ヒマラヤツーリング!の前に立ちはだかった高山病【38歳女芸人・橋爪ヨウコの爆夢旅その4】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2024.01.29

ヒマラヤツーリング!の前に立ちはだかった高山病【38歳女芸人・橋爪ヨウコの爆夢旅その4】

ヒマラヤツーリング!の前に立ちはだかった高山病【38歳女芸人・橋爪ヨウコの爆夢旅その4】
どうも。私の名は橋爪ヨウコ、38歳。身体は熟れているが、女としても芸人としてもなかなか売れずにいるお笑い芸人である。

そんな私が大型バイクに乗り始めて数年。ふと「でけぇ山を走りたい!」と思い立ち(前記事をご覧ください)様々なトラブルに見舞われながらも、インドにある標高3650mの街「レー(Leh)」に到着。ここから夢のヒマラヤツーリングを開始する予定!…だったのだがどうも体調が悪くなってしまった…。

高山病になってしまったのである。

高山病になってしまったときの対処法って…なんだ?

誰しもが、標高が高く酸素濃度の低い場所に急激に移動した際に起こりうるのが「高山病」。私も日本で低酸素トレーニングに励んでみたり、標高の高い山を走ってみたり、高山病予防薬の〝ダイヤモックス”を飲んだりと、出来る限りの準備をしてきたつもりだったが、飛行機で到着してすぐなってしまうとは…。予想だにしていなかった。

「うぅ…私は何しにインドに来たのか…」

まさか高山病になるとは思っていなかったあの頃…。

このままではツーリングどころの話ではない。ホテルのベッドに横たわってみるが、少し動くだけで吐いてしまうスーパー“マーライオン状態”。せっかくインドに来たというのに、カレーの匂いも受け付けないほどに体調がどんどん悪くなっていった。

もういっそこのまま「インドのマーライオンとして生きていこうかな?そういう人生もあるかもしれない…」と思うほど止まらない吐き気。すぐさま、今回のヒマラヤツアーに同行してくれる陽気なインド人ドクターに診てもらうことになった。

「すごく気持ち悪くて…」
『大丈夫大丈夫!』
「これ、高山病ですかね…」
『大丈夫大丈夫大丈夫!これ飲みなさい!』

と「薬」と「大丈夫」を沢山渡された。そしてとにかく寝ること。水を1日6リットル飲むことを勧められた。

高山病の症状は人それぞれだという。「頭痛、ふらつき、食欲不振、吐き気や嘔吐、疲労」など様々な症状があるらしいが、私の場合は「あなたの高山病はどこから?」「私は吐き気から!」だった。

ここで高山病を経験した私が、インドの高山病の専門医から出来るだけ高山病にならない為に教わったことを少しお伝えしたい!

※ちなみに…体質もあるし症状も様々なので一概には言えないのだが、これが最低限自分で出来る高山病予防だった。高山で体調が悪くなった方はすぐ下山する事をオススメしたい。私は吐いてしまったものの症状的には軽度だった為、それ以上標高を上げずに休んで高地順応できた。

とにかく水分を取ること(最低1日6リットル)

レー空港でもらった、小さすぎるペットボトル。

「え!多くない?」と思ったそこのあなた!
私も行くまで知らなかったのですが、標高が高いと何もしなくても身体の水分が蒸発していくので脱水症状になるのだ。なので私はすぐ水分を取れるように、スポーツドリンクを入れたドリンクバックを背負って生活した。(日本からスポーツドリンクの粉も持参)

3食必ず食べること

私は元から一日一食でも大丈夫なタイプだったのだが、ヒマラヤではちゃんとエネルギー切れでまったく動けなくなった。体調が悪くて食べられないのは仕方ないとして、お腹が空いてないから食べないというのは絶対NG。標高が高くなればなるほど、呼吸するだけで体力消耗し、高山病にもなりやすくなるのでエネルギーチャージが必須。私は常にエネルギーバーをポケットに忍ばせ、必ず朝昼夜、食べるようにした。

標高が高くて持参した食料がパンパンに!

とにかく寝ること

私が高山病になってしまった理由として、前日トランジットの為に滞在したインドのデリーが、夜中までデモをしていたので騒音で眠れなかったこと。睡眠不足になってしまったのが一番の原因だったようだ。

ただ、就寝時は自然と呼吸が浅くなり酸欠になるため、人間は防御本能として高地では熟睡出来ない身体になっているらしい。でも睡眠不足だと高山病になりやすい…「じゃぁどうしたらいいんだよー!!」とヒマラヤ方面に向かって叫びたくなるが、私はちょこちょこ起きて水分を取り、深呼吸をしてから寝る、というのを繰り返した。

そして、酸素が薄くなるにつれ呼吸の仕方も変えていった。《大きく吸い込んで5秒かけて大きく吐くこと》を意識。それでも苦しい時は「ひっひっふーひっひっふー」とラマーズ法もオススメされた。

高山病でぶっ倒れてから2日が経過。涙涙のスーパーマーライオン女だったが、身体が高地に慣れてきて徐々に復活。…ついに!夢のヒマラヤツーリングを開始する事になったのだ。
パチパチパチパチ!(盛大な拍手。ありがとう)

やっとのヒマラヤツーリング。本番初日から…過酷すぎんか!

夢のヒマラヤツーリング、スタート!

元々のスケジュールでは、

◆レー1日目
【高地に身体を慣らすための休息日】
◆レー2日目
【ヒマラヤに向けての練習走行日】
◆レー3日目
【ヒマラヤツーリングへGO!】

と決まっていた。残念ながら2日間寝込んでいたので練習走行には参加出来なかったものの、3日目のヒマラヤツーリング本番にはギリギリ間に合う事が出来た。

これから夢のヒマラヤツーリングが始まる!ワクワクドキドキと胸をトキめかせているとまさかの事実を聞かされることに…。

「今日は、標高5602mにある、車とバイクで通れる世界一高い峠を目指します!」

……え?すぐに?この病み上がりで?

「あと今から行く峠は、標高が非常に高く身体への負担も大きい。滞在時間は長くて15分です。すぐ下山しましょう!」

一気に怖気付く私。

いや、夢だったんですよ?ヒマラヤツーリングが。でも徐々に行くと思うじゃん?いきなり世界一の峠を攻めるとは思わないじゃん?

今まで「いけるいける!」とノリとテンションで気持ちを保っていた私も、標高3650mで高山病になってしまった今。誰よりも腰が引けてしまったのである。

そんな〝世界一標高の高い峠”という言葉にビビってしまった私に、私の中のアントニオ猪木さんが「行けるのか?おい!」と語りかけてきた。

《この道を行けばどうなるものか》

でも道もガタガタだし…病み上がりには過酷すぎるというか…

《危ぶむなかれ。 危ぶめば道はなし。 踏み出せばその一足が道となる。 》

私行けますかね…?

《迷わず行けよ行けば分かるさ……》

気づいたら『ダーーーー!!!』と拳を高く突き上げていた。

1・2・3、ダー!!!

私は何にビビっていたのだろうか。夢のヒマラヤツーリングが目の前にきている。これほど嬉しい事はないじゃないか。心の中の猪木さんのありがたいお言葉に背中を押されながらヒマラヤツーリングを開始した。

車もバイクも猛スピードで突っ込んでいく

「これって道なの?」と道の概念を忘れさせるほどのガタガタ道がつづく。ヒマラヤはほぼ90パーセントがオフロード。とにかく体力が必要だった。

そして何より驚いたのが「交通ルールなんてありませんよ!」という車やバイクが車線も信号も守らずに、猛スピードに走っていくことだった。病み上がりの身体にはかなりキツかったが、必死に食らいつきながら標高5602mの峠を目指した。

「4000m、4500m、5000m」とどんどん標高高くなるにつれ、どんどん呼吸がしづらくなっていった。そうだ、ここで教わっていたアレをやってみよう!!

「ひっひっふーひっひっふー!!」

人生初のラマーズ法をまさかの出産!ではなく…標高5600m越えの車やバイクで走れる世界一の峠で使うことになるとは。

「ひっひっふーひっひっふー…ひっひっふー!!!」

そんなラマーズ法に助けられながら走ること6時間。ついに!標高5602mの車とバイクで走れる世界一標高の高い峠に到着したのである。

「やっと着いた!……って寒い!!!」

真夏でも雪が溶けないヒマラヤ山脈!

必死に登ってきたせいか全く気づかなかったが、周りを見渡すと氷河の山々だった。とにかく寒かった。息が白くなるほどの寒さと、世界一の峠を走ってきた達成感で満たされ、昨日までぶっ倒れていた女とは思えないほどの笑顔で記念撮影をした。

もっとじっくり標高5600m越えの山々を肌で感じていたかったが、身体の負担が大きすぎるということで、滞在時間15分で下山することに。

その間に同じツアーに参加している方々が、

「すごいすごい!」「病み上がりなのにここまできた!」「すごいよ!」「気をつけて帰ろう!」と沢山声をかけてくれたのも嬉しかった。

キツいのは皆同じはず。それなのにこんなにも優しい言葉をかけてくれる。氷河にも気づかないぐらい、いっぱいいっぱいになっていた自分が恥ずかしくなった。来世は「マーライオンではなくこんな優しい大人になりたい」と心から思った。

そこから数時間かかり無事下山。初日の走行時間は11時間。病み上がりにしては相当ハードだった気もするが、無事ケガなく走り切ることが出来た。

ここからヒマラヤを10日間ほどかけて走る。初日で世界一の峠を攻めたからこれ以上大変なことをないだろう!と思っていたのだが、これはまだ序奏にすぎない、ということをこの時はまだ知らなかった…。

果たして、38歳の身体は大丈夫なのか??ヒマラヤツーリングはまだまだ始まったばかり。

《迷わず行けよ行けば分かるさ……》

ダーーーー!!!(拳を天高く突き上げ中)

次回もお楽しみに! 

私が書きました!
こじらせハスキー
橋爪ヨウコ
1985年生まれ、群馬県出身。お笑いコンビ「こじらせハスキー」として活動中。10代からずっと夢だった大型バイク(スポーツスターXL883N)に乗り、 バイクYouTube【ようこそ!づめちゃんねる】(https://youtube.com/@user-ly2dd5sf5p?si=hMfVM7GwFunikwA4)にてツーリング動画を定期的にUP中。雑誌BE-PAL連載「お笑い清掃団が行く」の団員。

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