロラテックス ダウンジャケット
▼関連記事
NANGA(ナンガ) オーロラステックス スタンドカラーダウンジャケット
オーロラテックス ダウンジャケットのスタイリッシュなスタンドカラーモデル。改良を重ね、羽毛のつぶれによるコールドスポットの発生を軽減している。
▼関連記事
NANGA(ナンガ) オーロラテックス ダウンジャケット イブキ
長年にわたり愛され続ける「オーロラテックス ダウンジャケット」モデルをさらに進化させた、ジャパンメイドのフラッグシップモデル。滋賀県の象徴とも言える「伊吹山」の名を冠し、がっしりと構えた山の形で力強さを落とし込んだ一着となっている。
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▼参考記事
2026新作のダウンウェアを一挙紹介
毎年多くの注目を集めるNANGAの秋冬アイテム。2026年新作のダウンウェアを紹介。売り切れる前にチェックしておこう。
| ブランド・商品 | 画像 | 販売サイト | 詳細情報 |
|---|---|---|---|
| 価格 | |||
NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ ダウンジャケット | ![]() | ¥44,000 | |
NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ ダウンフーディージャケット | ![]() | ¥48,400 | |
NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ 2WAY ダウンプルオーバー | ![]() | ¥41,800 | |
NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ ダウンパンツ(ウィメンズ) | ![]() | ¥30,800 | |
NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ ダウンスカート(ウィメンズ) | ![]() | ¥33,000 | |
NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ ダウンジャケット
ミッドレイヤーとしても活躍する万能ダウンジャケット。ラグランスリーブやパターン設計を見直すことで、保温性を確保しながら動きやすさを高めている。
▼関連記事
NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ ダウンフーディージャケット
フード一体型で、首元まで暖かく包み込むダウンフーディ。腕の可動域を高めるラグランスリーブを採用するとともに、身頃のパネル設計を再構築している。
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NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ 2WAY ダウンプルオーバー
クルーネックとハーフジップを組み合わせた、重ね着しやすいダウンプルオーバー。袖をファスナーで取り外すことができ、長袖のプルオーバーと半袖のダウンTの2WAYで着用可能。
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NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ ダウンパンツ(ウィメンズ)
10DミニリップストップナイロンとDXダウンを組み合わせ、軽さと暖かさを両立したダウンパンツ。膝部分に切り替えを設けた3D構造によって、脚を曲げ伸ばししやすいのもポイント。
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NANGA(ナンガ) マウンテンロッジ ダウンスカート(ウィメンズ)
気軽に防寒できる、携行性に優れたダウンスカート。ふくらはぎまでカバーする丈と、モダンなAラインシルエットを採用している。
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人気寝袋がバージョンアップ!2026年にリニューアルの寝袋
長く親しまれてきた「AURORA TEX light」や「UDD BAG」などのラインナップを大幅に刷新。生まれ変わった寝袋をチェックしよう。
NANGA(ナンガ) オーロラテックス ライト 380DX
防水透湿素材「オーロラテックス®ライト」を採用した、ナンガを代表する高機能寝袋シリーズ。結露などによる水濡れからダウンを守りながら、快適な寝心地をサポートする。
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NANGA(ナンガ) ドライドレイト バッグ 310DX
軽量でしなやかな15デニールの撥水ナイロンに、超撥水加工を施した770FPのスペイン産ダックダウン「UDD DX」を封入。水濡れや湿気による保温力の低下を抑える。
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NANGA(ナンガ) リバイブ バッグ 0
大柄な人や、寝袋の中でゆったりと眠りたい人に向けたシリーズ。従来のダウン寝袋と比べて、全長・身幅を約5%拡大した大型設計となっている。
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NANGA(ナンガ) LEVEL8 -50
ナンガが培ってきた寝袋づくりの知見と技術を結集した最高峰シリーズ。二重構造によってコールドスポットを抑える「ツインディファレンシャル構造」を取り入れている。
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