一時期は2等星並みに暗く。「いよいよ爆発か」と心配され続けたオリオン座のベテルギウスが…明るい!? | 天体観測・星 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

天体観測・星

2023.12.21

一時期は2等星並みに暗く。「いよいよ爆発か」と心配され続けたオリオン座のベテルギウスが…明るい!?

一時期は2等星になってしまったベテルギウス

1212日に小惑星レオーナによる超レアな食で話題になったベテルギウスですが、実は今年、ベテルギウスはずっと注目の的でした。なぜなら、明るいのです!

ベテルギウスは2019年後半から大減光を起こして注目されていました。「そろそろ超新星爆発を起こすのでは」という言説が多く流れ、天文ファンの間でも心配されたものです。それが今年はずいぶん明るく見えます。

もともとベテルギウスは400日程度の周期で明るくなったり暗くなったりする変光星です。星自体が大きくなったり小さくなったりを繰り返し、膨らむと冷えて暗くなり、縮むと熱くなって明るくなる変光星です。

これまでは0.5等級前後で推移していることが多かったのですが、2019年の後半からどんどん暗くなり、20202月には1.6等級まで下がって、「2等星」になってしまいました。

赤い色をしたベテルギウスは恒星としての寿命が近いことが知られています。いつ爆発してもおかしくないと言われてきました。それが2019年の大減光を向かえて、「いよいよ爆発か?」と心配されたのです。

2019年から2020年にかけてのベテルギウスの表層の画像。大減光中の2020年3月(右から2番目)。2020年4月に明るさを取り戻した(右)。Credit:ESO/M. Montargès et al.

その後、減光は止まり、徐々に明るさを回復。再び緩やかに明るくなったり暗くなったりを繰り返し始めたのですが、20234月には0.2等級まで明るくなりました。オリオン座のもうひとつの1等星リゲルの明るさが0.1等級ですから、ほぼ同じ明るさまで達したのです。

いったいあの大減光は何だったのか? 超新星爆発ではなかったのか? と、不思議に思っている天文ファンも多いでしょう。

現在のところ、研究者の間では「あれは超新星爆発の兆しではなかった」と見られています。大方の見方では「ベテルギウスが膨らんだときに表面から大量に放出されたチリが雲のようになって光を遮ったのではないか」。このようなことは超新星爆発が差し迫っていなくても起こるということです。

変光星を写真に撮って観察してみよう

面白いのは、ベテルギウスの明るくなったり暗くなったりの傾向が、4年前の大減光後に変化しているらしいことです。

ベテルギウスの周りには、おうし座の1等星オレンジ色のアルデバラン、ふたご座の1等星ポルックス(1.1等級)など比較対象にできる星がたくさんある。オリオンの右肩の星はベラトリクス1.6 等級。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

もともと変光星は、いつどのように明るくなり、暗くなるのか予想が立てにくく、どんなに天文学が進んでも正確に予測することができません。だからこそ、実際の観測が重要になります。アマチュア天文家による長年の観測記録も重宝されます。特定の変光星を集中して観測するアマチュア天文家もいます。

明るさを比較するには、写真に撮るのが一番おすすめです。スマホでも十分です。オリオン座の中には1等星(0.1等級)のリゲルがありますし、ベテルギウスはオリオンの右肩ですが、左肩にはベラトリクスという2等星が光ります。ベラトリクスは2等星の中でも比較的明るく、1.6等級なので、ベテルギウスが1.6等級まで暗くなった頃は、「文字通り肩を並べた」などと騒がれました。

ともあれ、今年のベテルギウスは明るいです。この明るさはどこまで続くのか? 次はいつ減光するのか? この冬も見守っていきましょう。

構成/佐藤恵菜

私がガイドしました!
星空案内人
廣瀬匠
星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、2024年の天文現象の見どころと楽しみ方をまとめた『アストロガイド 星空年鑑2024』が発売中

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