「海洋温度差発電」って知ってる?日本のエネルギー問題の切り札になるかも | ナチュラルライフ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2023.08.04

「海洋温度差発電」って知ってる?日本のエネルギー問題の切り札になるかも

発電コストの面で不利な離島。ところが、離島だからこそ有利な発電方法があるという。その名も海洋温度差発電。日本が世界に先行する発電技術が、沖縄県の久米島にあった!

離島の厳しいエネルギー問題

久米島にある沖縄県海洋温度差発電実証設備。実証実験から1MW級の発電施設での発電コストは29.7円/kWhと算定されている。

発電に使える資源が少なく、海外からの輸入に頼るほかない日本。再生可能エネルギーの拡充も図られているが、発電量に占める割合はどうにか2割を超えている、といった状況だ。

離島は本土よりさらに状況が厳しい。発電にはディーゼル発電機が用いられることが多くコストも高い。離島の多くで、発電で得られる利益より発電コストのほうが大きくなっている。

「海洋温度差発電」とは?

そんな離島での発電方法として注目されるのが「海洋温度差発電」だ。従来の発電方法より環境負荷が小さいと考えられ、出力も安定しているという。

火力発電では燃料を燃やして水を蒸気にし、その勢いでタービンを回して発電するが、海洋温度差発電では、タービンを回す役割を代替フロンなどが果たす。代替フロンは水と比べて低い温度で気化するので、海の表層水程度の温度でも液体から気体へと変化させられるのだ。

表層水の熱で気化してタービンを回した代替フロンは、冷たい深層水で冷やされて再び液化する。このように、海の表層と深層の温度差で発電するのが海洋温度差発電の基本原理だ。

表層と深層の温度差で発電。最適地はどこか?

表層水と深層水の温度差が年間平均で20度C以上の地域が海洋温度差発電の適地。日本では沖縄周辺や小笠原諸島が該当し、国内のポテンシャルは離岸距離30㎞以内で5952MWと算定されている。沖縄県の離岸距離30㎞以内でのポテンシャルは2797MWと算定され、これは現在の沖縄県の発電量を上回る。

最新の試算では10MW級の海洋温度差発電所を作った場合の発電コストは20.7~26.3円/kWhと考えられており、これは2020年現在の石油火力コスト(26.7円/kWh)よりも小さくなる計算だ。

沖縄県の久米島の実証施設は9年間運用され、技術開発の面で日本は他国に先んじる形だ。

離島の地理条件に合う海洋温度差発電。沖縄の離島から、環境負荷の小さい発電方法が広まる未来が来るかもしれない。

久米島では水深612mから深層水を採水。この深さの水温は1年を通じて水温は8〜9度Cほど。表層水との温度差を利用して発電する。

清浄な深層水は養殖に活用

清浄な深層水は、特産の海ブドウなどの養殖にも使われる。今夏には、発電に使った海水で陸上養殖されたマガキの発売が開始!

※構成/藤原祥弘 撮影/草村写真館(プラント)、久米島海洋深層水開発(海ブドウ)、ジーオー・ファーム(マガキ) イラスト/近常奈央

(BE-PAL 2022年8月号より)

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