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キャンピングカー・車中泊

2025.07.07

製造現場へ潜入! 人気の軽キャンピングカー「ミニチュアクルーズ」シリーズができるまで

製造現場へ潜入! 人気の軽キャンピングカー「ミニチュアクルーズ」シリーズができるまで
キャンピングカーの達人、伴 隆之によるニューモデル情報の一環として、今回は軽キャンパーの製造現場を取材。

ソト遊びの可能性を広げる空間作りへのこだわりを豊富な写真付きで紹介している。いつかキャンピングカーを手に入れたいと願う皆さんにとって、参考になること請け合いだ。
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1961年創業の自動車ディーラーからスタート

キャンピングカーとひと言でいっても、作り方を見るとさまざまな架装・製造方法があります。今回は軽キャンパーのなかでもバンコンのジャンルとなる岡モータースの「ミニチュアクルーズ」の製作現場に潜入。どのようにして車両が作られていくのか? その現場を紹介していきたいと思います。

岡モータース本社展示場(住所:香川県高松市勅使町630)

まずは岡モータースの歴史を説明していきましょう。岡モータースは先代の岡 隆義さんにより1961年に創業した歴史ある自動車ディーラー。1998年、現在の代表である岡 宏治さんへとバトンタッチし、2004年にキャンピングカー部門を創設。

バンテックやアネックスをはじめとした大手キャンピングカービルダーの車両販売を開始し、四国を中心にキャンピングカーライフのサポートに尽力していきます。

日本各地のビルダーと正規代理店契約を結んでおり、広大な展示場には常時約70台のキャンピングカーが展示されている。
岡モータースはフィアットプロフェッショナル、ハイマージャパンの正規ディーラーでもある。

その後、2011年には自社初となる軽自動車ベースのオリジナル軽キャンピングカー「ミニチュアクルーズ」を発表・発売。発売すると瞬く間に家具の作り込みやデザインの高さなどで話題を集め、「Cozy」「遍路」「SV」といったコンセプトの異なる派生モデルも誕生。

また、2021年12月に17年ぶりにアトレーがフルモデルチェンジを行うと、アトレーベースのミニチュアクルーズがラインナップに追加。

現在はミニチュアクルーズの姉妹モデル「ミニチュアボックス」やN-VANベースの「ミニチュアシマウザー」も仲間に加わり、軽キャンピングカーシーンをけん引するブランドのひとつとしてその名を広めています。

岡モータース代表取締役の岡 宏治さん。代表自らCADソフトを駆使してデザインをすることも。

そんな岡モータースはメガ・カーディーラーとして本社高松の展示場には数多くのキャンピングカーを取りそろえているほか、2024年4月に新工場「OMP高松空港ファクトリー」を新設。

今回はそんな新工場でミニチュアクルーズの製造工程を見学させてもらいました。では、さっそくどうやって車両が作られていくのか紹介していきましょう。

最新設備による高効率の生産体制と高品質を実現

ミニチュアクルーズシリーズの製造は大きく分けると下記の7工程になります。

①デザインおよび部材の選定

②内装部品の分解・取り外し 

③配線の下準備 

④家具の製作 

⑤家具の取り付け

⑥家具以外の機器の取り付け 

⑦最終チェック 

車両データをもとにCADソフトを用いて家具のデザインやレイアウトを企画・製作。

では設計室にて新型モデルや既存モデルの企画・開発やブラッシュアップなどが行われます。エブリイやアトレーなどのベース車両を3D CADデータ化し、家具や装備のレイアウトやサイズなど、設計・デザインされていきます。

自動車メーカーから届いたベース車が順次架装されていく。

新工場の外には自動車メーカーから届いたエブリイやアトレーなど、架装を待つベース車両がずらりとならんでおり、入庫した車両はまず内張りやシートなどが外され、断熱材や照明、走行充電システムや外部充電器、サブバッテリーといったキャンピングカーの基本となる装備を装着する下準備が行われます。

セカンドシートや荷室の内装トリムが外され、最初に電装システムなどの配線を取りまわししておく。
天井も取り外され、LED照明の取り付けや配線が行われる。
ミニチュアクルーズシリーズは天井断熱も施工される。

室内のトリムやシートを取り外すことで作業がしやすくなります。特に軽自動車はサイズも小さいため、これがなくなるだけで車内はずいぶんと広く感じられます。この状態で家具を取り付ける前に電装系の装着に必要な配線をあらかじめ取り回しておきます。

専用ブースではNCルータで家具を部材ごとにカット。溝や穴開けなどの加工もここで行われる。
カットされた部材はそれぞれの部位ごとに仕分けられる。
NCルータだと、写真のような複雑な曲線のカットも可能(写真はミニチュアクルーズ遍路)。

家具の製作は専用のブースがあり、NCルータという最新の加工機を使ってCADデータ通りに木材の断裁や穴開け加工を全自動で行います。この機械により複雑な曲線もカットでき、少しの誤差もなくそれぞれの部材が切り出せます。

さらに時短化になるとともに無駄なく切り出せるため木材の廃棄量を減らせるなどいいことづくし。カットされた部材は使用する家具の部分ごとに仕分けられます。

エッジバンダーを使い、家具の縁をモールディング。その後、ていねいに磨き上げていく。
モールディングにより、安全性と質感がアップ!

その後、それぞれの部材にエッジバンダーと呼ばれる専用機械を使って家具の縁をモールディング。このモールドが装着されることで見た目の向上だけでなく、傷がつきにくく、安全性も向上するなど機能性もアップしています。

これらカットとモールディングで家具製作の下準備ができ、いよいよ家具の組み付け工程に入ります。

職人により、ひとつひとつ家具が組み上げられていく。
右側のキャビネットがほぼ組み上がった状態。これを車内へ取り付けてから、キャビネット内に収まるスイッチや水まわりなどのパーツを付けていく。

岡モータースの家具類は「溝ほぞ接ぎ」と呼ばれる工法を採用しているのがポイントで、強度や耐久性をしっかりと確保しつつも車重増を抑えられるようになっています。走行中における家具のギシギシ音が出にくいよう工夫されています。職人により丁寧に家具の組み付けがされていきますが、NCルータを使うことでさらに組み付けが楽に行え、誤差のない仕上がりを実現しています。

ミニチュアクルーズはシリーズごとに家具の形状が異なるため、家具が組み上がったらモデル・カラーごとにストックされる。

組み上がった家具はクルマのボディに接触する部分にクッション材を取り付けて車内へ運ばれ取り付け。家具が車内に設置されたらスイッチやシンク、給排水タンクなどを取り付け、③であらかじめ配線を取り回しているので家具内へと配線を引き電装系の配線や水まわりやDC12V車載クーラーの配管などをして取り付けは完了。

ベッドマットのみ専門業者に製造を委託しているそうですが、それ以外の作業はすべて自社工場で行うこだわりぶり。

出来上がった家具を車内に取り付け。③の作業での配線を家具内へと引き出す。
サブバッテリーやDC12V車載クーラーといった電装パーツを組み付け。
シンクや蛇口、給排水タンクへの配管なども家具を取り付けてから装着する。

最後は注文仕様書を確認しながら営業担当者・製造担当者がそれぞれ検査する”ダブルチェック”を行い、クリアするとユーザーの元へと届けられます。

ひとりひとりの注文仕様書を確認し、仕上がりと動作確認など細部にわたるまで検査。

現在、ミニチュアシリーズはひと月で約15〜20台を製造。現在の納車は注文から約6カ月〜(モデル・仕様で異なる)となっています。

実際に見学してみて

今回、岡モータースの新工場を見学してみて、最新の製造機器を用いた無駄のない工程による作業効率の高さや、品質にこだわって1台ずつ正確かつていねいに作られている様子が大変印象的でした。

さらに、工場にいる職人たちのコミュニケーションも元気で明るく、活気に満ちあふれていることにも驚かされました。職人の年齢も幅が広く海外のエンジニアもいて、物づくりの現場としての雰囲気や熱気が自社の製品にしっかりと現れていると感じました。

物づくりに取り組む職人たち。上段右から服部さん、チウさん、ギアさん、織田さん、ティンさん、フンさん、下段右からビンさん、カンさん。

日ごろ見ることができない工場見学。機会があれば、ほかのビルダーの工場も紹介できればと思います。

問)岡モータース

伴 隆之さん

編集者・ライター

大学卒業後、自動車専門誌の編集者として勤務し、その後独立。1999年から2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。現在は旅やキャンピングカーを中心にアウトドアやオートバイなどの誌面や動画を製作。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタと日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。他誌にて全国のRVパークを巡り、その魅力を紹介中。

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