小豆島を一周する時にベストな方法は? 時間、手段、見どころを伝授! | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2019.11.18

    小豆島を一周する時にベストな方法は? 時間、手段、見どころを伝授!

    壮大なテーマです。

    なぜなら、小豆島はほとんどの皆さんが想像しているよりもはるかに大きい島なのです。一周するといってもどんな方法で周るのでしょうか?  車やバイク、それとも人力(徒歩か自転車)もしくは、バスと人力を組み合わせるのでしょうか?

    もし車やバイクならもちろん一周するのは簡単です。主要道路を海岸に沿って走り続ければ3時間くらい、中心部の山の方や各半島の先までくまなく走っても約4、5時間で周れます。
    ただし、これは休憩せずに、観光にも立ち寄らず走った場合の時間です。車やバイクがない場合、お隣の豊島や直島のように「まずは自転車でくるっと一周~♪」なんて、オシャレでかわいい女子のノリではいられません。さらに、小豆島には見どころが本当にたくさんあり、場所によって雰囲気も全く違います。よほど走ることだけを目的にされている方じゃなければぜひゆっくりと、2・3日はかけて周ってもらいたいと思います。

    移動は車が一番おすすめ

    では家から車などで来ない場合、どういった方法で周るのがおすすめか?

    それでもやはり、島でレンタカーを借りるのが一番です。一人だと割高ですが、それでも行きたいところへ自由に行ける魅力があります。もしご家族連れや複数での旅行ならまずはレンタカーをご検討ください。島北部にある大部港(おおべこう)以外の港で借りられます。土庄にはレンタバイクができるところもあり、スクーターを借りることもできます。

    変わったところでは、なんとゴーカートや電動自動車レンタルもあります。特にゴーカートで公道を堂々と走れるところは全国でもわずか。もちろんこの2つは走れる範囲や時間に限りがあるので一周とはいかないですが、一部を周るのに取り入れても面白いですよ。

    公共交通機関でも、楽に島内を楽しめる

    秋の寒霞渓

    次は、当然ながら公共交通機関を使う方法、すなわち、小豆島では路線バスです。

    島の東西を行く運行ルートの他、東海岸や北海岸、さらには各半島を周る便もあるため時刻表はなかなか複雑・・・。慣れるまでに少し時間がかかりますが、どこまで走っても最高300円、一日券は1000円、2日券は1500円で買えるので一番安く周れるのは確かです。

    ただ、一番走っている路線でも30分~1時間に1本、当宿の場所になると1日に4本。それでも走ってくれるだけマシで、小豆島3大観光地の一つでもあるのに寒霞渓行きのバスは、繁忙期以外は土日しか走らないうえに冬季は運休です。また、主要路線でも最終は土庄港20:30発です。宿泊する場所と、どうしても行きたい場所がある場合は、最低でもバスの本数くらいは調べておくと安全です。

    それでも朝から動けば、バスで小豆島を一周することは可能です。でももう少し自由に動き回りたい方は、「HELLO CYCLING」という、どこで借りて返してもOKという電動自転車のレンタサイクルを使いましょう。サイクルスタンドは島中の港や主な観光地にあるのでこれは本当に便利。長距離移動はバスで、着いたらその周辺は自転車で周ってまたバスに乗る、ということもできますし、行けるところまで自転車で行って疲れたらバスに乗る、ということもできます。

    電動自転車なのでバッテリーの残量と、返却する時にスタンドに返却の空きがあるか、ということだけ気をつけておきましょう。

    ◎HELLO CYCLING 小豆島
    https://www.hellocycling.jp/h_island/

    HELLO CYCLING

    試しに、小豆島一周の体験にお連れします!

    では周り方がざっくり見えてきたところで、小豆島をぐるりと周ってみましょう。今回はやはり一周、というイメージにこだわり、海岸線を反時計回りに行くルートに絞ってご紹介していきます。

    【草壁港〜東海岸】

    小豆島は東西南北に港があるのでどこからでも周り始めることができますが、今回の出発は草壁港からにします。

    草壁港を出たらまず右手に走り、近づいていくと味のある古い建物や醤油の匂いがしてくる、醤の郷(ひしおのさと)へ。私は「この匂いだけでご飯が食べられる!」といつも思います。この地域では、明治時代に建てられた醤油工場やもろみ蔵が今も現役で活躍しています。主要道路は交通量が多い上にきちんとした歩道がないので、歩きや自転車の時は注意が必要です。

    見どころは主要道路から中に入ったところ。小豆島で唯一の日本酒造「森國酒造」のある通りも雰囲気がいいですし、「馬木(うまき)散策路」や「苗羽・醤油蔵通り散策路」には、近代化産業遺産に登録されたお醤油屋さんなどが立ち並んでいます。合間に見られる野菜畑やオリーブ畑なども眺めつつ、のんびりと歩いて散策しましょう。

    この後は東海岸へ。近道したい方は少しだけ戻って橘トンネル経由でも行けますが、海を堪能したい方は坂手港の前を走ってそのまま海岸線へ行きましょう! 地元の人に人気の瀬戸の浜で泳いだりのんびりしたり。その後、大角鼻(おおすみのはな)灯台周りでもいいんですが眺望はそれほど良くないので、瀬戸の浜の後まっすぐ東に抜けましょう。その後はきれいな海を真下に眺めつつ、快適な走行を。(あんまり下ばっかり見てるとイノシシが急に出てきたりします。注意!)

    橘トンネルの出入り口となる橘集落を通り過ぎると、「南風台・希望の道」と書かれた場所にでてきます。少し先には小さい島が。ここは、エンジェルロードの東海岸版。こちらも引潮の時だけ道が現れ、この小さい城が島に渡ることができます。
    ただしエンジェルロードより水深が深いようで、毎日渡れるわけではありません。それを知らずに行った時、干潮MAXの時間でも水が満ち満ちていて諦めたことがあります。その分なんだかエンジェルロードよりご利益が大きい気もするので、ぜひとも大潮の時を狙って行ってみてください。

    その後は東海岸をまっすぐ気持ちよく走っていきます。内海湾と違ってばーーんと開けていている海は解放感に溢れ、お天気の日には淡路島が見渡せます。自転車の方はアップダウンの連続ですが、がんばってまいりましょう。

    もう1つ南側と違う点は、小豆島の北東側には採石場が多くみられる点です。大阪城拡張・修築工事の時に石垣石を切り出した場所が見られたり、天狗岩丁場跡では歩いて少し散策もできます。ロッククライマーたちには有名な拇指岳(おやゆびだけ)や吉田の岩場もあったりして、ゴツゴツした男っぽい感じの山がたくさんあります。吉田の岩場の目の前には設備の整った温泉つきのキャンプ場があり、島でもイチ押しのアウトドアスポットです。
    さぬき百景の福田海岸まで来たら、福田港は目の前。姫路からのフェリーが行き来している様が見られます。

    【北海岸〜土庄町】

    北海岸へ出ると、広大な採石場があって荒涼とした景色がしばらく続きますが交通量も少なくて走りやすい道です。広々と開けた海の向こうには本州が見えます。

    キャンプ場もある小部地区を抜け、久しぶりに大きめの集落に出たな、と思えば大部地区です。岡山の日生港と繋ぐ大部港があります。

    こちらではぜひ、小豆島霊場第八十番の子安観音寺へお参りを。名前のとおり子授・安産・子育てのお寺ですが、とても明るい雰囲気のお寺で本堂の天井には色とりどりの花が描かれています。また、「うどんの寺」としても有名で、なぜかというと昭和の時代に三度も火災に遭ったそうですが沢山の方々のお力添えで建て直すことができ、その御礼返しとして参拝者にうどんのお接待を始めることにされたとのことです。

    温かい気持ちでお寺を出て、引き続き海岸線をしばらく進むと、土庄方面へ抜ける近道との分岐に出てきます。この道を行くと途中に大観音や笠ヶ瀧や千枚田やら・・色々あるのですがやはり、忠実に海岸線を周りましょう。

    千枚田

    そうすると、北海岸から左に曲がり、いよいよ西海岸に入ったところに「沖之島」が見えてきます。「小豆島という島にすでにいるのに島の話?」と思うかもしれません。

    そうです。瀬戸内海には何千という島があり、無人島も多く小豆島の周りにもいくつかあるのですが、この沖之島は有人島で、小豆島の沿岸から渡し船で渡れます。所要時間約3分。漁師さんが多く住む島で、歩いて周ることができます。

    さてさて、ようやく小豆島最大の町、土庄町へやって参りました。記事も息切れしそうになってきましたが、最後まであとひと踏ん張りいたします。

    世界一狭い海峡、土渕海峡を渡って土庄の西へ行きましょう。ご存じでしょうか。小豆島の西の端っこ、単に半島の一つのように見えますが、実は島なのです。何本かの橋でつながれているので島と一体化していますが、その間にほっそーーーーいながらもれっきとした海峡があるのです。これが、世界一狭い海峡。ギネス登録もされています。

    この西側の名前は「前島」。さっきの沖之島とは比べるまでもない、有人も有人、ここにきて初めてみる大型スーパーやチェーン店などもあります。土庄町にいると島にいる実感がほとんど沸きません。

    土庄港の前を通って、西海岸へ。ここでぜひ立ち寄っていただきたいのは重岩(かさねいわ)。少し足場の悪い道を上りますが、上った先には一瞬目を疑うような光景が。夕陽の時間は特にキレイですが、ムードにひたるのはほどほどにして帰りは暗くなる前に降りましょう。

    西海岸の海もまたキレイです。くるっと周ると広大なオリーブ畑が見え、そこを過ぎると観光客で賑わう鹿島ビーチ、そしてかの有名なエンジェルロード。このあたりには大型ホテルが立ち並んでいます。

    その左手方向には、妙に細いトンネルや妖怪の壁画が描かれた路地が見えます。導かれるように入ってみましょう。

    ただし、その先は「迷路の町」。車で下手に入ると危険ですので、車の場合は近くに停めて歩いて散策しましょう。かつて海賊を迷わせて逃げるために作られたといわれる迷路のような街には古くからの建物が残っています。カフェや和菓子屋さんなどもあり、今までずっと海を見てきたのでここでちょっと気分転換。

    【土庄町〜草壁港】

    いよいよ島一周も大詰めです。土庄町を抜け、ついに島の南側へ戻ってきました。池田港と高松を行き来する船の上にはキリンかゾウが乗っていてとてもかわいいです。そんな光景を見た後にまた内陸へ行く分岐が出てきますがここはまっすぐ三都半島へ。この三都半島の海は島の中でも特にキレイで青々としています。少し距離はありますが、西海岸を走って半島一番先の釈迦ヶ鼻園地まで行ってみましょう。春は桜がキレイに咲いていますし、海岸へ降りると白い浜が長く続いています。

    三都半島でもう一度海を堪能したら、東海岸を北上してオリーブ園へ。ややこしいのですが、私立のオリーブ園と公立のオリーブ公園の2つが並んであるのですが、魔女の宅急便のホウキで写真を撮りたい方は公立のオリーブ公園の方へ。

    終点の草壁港へはそのまままっすぐ海沿いを走れば着くのですが、実はまだ行ってない半島が一つあるのです。オリーブ公園から海を挟んで対岸に見えるこの半島、先端には二十四の瞳映画村があって、映画も観られますし懐かしい学校や町風景を楽しめます。でもまた同じ道走りたくないし・・という方。オリーブ公園の前のオリーブビーチから渡し船で映画村まで渡ることができます。車だと30分はかかる距離がたったの10分。ほぼ波のない穏やかな海を小さな船で渡るのはまたとっても気持ちいいですよ。

    小豆島一周達成!

    お疲れ様でした! 小豆島一周達成です。長かったですねー。何度か海岸線から少しだけ横道にそれようかと思いましたが、それを始めると全く収まりきらなくなってしまいます。今回はあくまで海沿いに徹してみました。

    これだけ盛りだくさんなので、やはり小豆島を一周しながらあちらこちらを楽しむのなら、最短2泊はするのがお勧めなのですが、西側と東側、北側と南側、といったようにいくつかに分けて泊まるのもいいですよ。キャンプできる場所もたくさんあるのでテントを持参して気に入ったところで泊まるのも楽しいです。
    そして何度でも訪れて、皆さんお気に入りのスポットや過ごし方を見つけてくださいね。

    私が書きました!
    ゲストハウスオーナー
    アイエアナロン範子
    ゲストハウス「Sen Guesthouse」を夫婦で経営。香川県出身。ニュージーランドのホステルで働いてから、世界中の旅人が「自分の家」のように帰ってきてくれるゲストハウスを将来作りたいなぁと大阪のゲストハウスで修行した後まずは松山で6年半ゲストハウスを開き、Senの第二幕として小豆島へ移ってきました。四国から、関西・本州・世界に近い立場として、もっともっとディープな四国ファンを増やしていこうと思います。
    Sen Guesthouseホームページ https://www.senguesthouse.com/about-us-jp

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