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WIND from ONTARIOこちらから動画も楽しめます
WIND from ONTARIO~森の海、水の島~ #24 ビーバーランド
by Tomoki Onishi
撮影・文/尾西知樹
トロント在住のフォトグラファー、マルチメディア・クリエイター、カヌーイストでサウナー。オンタリオ・ハイランド観光局、Ontario Outdoor Adventuresのクリエイティブ・ディレクターを務める。カナダの大自然の中での体験とクリエイティブを融合させたユニット magichours.caを主宰。

スーーーっと水の上に鮮やかな緑の枝葉が動く…。なんだ? と、目を凝らすと、横切っていくのは森の働き者、ビーバーだ。夜行性のビーバーが、昼間に活動しているのは珍しい。カヌーのステルス性を活かして、そっと見ていると、大きな枝葉を一生懸命に運んでいる。健気だ……。
オンタリオの湖と森の風景は、ビーバーが作り上げたといっても過言ではない。彼らは、川や湿地に木の枝などを組み合わせてダムを作り、狼など外敵から身を守る縄張りを構築する。その中心にビーバーロッジと呼ばれる家を作り、子育てをして生活する。食糧の樹皮も冬に困らないよう、水中に沈めて貯蔵する。これって、まるで人の営みにそっくりだと思いませんか?
外敵が近づくと素早く水に入り砦に身を隠す。まさに鉄壁の防御システムだ。その水の要塞を駆逐した者がいる、業の深い人間だ。ヨーロッパからの開拓者に防水の毛皮や油は重宝され、毛皮貿易で乱獲が始まった。
現在では、カナダの象徴的な動物として厳重に保護されているビーバーにも激動の時代があったのだ。せっせと木々を運ぶほのぼのとした光景も、今では、遺された〝自然遺産〟である。
これまでの歴史を理解した上で、ビーバーランドに入ると、周囲にたちこめる野生的なビーバー臭にも愛着が湧く……。

夕暮れ、水路の先にビーバーとの出会い。そ〜っと、カヌーのステルス性を活かして近づく……。

ビーバーが切り倒した木。カリカリと木の幹を削る前歯は、一生伸び続ける、一生ものの道具。

進路にビーバーダムが出現! 見事に構築されたダムをカヌーから降りて越える不思議体験!
(BE-PAL 2026年6月号より)




