装備を軽くするコツは? 快適で安全な登山を楽しむためのヒント | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

山・ハイキング・クライミング

2025.11.09

装備を軽くするコツは? 快適で安全な登山を楽しむためのヒント

装備を軽くするコツは? 快適で安全な登山を楽しむためのヒント
登山では装備を加えることで快適になる場合、逆に軽量化の恩恵を得て快適になることもあります。今回は道具と身体の軽量化によって得られる恩恵、身体の負担軽減・移動距離の延伸・怪我の防止などについて解説します。
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軽量化で受けられる登山の恩恵

八ヶ岳の稜線
身軽になって行きたい山へ。

自らの脚で歩き、頂きを目指す登山。山頂に至るには食糧や衣類、野営道具など大小さまざまな道具が必要になります。それら道具のひとつひとつを手に取っても気になりませんが、全てをバックパックに入れて担いでみると、肩に食い込むような重みを感じます。距離が伸びるほどこの重みが負担となり、怪我や早期の疲労を招くことも。そのため装備の軽量化は、心身の負担軽減だけでなく、たくさんのメリットを登山者にもたらし、快適な登山を約束してくれるのです。

軽量化するメリット

身体の負担が軽減

軽量化をすると一番に感じるのが、身体への負担が大きく軽減されることです。1泊以上の登山装備となると、背負うときにコツが必要になるほど重たくなるバックパック。背負うと肩に食い込み、登山用のバックパックで荷重を分散しても、ジワリジワリとその負担は全身に行き渡ります。軽量化を行うと数百グラムから数キロ単位で荷物が軽くなり、その効果が背負った瞬間から実感できます。

1泊の装備なら日帰り装備かのように軽くなる場合もあり、重く苦行と感じる登山が、より快適で楽しいものに変わります。

移動距離が伸びる

八ヶ岳の阿弥陀岳
軽量化により柔軟な計画が立てられる。

荷物が重いと1日の移動距離が短くなり、行動時間を長くして目的地を目指すことになり、総じて負担が大きくなります。軽量化を行うことで移動距離を伸ばすことができるため、より遠くの山を目指すことができたり、行動時間を短くして余裕ある行程にするといったメリットを得られます。移動距離が伸びる=柔軟な山行計画を立てることができるので、山頂まで最短距離で登らず他の山頂を経由していくなど、彩りある登山が可能になります。

遭難リスクが減る

稜線の岩場
バランスが大切な岩場では重い荷物はネックになる。

重たい荷物を背負うと、木の根や石につまづいた際・落ち葉で滑ったときなどで生じる怪我が重くなる場合があります。また重量が原因で身体が思うように動かせなくなれば遭難リスクが高まることに繋がります。装備を軽量化するということは、万一の怪我を予防し、遭難リスクを下げることができます。焦らない気持ち・十分な体力・肉体のポテンシャルの発揮などは遭難を回避する大切な要素。軽量化は身を守る上でも登山者に貢献してくれます。

軽量化のポイント

快適性を極端に犠牲にしない

折りたたみ式の食器
折りたたみの食器で軽量化。

軽量化というと、道具から得られる快適性とトレードオフと考えてしまいますが、快適性を維持しながらいかに軽量化を実現するかが大切です。たとえば登山で使うシングルバーナーの燃料缶で考えると、予定している調理が数分の湯沸かしだけなら、容量を減らして軽くすることができます。モデルにもよりますが、ガスカートリッジを1サイズ小さくするだけで100g程度の軽量化になります。

また、コストをかけて良いなら、レインウェアを軽量なモデルにしながらも防水透湿性を維持するといったことも可能です。

必要な機能を満たしている

レインウェアとウインドシェル
見た目は同じアウターでも機能は異なる。

軽くすることにこだわるあまり必要な機能が揃わなければ、軽量化が持つ本来の目的が失われます。たとえば防水透湿性のレインウェアの代わりに撥水性のあるウインドシェルに変えてしまえば、雨天時の体温低下を招きます。

このように、道具に求める機能を明確にして適切な軽量化をすることが大切です。バックパックであれば、藪や岩場など多く雨も予測される場合は堅牢なモデルが必要ですが、障害物の少ない登山道で天候も安定していれば、軽量素材のモデルを選べます。バックパックの重量や容量差は大きく、これだけで数百gから1kg単位での軽量化も可能になります。

耐久性を確保する

より薄く、小さい道具にすれば端的に軽量化になりますが、その分耐久性が落ちることも。耐久性に不安が出ると、補修道具を増やしたりと結果的に重量増に繋がることもあります。日帰りかテント泊かなど、山行形態によって求める耐久性が変わってくるので、予定している登山に耐えられる強度を持っているかを見定めておきましょう。

不要なアイテムを外す

PACのバックパック K2
シンプルなデザインのバックパックは軽量なモデルが多い。

本来使う予定はないけれど、「念のために持っておこう」と入れたアイテムは、使わずただの重しになってしまうことがよくあります。使う予定のない調理器具・余分に入れたウェア・十分な体力があるけどトレッキングポールなど。登山前は「持っておいたほうがよいかな」と不安になりますが、登山経験を積むことで、必要か不要かの判断ができるようになります。

素材を変えてみる

モンベルロゴ
素材や厚みの違いは重量に直結する。

コストをかけてよければ、道具の素材を変えて見るのもアリです。調理器具であれば軽量なチタンに変えたり、トレッキングポールならカーボン素材に変更したりと、強度や機能性を損なわず軽量化が実現します。

※素材によって使い勝手が変わるので、素材やアイテムごとの特性をよく調べて変更しましょう。

軽量化で気をつけるポイント

既存のアイテムを活用する

軽量化というと、新規にアイテムを購入する場合がありますが、所持しているアイテムで行うことも当然ながら可能です。例えば不要なアイテムを外していけば、小さな容量のバックパックを選択することができます。適当なバックパックを持っていれば新規で購入する必要はなく、コスパよく軽量化できます。調理器具やカトラリーであれば、アウトドアに限らず自宅にあるものを選択することができたりと、アイデアと工夫次第で柔軟な軽量化を楽しめます。

目的を忘れない

軽量化の目的は人それぞれです。「機能性を損なわず移動を快適に」「多少の不便はあってもより大きく軽量化したい」など。目的を見失って軽くすることだけにこだわると、いざ登山となったとき「こんなはずじゃなかった」と感じます。なぜするのかを自身の中で整理して、適切な軽量化を行いましょう。

軽量化して快適な登山を

トレッキングポール
軽量な折りたたみ式のトレッキングポール。

いかがでしたか。装備を見直して軽量化することで得られる恩恵は大きく、登山を想像以上に快適にしてくれます。軽くすることだけに囚われず、目的に合わせて道具の見直しを図ることが適切な軽量化のポイント。軽量化した装備で、快適で安全な登山を楽しみましょう。

北村 一樹さん

アウトドアライター

関東甲信越の山を中心に、1年を通して日帰りから縦走、沢登りや雪山を楽しんでいます。数日間沢に入って魚を釣りながら山頂を目指し、藪を漕いでいく汗まみれ、泥まみれの登山が大好物。ファミリーキャンプ、ロードバイクでヒルクライムなど、海と山があるのどかな町に住み、暇を見つけては年中山で過ごしています。

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