割れても一生使える「生涯を添い遂げるマグ」が10周年! アーティストと限定コラボが登場 | サスティナブル&ローカル 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

サスティナブル&ローカル

2026.06.05

割れても一生使える「生涯を添い遂げるマグ」が10周年! アーティストと限定コラボが登場

割れても一生使える「生涯を添い遂げるマグ」が10周年! アーティストと限定コラボが登場
お気に入りのマグカップで飲むモーニングコーヒーは、今日も1日がんばるぞというスイッチを入れてくれます。そのお気に入りのマグカップが割れてしまってお別れしたという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。そんなときに、同じマグカップを手に入れられるというユニークな取り組みをしているのが、「生涯を添い遂げるマグ」シリーズです。10周年を迎え、新たな取り組みもスタートしました。
Text

「生涯を添い遂げるマグ」とは

同一デザインでありながら全く違った表情を見せるマグ。

2017年から「ワイヤードビーンズ」が展開する日本各地の職人が同一のデザインでマグをつくるという「生涯を添い遂げるマグ」シリーズが、10周年を迎えました。生涯使い続けたくなる飽きのこないデザインを考案し、『職人とお客様をつなぐ』という理念のもと、全国の職人さんたちの技を駆使し、美しさと実用性を併せ持つ器を生み出しています。単なる器ではなく、伝統工芸を次世代につなぎ、ハンドメイドならではのアーティストのマグが、大切な人へのギフトや自分自身へのご褒美として、長く日常に寄り添い続けることを願ってつくられています。

現在協業している窯元のリスト。

10周年を迎えた発表会では、現時点での日本各地の窯元でつくられたマグが展示されていました。「GKインダストリアルデザイン」がデザインを手掛けたマグは、シンプルでありながら、窯元によって全く違ったマグのように表情豊かでした。同じデザインで、違った窯元の器を見るということがなかったこともあり、それぞれの窯元の特徴を改めて楽しむことができると感じました。現在、47都道府県のうち44都府県との協業が進み、全国網羅が目前です。ただ、焼き物の器ということは、生涯使い続けるということに対して疑問が残ります。残念なことに、うっかり割ってしまうこともあるからです。実は、そこに職人さんとユーザーをつなぐ仕掛けがありました。それが、生涯補償制度です。破損してしまった場合、新しい製品と交換することができるという制度です。マグには、補償書が同梱され、シリアルナンバーがついています。破損してしまったマグと補償書を送ることで、交換ができ、初回は送料のみで交換できます。2回目以降は、製品交換手数料(金額は付属の補償書に記載あり)と送料、代引き手数料がかかります。製品によって多少価格は異なりますが、筆者のマグの場合、3,000円でした。破損時に新品と交換するという制度は、職人が「つくり続けること」と、生活者が「つかい続けること」の循環を実現するための制度です。ひとつひとつ職人さんのハンドメイドということで、技術の継承が行なわれるのですね。

なんだかいいことばかりのようですが、ここまでの道のりは、平坦ではなかったようです。

「それぞれの窯元の職人さんたちは、クリエイターでもあります。なぜ、同じデザインのマグをつくらなければいけないのかと、なかなか窯元さんたちとの協業が進まない時期もありました。」(ワイヤードビーンズ代表取締役 三輪寛さん)

こだわってものづくりをしている職人さんだからこその反応とも言えますが、取り組みについて理解してもらい、今では全国へと広がっています。

思い出を継続してもらうために

同じものを使い続けることにこだわるのには、三輪さんのある体験がありました。

「成人したときに、父からロックグラスをもらいました。大人になったから、一緒に飲もうという意味も込められていたのかもしれません。大切に使っていましたが、割れてしまったんです。落ち込んでいたら、もうひとつ、同じグラスがあったんです。すっかり忘れていたのですが、ペアでプレゼントしてもらっていたんですね。形あるものは、いつか壊れてしまうのですが、ただのモノではなく思い出が詰まっています。その思い出を継続してもらいたいという思いから、生涯補償を考えました。」(三輪さん)

そのモノに宿った思いをつなぐための取り組みでもあるのですね。

割れた器を微粉末にし、再び土に混ぜて焼き直す新たな再生の形としてスタートした再生陶器のマグ。

また、生涯補償を通して回収したマグと、能登半島地震の被災地から回収された能登瓦を使用した再生陶器のマグもありました。滋賀県の「菱三陶園」による独自の薪ハイブリッド窯でつくられています。通常の窯が、100%の安定を目指すのに対して、90%安定に10%のゆらぎ(奇跡)をあえて加えるために設計しているとのこと。画一的なリサイクル製品として均一に焼き上げたくなかったという菱三陶園の5代目当主・小川公男さんのこだわりだそう。手仕事だからこそ、ゆらぎやそのときどきの出会いを楽しむことができます。

次なる10年に向けて10周年プロジェクトがスタート

4名のアーティストとのコラボが登場。(左から)丸山敬太さん(2026年5月16日発売)/ローラ・デントンさん(6月5日発売)/エイドリアン・ホーガンさん(6月26日発売)/ニック・カッチャーさん(7月17日発売) すべて12,100円(消費税込み)

人とモノとの地域の関係性も再定義する生涯補償制度。10周年をひとつの節目として、新たな一歩がスタートしました。それは、日常を彩るアートの可能性を追求するというもの。国内外で活躍する4名のクリエイターを迎え、マグカップというキャンバスに、それぞれの世界観を表現したマグが登場しました。第1弾として、2026年5月16日に登場したのが、ファッションデザイナーの丸山敬太さんが手掛けた2モデルです。

アーティストコラボ第1弾として登場した丸山敬太さんが手掛けたマグ。(左)PSYCHEDELIC FLOWER、(右)SWEET MEMORIES。

花柄が印象的な「PSYCHEDELIC FLOWER」と、ブルーが基調の「SWEET MEMORIES」です。全く違った印象で、手にとるたびにワクワクしそうなマグカップです。筆者は、高校生のころから「KEITA MARUYAMA」のファンでもあるため、生涯添い遂げてくれると思うと、うれしくなりました。

(左)株式会社ワイヤードビーンズ代表取締役の三輪寛さんとファッションデザイナー丸山敬太さん。ものづくりに対する思いが語られました。

今回のコラボについて、三輪さんと丸山敬太さんのトークセッションも行なわれました。中でも、印象的だったのが、

「今が職人さんと若者をつなぐラストチャンスだと感じています。」という丸山敬太さんの言葉です。伝承するには、時間がかかるため、引退してしまう前に、次世代へとつないでいきたいという思いは、どの業界でも同じようです。

「ファッションは、人生を彩るために必要なものだと感じています。心が躍るものは、服だけではありません。マグカップもとてもパーソナルなものです。生涯補償がよりパーソナル感を伝えてくれると思います。」(丸山敬太さん)

「真似をする人が出てきてもいいと思っています。この活動をもっと加速して、地域活性化につなげたいです。」(三輪さん)

手仕事のぬくもりとつながりを大切にしているという思いが伝わってきました。

「生涯を添い遂げるマグ」は、厳密には一生ものではなく、破損してしまったときに新しいものと交換できるというシステムです。ただ、お気に入りだけれど、割ってしまうのが不安でしまい込んで使わないというのは、道具としての本来の機能を果たしていないことになります。思い入れがあるからこそ、毎日、手にとり、使ってほしいとの思いが込められたマグ。キャンプに陶器を持っていくことはレアケースかもしれませんが、このマグでお気に入りのコーヒーを飲んでみたら、また違った気分を味わえるかもしれませんね。

ワイヤードビーンズ
https://store.wiredbeans.jp/

著者画像

林ゆりさん

ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー。

関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台などで活動後、東京に拠点を移し、執筆も始める。幼いころからオーガニックに囲まれて育ち、MYLOHASに創刊から携わる。LOHASを実践しながら、食べ物、コスメ、ファッションなど、地球にやさしく、私たちにもやさしいものについてWeb媒体やブログで発信中。日本化粧品検定1級。

NEW ARTICLES

『 サスティナブル&ローカル 』新着編集部記事

震災を乗り越えて15年。牡鹿半島の漁村で大粒牡蠣を育てる「荒波魂」に出会った!

2026.06.04

家庭菜園で植え付け翌日、さっそく猫にやられました! そしてシソを植える

2026.06.03

千葉県勝浦市で見つけた、なんと500円で体験できるシーグラスクラフトに親子で没頭!

2026.05.31

【ぜんぶ使ってレビュー!】自然由来の「サステナブル洗剤」4選。廃棄されるはずの素材を再利用!

2026.05.28

読書に浸りたい季節におすすめの新刊4選!ネイチャーライフの楽しみを広げる名著揃いなのだ

2026.05.27

猫の額ほどの庭で、いよいよトマトやキュウリ、ナスを植え付けてみたけれど…?

2026.05.26

未知の風景は、人の心を豊かにする。――ネイチャーフォトグラファー、上田優紀に聞く

2026.05.25

日本最大の湖から「水」を考えるため、琵琶湖に注ぐ川の上流域にイワナを見にいった!

2026.05.23