【写真家・角田明子さんに聞く:後編】山岳民族の村で体験した、自然に親しむライフスタイルと素敵な手仕事

2016.03.16

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気鋭の写真家としての活躍のかたわら、『REGENBOGEN』という小さな旅の写真集シリーズを個人で制作し続けている角田明子さん。インタビューの後編では、その『REGENBOGEN』シリーズ最新刊の取材のために訪れたタイ北部の街チェンマイの魅力や、旅の写真によって伝えていきたいと感じていることなどについてお話を伺いました。

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——角田さんがチェンマイに興味を持つきっかけになったのは、チェンマイ郊外の孤児院「バーンロムサイ」のスタッフの方が作った、山岳民族のテキスタイルを使った財布だったとおっしゃっていましたが、そのバーンロムサイの施設にも行かれたんですか?

角田明子さん(以下角田):行きました。バーンロムサイでは、敷地の隣に「hoshihana village(ほしはなヴィレッジ)」という宿泊施設を運営されていて、映画「プール」の舞台にもなった素敵な場所なんですけど、魅力的な分とても人気で、ロイクラトンの時期は予約が取れませんでした。それで泊まるのはあきらめたんですが、今回私たちの旅に協力してくれた知人が、「バーンロムサイさんに連絡できるから、とりあえず行って見学させてもらおうよ」と、繋げてくれたんです。そうしたら、施設の中をいろいろ案内していただいて、子供たちにも会わせてもらえて。HIVに母子感染した孤児たちを保護する施設ということで、設立当初はなかなか地元の理解が得られなくて大変だったそうなんですが、だんだん軌道に乗ってきたというお話を伺って。本当にきちんとした活動をされている団体でしたね。

バーンロムサイ
http://www.banromsai.jp/

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——チェンマイに興味をお持ちになったきっかけが旅の中での取材にもつながって、得難い経験になりましたね。山岳民族の村には?

角田:カレン族の村で、天然の藍染めと黒檀染めのワークショップをされている方がいて、そのワークショップを見学させていただきに行きました。ご家族でやってらっしゃって、その日は息子さんが藍染や織物の歴史をいろいろ教えてくれて、こうやって染めるんだよと実演して見せてくれました。綿を紡いでいるところとか、それを染めていく工程とか。ほかの山岳民族の村も巡って、すごく細かな刺繍をおばあさんがやってらっしゃるのも拝見しました。『REGENBOGEN』ではその国のライフスタイルとハンドクラフトを紹介するというテーマがあるので、実際に見せていただけてよかったです。やっぱり、素敵なものに魅力を感じるのは、それを作っている方の思いがこもっているからだと思うので。

http://www.murawata.com

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——ものづくりという視点で見ると、今までに『REGENBOGEN』で取材してきた他の国々と相通じる部分はあるでしょうか。

角田:これはマイナスな話ですけど、どこの国でも言われるのが、作り手が減ってきているということです。現地で暮らす若い人たちは、伝統的なものづくりの良さや大切さに気付いていないことも多いんですよね。あまりにも身近すぎて、古臭いものだと思ってしまって。そこに、私たちのような外部の人間から注目されることで、「このものづくりは実はとても素敵な仕事なんだ」と現地の人たちが気付いてそれを守り続けてくれたらいいな、と。藍染も刺繍も、本当に魅力的なんです。この色使いや模様はいったいどうやって生まれるんだろう、と感動しました。

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