熊スプレーはいつ使う?おすすめ商品や注意点とあわせて紹介 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    山・ハイキング・クライミング

    2023.09.26

    熊スプレーはいつ使う?おすすめ商品や注意点とあわせて紹介

    近年、登山やハイキングなどのアウトドアレジャーで、熊に遭遇するケースが増えています。街中に出没したというニュースを耳にすることも多いでしょう。熊対策として使用される『熊スプレー』の正しい使い方や、おすすめ製品を紹介します。

    熊スプレーってどんなもの?いつ使う?

    熊スプレーは、熊と遭遇したときに使う撃退用スプレーです。熊を殺さず、強い刺激を与えることで追い払います。ただし、熊を寄せつけないという訳ではありません。そのため、熊から逃れるための最終手段と心得ましょう。

    カプサイシンを濃縮させたスプレー

    熊スプレーは、OC(Oleoresin Capsicum:オレオレシン・カプシウム)という成分が配合されています。トウガラシの辛み成分『カプサイシン』を濃縮したもので、即効性があり効果も高いことから催涙スプレー全般に使われています。

    効果の強さは、トウガラシの辛さを測る単位『SHU(Scoville Heat Units:スコヴィル・ヒート・ユニット)値』や、カプサイシンの含有量で表されるのが基本です。

    熊スプレーのSHU値は、ツキノワグマなどの小型・中型の熊向けで20万SHU(※)まで、ヒグマやグリズリーといった大型の熊用で20万SHU以上※が推奨されています。

    ※軍事用グレードの表記です。軍事用は食品用検査結果の10分の1の数値で表記されます(食品用が200万SHUなら軍事用は20万SHU)。以下、とくに注釈がない場合は軍事用グレード表記です。

    ▶参考記事:日本護身用品協会「熊よけ(ベアー)スプレーの実態及び危険性の勧告

    予防ではなく襲われたときの最終手段

    熊スプレーには、熊よけ効果や殺傷力はありません。熊が襲ってきたときの最終手段として使うものです。離れた場所で熊を発見したら、速やかにその場を離れましょう。

    熊がこちらに気づいていない場合も同様で、熊を近づけないようにと熊スプレーを噴射するのは厳禁です。熊スプレーは至近距離からの噴射でないと効果が期待できないため、かえって熊を刺激することになりかねません。

    また、熊は動くものに反応するため、逃げるときは急に走り出さないようにしましょう。背中を向けて走ると追いかけてくる可能性もあるため、ゆっくりと後ずさりするように逃げるのが賢明です。

    ▶参考記事「クマとの遭遇に備えて覚えておきたい行動パターンは?専門家に聞いた!(後編)

    事前に確認しておこう。熊スプレーの使い方

    熊スプレーは、適切に使うことで初めて効果が得られるものです。いざというときに慌てないよう、あらかじめ使い方を確認しておきましょう。

    至近距離で一気に噴射する

    熊スプレーは、リュックの外ポケットなど取り出しやすいところに入れておくと安心です。熊が近づいてきたら、いつでも噴射できるよう準備しておきましょう。安全用の結束バンドやセーフティクリップが付いているので、誤噴射に注意しながら、それらを外して構えます。

    熊が5m以内まで近づいたら、鼻の辺りをめがけて一気に噴射します。離れた場所から噴射しても効果は期待できません。噴射持続時間もあるので、至近距離でスプレーすることを心掛けましょう。

    動画で熊スプレーの使い方をチェックしておくのもおすすめです。ヒグマが多く出没する知床では、熊スプレーのレンタルと併せて、使い方のレクチャーを行っています。使い方を知っている人から教われば、より確実に使いこなせるはずです。

    熊スプレーのおすすめ商品5選

    熊スプレーは、アウトドア用品のメーカーや催涙スプレーを専門とするメーカーから発売されています。想定される熊の大きさに合わせて選ぶのがポイントです。

    カウンターアソールト『熊よけスプレー CA230』

    世界で初めて熊撃退用に開発されたスプレーです。SHU値は320万(食品用グレード数値/軍事用グレード32万SHU)と強力で、ヒグマやグリズリーといった大型の熊に適しています。噴射距離は約4~9mです。

    カウンターアソールトの熊スプレーは、6年間にわたって行われた約300回のテストにおいて、熊を追い払うのに高い効果を示したという実績があります。EPA(Environmental Protection Agency:アメリカ環境保護庁)からも公式に認められました。

    熊だけでなく、ゾウやライオンなどの大型動物にも有効とされています。

      • 商品名:カウンターアソールト『熊よけスプレー CA230』
      • 公式サイト:商品はこちら

    カウンターアソールト
    熊よけスプレー CA230

    重量: 320g / NET : 230g サイズ: 215×φ50mm


    ティエムエムトレーディング『ポリスマグナム16オンス・ファイヤーマスター』

    SHU値18万1,000の、ツキノワグマ向けの熊スプレーです。ヒグマやグリズリー用のSHU値の高いものは、ツキノワグマには効果が強すぎますが、『ポリスマグナム』はツキノワグマだけでなく野犬・シカ・イノシシなどの野生動物にも使用できます。

    また、消火器のような大量・迅速な噴射が可能です。アメリカ軍で採用されていることからも、確実な効果がうかがえるでしょう。日本でも複数の県警本部でツキノワグマ用として導入されているようです。

    水性のため、万一人間にかかってしまっても水で洗い流せます。とはいえ念のため、医療機関へ相談する方がよいでしょう。

    • 商品名:ティエムエムトレーディング『ポリスマグナム16オンス・ファイヤーマスター』
    • 公式サイト:商品はこちら

    UDAP『プレミアム ベア スプレー グリズ ガード ホルスター付き』

    実際にグリズリーの襲撃を受けた経験者が開発した、油性の熊スプレーです。ヒグマやグリズリーをはじめとする全ての熊に対応しています。最大約9m(30フィート)まで噴射が可能で、分散性にも優れています。

    いざというときに、噴射態勢を取りやすいホルスター付きです。アメリカ森林警備隊採用・イエローストーン国立公園推奨の実績もあります。オゾン層破壊係数(オゾン層に与える破壊効果を表す)ゼロ・EPAの認可済みなど、環境にも配慮した製品といえます。

      • 商品名:UDAP『プレミアム ベア スプレー グリズ ガード ホルスター付き』
      • 公式サイト:商品はこちら

    UDAP
    プレミアム ベア スプレー グリズ ガード ホルスター付き

    容量:‎224 ml


    カールホーネック『TW1000 PEPPER-JET』

    小型で携帯に便利なドイツ製熊スプレーです。風の影響を受けにくく、強力なカプサイシン成分を安定した方向に噴射できます。フリップトップ(押し上げフタ)仕様で誤噴射の心配も少ないでしょう。

    ドイツ連邦刑事庁(BKA)に登録されており、安全性も担保されています。熊撃退スプレーとして使用する以外にも、護身用として持っておく手もあります。

    • 商品名:カールホーネック『TW1000 PEPPER-JET』
    • 公式サイト:商品はこちら

    カールホーネック
    TW1000 PEPPER-JET

    サイズ :(φ)35×(H)84mm  重量(約):50g  容量:40ml 


    ラングスジャパン『熊撃退スプレー ベアアタック ホルダーケース付き』

    カプサイシン2.0%含有の熊スプレーです。不凍性のため冬期でも安心して使えます。

    代替フロン(134a/P)使用で環境に配慮されているほか、一定の圧力で安定的に噴射が可能です。使う際は、人差し指をリングに通して持ち、噴射ボタンは親指で押します。

    噴射距離が約7~8mと比較的長く、また缶を使用前に振る必要もありません。安全クリップの脱落を防ぐロックカバーも付いています。

      • 商品名:ラングスジャパン『熊撃退スプレー ベアアタック ホルダーケース付き』
      • 公式サイト:商品はこちら

    ラングスジャパン
    熊撃退スプレー ベアアタック ホルダーケース付き

    サイズ:約215mm×直径50mm


    熊スプレーの注意点をチェック

    熊スプレーは、取り扱いに注意が必要です。熊スプレーを使うときに気をつけることや、使用の際の心構えを解説します。

    熊スプレーを過信しない

    熊スプレーは、熊を100%撃退できるものではありません。熊スプレーを噴射しても、熊がひるまず向かってきたり、いったん逃げても戻ってきたりする恐れもあります。

    「熊スプレーがあるから大丈夫」と、熊の出没注意が警戒されているところに足を踏み入れるのはやめましょう。熊を見つけた場合は、不用意に近づかないのが基本です。

    熊スプレーを持っていても、いざとなると上手に使えない可能性もあります。トレーニング用のスプレーを使った練習や、取り出しやすいところに収納するといった工夫も必要です。

    熊スプレーは忌避剤ではありません。熊がいないときに噴射しても予防にはならず、刺激臭がかえって熊を引きつけかねないので注意しましょう。

    誤噴射に気をつける

    熊スプレーを人に向けて噴射するのは厳禁です。噴射するときは、できれば風向きにも配慮し、自分や周囲の人にかからないようにしましょう。

    熊スプレーは、人間に使用した場合の安全性が確保されていません。そのため、スプレーの成分が皮膚につくと、ただれや水ぶくれなどの症状を引き起こす恐れがあります。万一、目に入れば視力低下・失明などにつながりかねません。

    また、携帯の際にも注意が必要です。誤噴射予防のロックやキャップが付いているものを選ぶとよいでしょう。

    飛行機には持ち込めない

    熊スプレーは催涙スプレー同様、危険物に該当します。そのため、飛行機へ持ち込んだり航空便で送ったりはできません。運送方法は陸送のみとなるので、旅行先で使う予定がある場合は届くまでの日数を考慮しましょう。

    北海道のキャンプ場や知床などの国立公園では、熊スプレーのレンタルを行っているところも少なくありません。飛行機で移動するときは、現地でレンタルしてもよいでしょう。

    本州でもアウトドア用品のレンタルショップなどで借りられる場合があります。

    まとめ

    熊スプレーは、至近距離から噴射することで、熊を撃退する効果に期待できます。登山やハイキングなどで山に入るなら、念のために熊スプレーを準備しておくのがおすすめです。

    とはいえ、確実に撃退できる訳ではありません。熊スプレーを持っているからといって、過信して注意を怠ったり、熊に自分から近づいたりするのは厳禁です。熊に遭遇したら、その場から立ち去るのが得策です。熊スプレーは、熊が向かってきたときに最終手段として使用することを覚えておきましょう。

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