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CINEMA 01
退役兵と愛犬の揺るぎない絆、大自然との容赦ない戦いを描く
『ハート・オブ・ビースト』
(配給:東和ピクチャーズ・東宝)
●監督/デヴィッド・エアー
●脚本/キャメロン・アレクサンダー
●出演/ブラッド・ピット、J・K シモンズ、アンナ・ラム
●全世界同時公開中

どこまでも続く雄大なアラスカの風景。道路の真ん中で、義足をつけたシェパード犬がこちらをにらみつける。その一週間前。退役軍人ジェームズと先の犬が、飛行機で湖上に降り立つ。人けのない森でひとりと一匹、テントに寝泊まりし、夜は焚き火を眺めながら静かな時間を過ごす。嵐が近づき、テントを撤収。〝魔の領域(ハート・オブ・ビースト)”の上空、アクシデントで奥地に不時着。荒野から100㎞、生きて帰るための戦いが始まる──。
フライフィッシングを楽しんだり草原でじゃれ合ったり、幸せそうなジェームズと愛犬の姿に目を細めるうち、彼らは戦場で心に深い傷を負ったままとわかる。けれどジェームズは特殊な訓練を受けた身で、そのスキルと経験と頑丈な体と不屈の精神で絶望的状況に対峙。ブラピの本気な役づくりや犬の名演もあって、異様な没入感を味わうことに。
軍隊だけが人生で天涯孤独な男が、なぜ生きることを諦めないのか? その真意を思ってまた泣けてくる。
CINEMA 02
サクラマスの生態を凝視。流域と社会の在り方を問いかける
『サクラマスのラストワルツ』
(配給:一般社団法人 Whole Universe)
●監督・構成・編集/坂本麻人
●監修/森田健太郎(東京大学大気海洋研究所 教授)
●10/9~アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

川で生まれたヤマメの一部が海へくだり、サクラマスとなって川へ帰る。そんな生態を通して森、川、海、そして人とのつながりを見つめ直すドキュメンタリー。
桜の季節、産卵期に身にまとう深い紅色、遡上するときの驚異的ジャンプ、命がけの産卵を経て息絶える姿。まずは色鮮やかな映像で、その美しさを捉える。
そこに綴られるのは、学者や現場を見つめる専門家の言葉。気づけば地球温暖化や生物多様性の喪失、過疎の問題と、さまざまな問題へ思いをはせることに。
※構成/浅見祥子
(BE-PAL 2026年11月号より)




