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WIND from ONTARIOこちらから動画も楽しめます
WIND from ONTARIO~森の海、水の島~
by Tomoki Onishi
撮影・文/尾西知樹
トロント在住のフォトグラファー、マルチメディア・クリエイター、カヌーイストでサウナー。オンタリオ・ハイランド観光局、Ontario Outdoor Adventuresのクリエイティブ・ディレクターを務める。カナダの大自然の中での体験とクリエイティブを融合させたユニット magichours.caを主宰。
#29 Ancient Voices -古(いにしえ)のことば-
100mもの岩壁がそびえる細長い氷河湖。巨大な氷河がこの岩壁に沿って大地を削りながら進んだ様子は、想像に難くない。カヌーで近づくと、約13億年前に形成されたカナディアンシールドの岩盤が、幾重もの巨大なレイヤーとなって見る者を圧倒する。岩壁は水面下にも続き、湖の最深部は約145mもある。
古より〝Mazinaw〟と呼ばれるこの大岩は、精霊へのメッセージが記された岩という意味があり、260以上のピクトグラム(岩絵)が描かれている。
現在では、“Bon Echo”と呼ばれ、フランス語で言葉がよく響くという意味の自然保護区で、キャンプエリアとなっている。
岩壁の一画には詩人ホイットマンの詩の一節が刻まれる。“I know the amplitude of time.〟(わたしは悠久の時の広がりを知っている……)で締めくくられている。人類がここに辿り着く以前から存在するスピリッツに対しての敬愛の念が感じられて、とても素敵だ。
何億年も昔から現在に至るまで、紡がれてきたレイヤー(Voice)が重なり、壮大でシンプルなモノリスとなって、静かに語りかけているように感じる。
カナダは建国160年ほどだが、ここは何億年とつながる悠久の圧倒的な存在を肌で感じられる稀有な場所だ。

グレートクリフと呼ばれる大きな断崖が横たわる様は、巨大なモニュメントのようで神秘的。

カヌーで近づくと、様々なピクトグラムを確認できる。先住民もカヌーに乗って描いていた。

赤いオーカー(鉱物)で描かれたピクトグラム。先住民文化では、赤は生命や大地の象徴だ。
(BE-PAL 2026年11月号より)




