一周1800メートル!ドイツの巨大要塞は大迫力【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.10.08

    一周1800メートル!ドイツの巨大要塞は大迫力【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    一周1800メートル!ドイツの巨大要塞は大迫力【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
    なにげなく訪れたところが驚くほどスゴかった。それは「絶対にスゴいと思っていったところがやっぱりスゴかった」という場合よりも感動したりするものですよね。

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
    Text

    ドイツ「ザクセンスイス」の変化に富んだハイキングが最高だった!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    「ザ・難攻不落」の「ケーニヒシュタイン要塞」へ!(ドイツ・ザクセン州旅その3)

    前回訪れた「バスタイ橋」とその周辺のハイキングを終えたのが13時半頃。宿をとっているドレスデンから30分以上かけて電車に乗ってせっかく「ザクセンスイス国立公園」まで来たのだから、どこかもう一ヵ所くらいハイキングしたいな。

    そうして目指すことにしたのが「ケーニヒシュタイン要塞(Festung Konigstein)」です。「ザクセンスイス国立公園」には他にも無数のハイキングコースがあるのですが、前回の「バスタイ橋」で「ザ・自然」「ザ・奇岩」を堪能したので、今回は少し趣向を変えたかったというのもあります。

    そして「バスタイ橋」に行く途中の「ノイラーテン城」という城跡が「臨時休業中」とかで入れなかったのも、「城っぽいところ行きてえ~」という気分にさせたのだと思います。

    さらに「ケーニヒシュタイン要塞」の最寄り駅であるその名も「ケーニヒシュタイン」は、「バスタイ橋」のある「クアオルトラーテン(Kurort Rathen)」からたった5分乗車の隣駅でアクセスが容易だったことも理由の一つ。

    そんな「ついで」感や「せっかくだから」感満載の目的地でしたが、いい意味で期待を裏切られました!

    14時11分に駅を出発。最初に坂を下っていくと途中から石畳の道になります。

    石畳とテラス席がまさにヨーロッパ。

    出発から5分後、右に折れて石畳の坂を登り始めます。

    Googleマップ先生がいなかったらきっと見過ごしていたほどの狭い路地。

    本当に旅は楽になりました。ありがとう、Googleマップ先生! 

    アプリではこのまままっすぐ行くという指示なんですが、つきあたりに。

    どうしようかと絶望に浸っていたら、たまたま地元の人が通りかかりました。「要塞に行きたいんです。地図アプリによるとここはまっすぐ行けるみたいなんですけど行けなくて…」「ああ、左に曲がって10メートルくらいしたら階段があって、この崖の上に登れるんですよ」と教えてくれました。

    その通りに進むと家の軒先を通るようなルートが本当にありました。ありがとう、地元の人!

    さらに進むと「秘密の抜け道」感満載のルートになりました。冒険っぽくて楽しいです。
    まっすぐ進むと見晴らしがよさそうですが、まずは目的地の要塞を目指し左側の階段をのぼります。
    しばらくすると「登山道」っぽくなってきました。

    いよいよ要塞に到着!圧巻の高さと広さ

    出発から40分ほどで城壁と岩を融合させたようなものが見えてきました。

    そびえ立つ要塞という感じですね。

    高さは最大で42メートル。目の前にした敵は絶望感に打ちひしがれたことでしょう。攻めるとしたら兵糧攻めくらいでしょうか。

    ちなみにこの「ケーニヒシュタイン要塞」が文献に最初に登場したのは1241年なのだとか。

    左側の灰色の建物が切符売り場です。

    そして洞穴のようなところに入っていくと、そこはエレベーター乗り場でした。「勇者として召喚された」感が半端なくて、なかなかいい気分。

    かなり広いエレベーターで上階に到着。

    絶景が目の前に!

    威風堂々と降りると…。

    いきなりの大展望。

    新たな将軍の登場に狂喜乱舞する兵たちの雄叫びが聞こえてきそう。

    上から見てもやっぱり高い!

    なんとも広い要塞・・

    それはそうとこのスペースがかなりの広さで…。

    右を見ても。
    左に視線を向けてもどこまで続くのかわからないほど。

    「ひょっとしたらとんでもない巨大要塞にいるのでは・・」とこっそり調べてみると、なんと城壁の周囲は1.8キロメートルもあるとのことです

    さきほど「攻めるとしたら兵糧攻め」と書きましたが、取り囲むだけでも大変そう。しかも要塞の中には深さ152.5メートルとヨーロッパで2番目に深い井戸もあるとのことで、飲み水も自給自足できそう。

    城壁の内側をグルッとまわる周回路があるので進んでみましょう。

    要塞内には50以上の建物が現存していて、そのいくつかは小さな博物館になっています(レストランやカフェもあります)。

    ここは確か「兵器博物館」。
    城壁が突き出たような形になっている展望スペースもあります。

    要塞の南西部分から歩き始めたのですがぐるっと北東に半周したあたりから、近くを流れるエルベ川を眺められます。

    川の右下の部分が駅のあるケーニヒシュタインの街。
    さらに進むとエルベ川が馬蹄形に曲がっている姿が眺められます。

    対岸の「半島」みたいになっているところの幅は2キロメートくらいあります。

    この建物の上階はエルベ川を臨む見晴らし最高のダイニングルームでしたが、中には入れませんでした。
    周回路以外にも内側に道が張りめぐらされています。

    ぐるっと一周だけでもかなりのものなのに、すべて歩いたらどれくらいになるのか想像もつきません。とにかくこんなにデカい要塞は初めて見ました。

    要塞内の広さでいうとポルトガルの世界遺産「国境防衛都市エルヴァスとその要塞群」などもっと大きなものもあるようですが、台状の丘の上という立地から来る「難攻不落」度はこの「ケーニヒシュタイン要塞」は世界トップクラスかもしれないですね。

    あちこち立ち寄ったり休憩したりしたこともあり、歩き始めて1時間40分後の15時50分、とりあえず城壁内1周を完了。エレベーターで戻るのもいいですが歩道もあったので、そこから降りることにしました。

    こちらのほうが古くからの出入り口なんでしょうね、当然。

    この下の門がチケット売り場になっていて、係員に聞くとそのまま降りていくと最初のエレベーターの入口付近に出るとのことでした。

    左の灰色の建物が最初にチケットを買った売り場。エレベーターの入口はその奥。

    「パトロール用小道」を探検!

    このままバスで駅に戻ってもいいのですが、先ほどの門のところのチケット売り場に置いてあったマップを見ると、城を一周するような「パトロール用小道」があるようです。

    「自己責任で利用して」との一言が添えられています。

    その小道に入る前の看板には「1805年にパトロールと建物の維持のためにつくられた」とありました。そしてここでも「損傷している道で落石の可能性もあり。自己責任で」との文言。

    冒険心をくすぐられて進んでみることにしました。もちろん危ないと感じたらすぐ引き返すつもりです。

    城壁のすぐ真下を通ってその高さに驚かされたり。
    ちょっと離れたところを歩いてその規模に圧倒されたり。
    見晴らしのいいところもあり。

    前々回書いたゲルリッツの教会内の秘密のツアーじゃないですが、これはこれで「舞台裏」を見せてもらっているようでたまりません。「平城ではなく山の上の要塞のまわりをぐるっと一周する」というのはたぶん人生で初めての経験です。

    前々回はこちら↓

    “国境の街”ドイツ・ゲルリッツで待っていた景色とは?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    歩き始めて30分後に元の地点に到着しました。先ほど書いたようにバスで駅まで戻ることもできるし、この日は猛暑日で暑くて疲れたのですが、なぜか来た道を歩きたい気分になりました。すると…。

    山道が終わるあたり、来るときに「見晴らしが良さそう」と思ったところで。
    絶景ベンチを発見しました。

    次の列車まで余裕があったので15分ほどこの景色を堪能します。

    列車が30分に1本とかしかないのは不便といえば不便。でもスケジュールがキチキチでない余裕のある旅もいいものです。

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    ドイツ観光局
    https://www.germany.travel/en/campaign/german-local-culture-jp/home.html

    ザクセン州観光局(英語サイト)
    https://visitsaxony.com/

    ザクセン州観光局(ケーニヒシュタイン要塞)
    https://visitsaxony.com/poi/koenigstein-fortress-koenigstein

    柳沢有紀夫さん

    オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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