スイスアルプスの絶景を眺めて滑走!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2025.09.22

スイスアルプスの絶景を眺めて滑走!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

スイスアルプスの絶景を眺めて滑走!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
スイスアルプスでの夏のメインイベントと言えば銀嶺を眺めながらのハイキング。でも前々日と前日ハイキングを楽しんだので今回は別のアクティビティにチャレンジします!

どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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世界遺産「アレッチ氷河」で大迫力ハイク!(中級編)【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

お得意の「大ドジ」も。笑(スイス・アレッチ地方旅その3)

そのアクティビティがこちら!「トロティネット(Trottinett)」

一見「ペダルとサドルが取れて壊れたマウンテンバイク」に見えなくもないですが…。

もちろんもともとペダルもサドルも付いていない乗り物。「じゃあどうやって動かすんだ? ああ、キックボードのように地面を蹴るのか」と思われるかもしれませんね。

はい、そうやって動かすことも可能です。でも「アレッチアリーナ(「アレッチ地方」くらいの意味)」では、これで坂を降りるんです。はい、ただただ重力に従って。

聞いただけで楽しそうだと思いませんか? そう、これが無茶苦茶爽快で超オススメです!

この乗り物、現地の地図や看板では「トロティネット(TrottinettまたはTrottinette)」と表記されていましたが、前々回と前回の話に登場したアレッチ観光局の人たちが私に英語で説明するときには「スクーター(scooter)」と呼んでいました。

日本でいうキックボードと比較して、「2輪で足を乗せるところがある」という形状は似ていますね。

ただ車輪がデカい分、安定感が違います。安定感が違うのでスピードもかなり出ます!

ただし足を乗せる部分の大きさはキックボードと同じくらい?

ブレーキは自転車同様ハンドルの下。「左右両方同時に使うこと」というのも自転車と同じですね。

スタート地点は地図中央の「ベットマーアルプ(Bettmeralp)」と書かれた海抜1950メートルの中腹駅。

ここから右下方向に延び、うねうねと曲がりながら左下に戻ってきて、「ベッテンドルフ(Betten Dorf)」といいうケーブルカーの駅まで続く青い線がコースです。

いざスタート!

9時22分スタート。貸してくれた係員からは「あの赤くてスクーターマークがついている標識に沿っていけばだいじょうぶ!」との指示。

その標識。白い矢印もついていますね。
20メートルくらい進んだところで左にUターンするように折れて、ロープウェイの下に向かって行きます。

いきなりの予想外のルート。笑 この後の波乱万丈を予感させます。

最初は宿泊用コテージなどが並ぶ高原リゾートを爽快に走ります。

乗り心地は「漕がない自転車」という感じ。だから自転車の乗れる人はすぐにコツをつかめると思います。自転車の乗れない人はどうなんだろ? わからないですがキックボードに乗れれば、おそらく大丈夫だと思います。

坂道なので思った以上にスピードが出ます。

あれ?勝手に絶体絶命の危機!

最高速度は50キロくらいでしょうか? いや、ブレーキを使わなかったらもっと出るとは思いますが。

そんな感じで爽快に走っていたのですが…。

なぜか出発の5分後に「ん? ここを右に曲がるのかな?」と思い込んでしまった私。

係員の「赤くてスクーターマークがついている標識に沿っていけ」の真摯な忠告が頭からまったく飛んじゃっています。人の話を聞かないで失敗して、親から「ほ~ら、言わんこっちゃない!」と言われ続けた5歳児のころから進歩ゼロ。

で、たぶん20~30メートルくらいは舗装道路だったのですが…。

なあ、頭は5歳くん。「これはさすがにおかしいだろ~」と気づけよ! 

だけど危機察知能力が低下していたので「まあ、マウンテンバイクからサドルとペダルを外したものだから、こういう未舗装道路も行くわな」とのんきに考えてしまいました。そして道なき道に突入です。

崖沿いで落ちたら「大けが&遭難確定」のスリリングなコース。

ここを走っている姿を誰かに後ろから撮ってもらったらインスタでバズりそうです。…なんて今でこそ冗談めかして書けますが、走っているときはずっと愛する家族の姿が脳裏に浮かんでいて「無事に帰りたいな」なんてことばかり考えていました。それもまた旅! …いや、違いますね。

さきほど「マウンテンバイクからサドルとペダルを外したもの」と書きましたが、マウンテンバイクはサドルとペダルがあるから安定して漕げることが今回の経験でよくわかりました。

登って元の道に戻ることも考えたのですがマウンテンバイクのようにこげないし、押していこうにもときには道幅が靴一足分くらいしかないし。まさに「行くも地獄、退くも地獄」です。

ちなみにここ、スクーターではなくハイキングのコースです。「赤くてスクーターマークがついている標識を行く」は絶対厳守してください!

そんなこんなでたぶん30くらいは勝手に死闘を演じていたのですが…。

ついに未舗装ながらも「車道」に到達!

この瞬間マジで涙が出るほど嬉しくなりました。

この舗装道路を、スクーターを押しながら登っていけばいつかは正規ルートに戻れるはず…。

ありがたい、救世主が登場!

そう思っていたところに通りがかったのが一台のキャンピングカーです。別に両手を振ったりして合図を送ったわけではないのですが、私の精根尽き果てた様子を見て、目の前で停まり窓を開けてくれました。

そして「道、間違ってるよ。この車で正しいルートまで送ってあげるよ」といううれしい申し出。そしてスクーターもキャンピングカーの中に積んで連れて行ってくれたのです。

助けてくれたのはハンブルクに住んでいて、ここで休暇を過ごしているというドイツ人一家のベネディクトさんとアン・クリスティンさん夫妻と、レオンティンちゃん。

この旅いちばんの正義のヒーローとヒロインたち!

この家族にこの先いいことがたくさんありますように。

そしてドイツに住むベネディクトさんたちに直接何かをしてあげることはできない分、私も困っている人を見たら助けなきゃと改めて思いました。「親切が連鎖する世界」が理想です。

とにかく無事正規ルートに戻り、快走開始。でもすぐに雨が降ってきました。

あんなに晴れていたのに波乱万丈の数十分。…いや、9割がた私が勝手に波乱万丈にしちゃっただけですが。

ほぼ180度のカーブも頻繁にあります。

つづら折りというほどの頻度ではないのですが、逆に言うとその分スピードを出しがち。「急カーブサイン」を見たらきちんと減速しましょう。

道の右側に「急カーブサイン」の看板が見えますね。

それからこのあたりは電気自動車もたくさん走っています。音もなく対向車が現れることがあるので、180度の急カーブでなくても見通しの悪いところは要注意です。

心なしか牛にも笑われているような。笑

爽快な景色でした!

いや、本当に景色は改めて爽快でした!
すごく見晴らしのいいベンチもありました。

晴れていたらもっと景色がいいんでしょうね。…余計な時間を費やしたのは、はい、私です。

このころになると雨は止んでいたのに、スプリンクラーの水の中に突っ込むという余計なアトラクションが加わりました。笑

けどそれもまた楽し。笑

ここは左に下っていきます。
最後は村に入ります。

出発から1時間半後にベッテンドルフ駅に到着して、スクーターを返却しました。

「オフロード走行」という余計なアドベンチャーを勝手に加えたのと、少し雨宿りしたので1時間半かかりました。通常は40分くらいのルートだそうです。とにかく大満足のアクティビティです!

宿泊した高原ホテルもとってもよかったです!

さてこのアレッチアリーナ、山麓の鉄道駅あたりにホテルがたくさんあるのですが、各ロープウェイの中腹駅近辺も高原リゾートタウンになっています。私が今回3泊したのは「ベットマーアルプ(Bettmeralp)」中腹駅にある「ホテルベットマーホフ(Hotel Bettmerhof)」というホテル。

部屋も「山荘」というよりも「高原ホテル」という感じできれいです。

シャワーだけでなく、ヨーロッパでは珍しくバスタブもついていました。冬場はスノーリゾートになるのですが、冷えた体を温めるためかもしれませんね。

そういえば利用はしなかったけれどもサウナ室もありました。

朝夕の料理もオシャレでおいしかったです。
ホテルの前からの眺めも美しかったです。

きっと星空もきれいなのでしょうが、夏至前後に暗くなるのは夜10時。1日元気に遊びまくったあとではそのくらいの夜更かしもできませんでした。

次回はこの【スイス旅】シリーズの最終回。アレッチアリーナでの最後のアクティビティを紹介します。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

スイス政府観光局
https://www.myswiss.jp

アレッチアリーナ(「アレッチ地方」の公式紹介ページ。英語)
https://www.aletscharena.ch/en

アレッチアリーナのスクーターのページ(英語)
https://www.aletscharena.ch/en/planning-booking/offers-experiences/scooter

Hotel Bettmerhof(今回3泊した高原ホテル)
https://bettmerhof.ch/en

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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