世界遺産の洞窟探検!垂直洞窟に潜入だー【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2024.08.05

世界遺産の洞窟探検!垂直洞窟に潜入だー【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

世界遺産の洞窟探検!垂直洞窟に潜入だー【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
旅のプランの中で「ここがいちばんの楽しみ!」っていう場所、ありますよね? 「インスタ映えスポット」が人気の今、ある「絶対行きたい場所」を一ヵ所決めて、それに付随したプランを作る方も多いと思います。

どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。今回もドイツ南部・シュトゥットガルト近郊からお届けします。

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【ドイツ・シュトゥットガルトとその周辺旅vol.3】「小舟に乗って洞窟探検」のはずが…

さて私の中で今回の「シュトゥットガルトとその周辺旅」のメインイベントと考えていたのが「洞窟探検」です! 

とはいえ最初、「洞窟に入るんです」と聞いたときの反応は「ふ~ん」と薄め。だって日本は美しい鍾乳洞も含めて洞窟がたくさんある「空洞化大国」…いや、「洞窟大国」ですからね。汗

BE-PAL」で日本の経済構造批判をしてどうする、私?

でもなんとなんと「小舟に乗って洞窟探検」という話ではないですか! 日本に住んでいたとき一般公開されている洞窟にあちこち行きましたが、その中で小舟に乗った経験はありません(ニュージーランドでは一度「ワイトモ洞窟」という場所で乗って「土ボタル」を見ました。また行きたいな)。

というわけで意気揚々と向かったのは「ヴィゼナー洞窟(Wimsener Hohle)」です! ガイドさんによると年間6000人訪れる…というか6000人しか訪れない知られざる名所。

しかも21のトレイルもあってまさに「BE-PAL」で紹介するのにおあつらえ向きと考えていました。ちなみに「ユネスコジオパーク」にも認定されています!

だけど…着いてみたらこの通り。

増水で舟着き場の上にまで水があふれ出ている緊急事態。

洞窟内の水位も上がっているため、天井が低い入口でそもそも頭がつかえる状態。ということで小舟による洞窟ツアーは中止になっていました。

じつはこの旅を始める前に南ドイツ地方では土砂降りで河川も増水していて、ミュンヘンからシュトゥットガルトへの長距離鉄道も運休になるほどだったのです。

舟着き場近くにあった看板。どんなツアーなのかを紹介するビデオが流されていました。

本来的にはこんな感じで乗船できるらしいです。写真を見ただけで「♪これ絶対おもしろいやつ~」と歌いたくなりますよね?

ちなみに小舟のツアーは70メートル、所要時間10分ほどとのこと。そしてこの洞窟、その先も延々と続くのですが、別の入口からは「洞窟スキューバダイビング」もできるのだとか。

延々と続く洞窟を横から見た断面図。真ん中の下あたりにスキューバダイビング姿の人型が見えますね。

垂直の洞窟に水が溜まっているところがあってそこに水深はなんと60メートルだそうです。私はライセンスは持っていないですが、スキューバダイビングをする人にとっては夢の冒険ルートの一つと言えるのではないでしょうか! といくらあおったところで入れなければ意味がない。

まさに計画も水の泡! ぶぜんとした表情の柳沢有紀夫くん(頭脳は5歳)。

この「小舟ルート」も体験できなければ記事にはなりません。というわけでスゴスゴと帰りましたとさ。おしまい。…いや、話はこれでは終わらないのです!

「世界最古の美術品」が発見された洞窟へ

翌日、我々海外メディアツアー一行は別の洞窟に向かいました。「ホーレフェルス(Hohle Fels)」という場所で、41000年前くらいにマンモスの象牙から作られた「ホーレフェルスのビーナス」という人形などが見つかった場所です。これは「世界最古の美術品」と言われているとのこと。

ちなみにこのあたりは「シュヴァーベンジュラにある洞窟群と氷河期の芸術」という世界遺産の一つです。もう一つついでに書くとドイツはユネスコ世界遺産が20246月現在52ヵ所もある「世界遺産王国」なのです(日本は25ヵ所)。

これが「ホーレフェルス(Hohle Fels)」洞窟の入口。

さっそく入ってみましょう。空間はかなり広いです。

かなりの人が入れたでしょうね。

ここでは「ホーレフェルスのビーナス」以外の様々な美術品や、マンモス、ホラアナグマ(約24000年前に絶滅した巨大なクマ)の骨などが発見されたとのこと。

ちょっと「超巨大生物に食われている人間たち」みたいに見えないですか?

そしていよいよ地下55メートルの世界へ

この「ホーレフェルス」という洞窟が様々な発見のある考古学的にも貴重な場所であることは確かです。ただアウトドアやアドベンチャーという観点からすると、「BE-PAL」で紹介するにはちょっと物足りない部分もなきにしもあらず。

というわけで3日目に向かったのが「ライヒンガーティーフェンホーレ(Laichinger Tiefenhohle)」という名の洞窟です。「Laichinger」というのは「ライヒンゲン(という街)の」、「tiefen」はドイツ語で「深さ」、「hohle」は「洞窟」という意味。ってことは「深い洞窟」?

入口には小屋が立っています。っていうか背後にも洞窟の入口らしきものが見あたりません。その衝撃の理由とは…。

そう、じつはここ、「垂直方向に下がっていく洞窟」なのです。洞窟って普通は(多少の登り下りはあるにしても)「水平移動」じゃないですか。でもここは急な階段をほぼ垂直に下がっていく珍しい洞窟なのです!

最初に入る部屋はちょっとした博物館になっていて、洞窟のなりたちなどがわかります。

ここでご対面できたのがさきほどの洞窟で紹介したホラアナグマの骨格標本。個体差もかなりあるようですが、最大で体長3メートに達したというからヒグマレベルのでかさ。

こうした洞窟はこのあたりに無数にあるとのことですが、一般公開しているのは13ヵ所。そして垂直方向に進む洞窟はここだけだそうです。1930年代に開業。年間3万人ほどが訪れるとのこと。なかなか盛況です。

ちなみに洞窟の多くは11月からイースターくらいまで公開停止になるのだとか。コウモリが穴で冬眠するからだそうです。

さてここでガイドさんからクイズが出ました。「洞窟で壁画がたくさん見つかる理由はわかりますか?」。正解は風が吹かず、湿度や温度が同じで劣化しづらいからとのこと。

そんな説明を聞いたあと階段を下がります。

ただしここはまだ建物の中。

そしていよいよ洞窟へ!

と思いきや、もう一つ展示室。これは洞窟を横から見た図。

そのあとドアを開けて、また階段。

いよいよここから洞窟がスタートです!

最初のほうは明るく、階段の傾斜もそれほど大きくないのですが…。

すぐにこんな急こう配になります。

なんと55メートル下まで降りるそうです。

洞窟内はきちんと照明がついています。

どんどん下がっていきます。ご機嫌な「体は大人、頭脳は子ども」くん。

高度をどんどん下げながら、頭の中でループ中の曲は中森明菜の「DESIRE」。いや、落ちているわけじゃないし、降りているだけで。まっさかさまでもないし。

絶対にまっさかさまに落ちたくはないですね。

足元は滑りやすいので、ちゃんと手すりを持っていきます。

ようやく最深部に着きました。あっさり書いているけど結構な道のり。

私の後ろで妙にテンションが高いのは香港人のカレンとアメリカ人のマロリー。今回のプレスツアーのメンバーの中で「私の自撮りに入ってくる率」がいちばん高かった陽気な2人。

最深部での集合写真。

いやいや、本当に貴重な体験、いや探検気分を味わえました!

さて別ルートで地上に戻ります。で、気づいたのですが55メートル降りてきたということは55メートル登るということ。そして55メートルはマンションの17階くらい!

と書くとかなりきつそうに感じますが、登山だとしたら低山もいいところ。笑

水が流れる壁面もあります。

床もかなり水っぽいところが多いです。特に階段では滑らないように注意して進みます。

海綿動物の化石だそうです。すごくザラザラ。

こういう洞窟などでは基本的に「触るっちゃダメ!」というところが多いと思うのですが、ガイドさんは「どうぞ触ってみてください」と言ってくれます。

最後のほうの壁面がぼつぼつになっているところがありました。

ガイドさんによると「ポップコーン」と呼んだりするそう。

でも私には皮膚病に見えました。あと「集合体恐怖症」のみなさん、載せてごめんなさい!

どこまで続くかわからない穴も。スマホやカメラを落としたら一巻の終わりですね。

さてここで2泊したホテルもサクッと紹介しましょうかね。「Bio-Hotel und Restaurant Rose」です。

泊ったのはレストランがある「本館」とは道を挟んである「別館」。

部屋一つひとつの特徴が違っていて、私が泊ったのはここ。

本当に様々な洞窟を体験しました(1つは体験できなかったけど。涙)。ドイツがこんなに「洞窟王国」だとは知りませんでした。無知でお恥ずかしい限りです。穴があったら入りたいです。…おあとがよろしいようで。笑

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

ドイツ観光局

http://www.germany.travel/

私が書きました!
オーストラリア在住ライター
(海外書き人クラブ)
柳沢有紀夫
1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係。

 

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