ゴールデンウィーク直前の25日は、シリウスの20倍の明るさの「明けの明星」が見どころだ! | 天体観測・星 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

天体観測・星

2025.04.21

ゴールデンウィーク直前の25日は、シリウスの20倍の明るさの「明けの明星」が見どころだ!

もうすぐゴールデンウィーク。明け方の東の空に注目です。キンキラの金星が昇り、近くに土星も見えます。見晴らしのいい場所でうまくすれば水星も見られます。

最大光度マイナス5等近い明けの明星

今年のゴールデンウィークは明けの明星と呼ばれる金星に注目してみましょう。特に観察のおすすめは細い月と並ぶ4月25日。未明3時頃に昇り、4時過ぎに10度くらいの高さまで昇ってきます。日の出1時間ほど前の4時半くらいには20度近くまで上がるので、この前後が見ごろです。

明るさはマイナス4.5等より明るくなります。全天でいちばん明るい恒星シリウスはマイナス1.4等ほど。その20倍くらいの明るさになります。もっとも明けの明星は、すぐ後ろに太陽が追ってきて常に薄明の中なので、時間との勝負です。

金星のちょっと南西側には土星が見えます。双眼鏡で見れば同じ視野に入るくらいの近さです。そしてやはり双眼鏡で同じ視野に入る月は月齢27と極細です。夜明け前は空気が澄んでいるので、夕方の三日月よりも地球照(地球からの照り返しを受けて月の影の部分がぼんやり見える現象)がきれいに見える可能性が高いです。

4月25日4時半頃の東の空。月、金星、土星が近い。水星も見えるかも。ちなみにこの頃の土星は「環の消失」の時期で望遠鏡を向けても環が見られない。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

25日の4時頃には水星も昇ってきます。東の空が開けた場所であれば、日の出の30分前くらいに見つけられるかもしれません。水星も太陽がすぐ後に昇ってくるので、観察できる時間は限られますが、金星、土星、水星と3つの惑星が見られるチャンスです。

金星があっという間に宵の明星から明けの明星になる不思議

読者の中には今年3月の夕方、西の空に輝く宵の明星を観察した人も多いでしょう。金星は夕方の空から姿を消したな、と思うのも束の間、すぐに明け方の空に出てくるようになります。

金星が「内合」と言って、太陽と地球のちょうど間を通過したのが3月21日でした。この日を境に、金星は宵の明星から明けの明星にスイッチします。4月に入るころには、日の出前に東の空に昇る金星を容易に探せるようになりました。それくらい宵の明星から明けの明星へのスイッチは高速なのです。

そして今後の金星の予定はというと、10月末くらいまで少しずつ位置を変えながら明けの明星として東の空にいます。その後、東の空でフェイドアウトしていって、次に西の空でよく見えるようになるのは来年の4月ごろです。明けの明星から宵の明星へのスイッチは約半年もかかるのです。

宵の明星が見ごろを終えてから明けの明星が見えるまでは1か月もかからない変わり身の早さなのに、明けの明星から宵の明星へのスイッチに何か月もかかるのはなぜでしょうか。

それは金星と地球の公転の仕方に理由があります。

A図は金星と地球が近づいてくる時期で、金星は宵の明星です。金星は徐々に地球に近づき、地球を追い越したと思ったら、すぐに地球から見て東の方角へ移動、明けの明星になります(下B図)。

一方、明けの明星から宵の明星への移行の間は、金星は地球から離れていく時期で、見かけの動きがどんどん遅くなります。そして地球から見ると、金星は何か月も太陽の方角になって見えません。太陽をぐるっと回ってくる分、再び西の空で見えるようになるまでに数か月〜半年もかかるのです。

ところで、金星の公転周期は225日と、地球よりも140日ほど短いです。そして8年間で5回、地球を追い抜きます。追い抜くたびに、宵の明星から明けの明星へのスイッチが見られるわけです。これが面白いことにほぼキッカリ、8年で5回なのです。

そのため、今年の金星の動きは、8年前2017年の動きとほぼ同じです。8年後の2033年にもまた同じような動きが見られるでしょう。

もうすぐゴールデンウィーク。早起きする日には東の空を忘れずに。金星、土星、うまくすれば水星も見られるかも知れません。グッドラック!

構成/佐藤恵菜

星空案内人 廣瀬匠さん

星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、2026年の天文現象の見どころと楽しみ方をまとめた『アストロガイド 星空年鑑2026』が発売中。。

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