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CINEMA 01
なぜ、どうやって? 心と体の限界に挑む超人ランナーの記録
『フォー・トレイルズ 限界を超えてゆけ』
(配給:ザジフィルムズ)
●監督/ロビン・リー
●7/10~ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

総距離298㎞、獲得標高1万4,500mを制限時間内に走り切らねばならない「香港フォー・トレイルズ・ウルトラチャレンジ」。60時間以内にゴールすると「完走者」、72時間以内なら「生還者」の称号が。過去の完走者と生還者のみが招待された2021年、スタート地点に立つのは18人の猛者。果たして結果は? 50時間の壁は破られるか?
2日徹夜して高低差ある山道を含む約300㎞を走る。観客は、信じられない! と息をのんで見つめることに。4つのコース間のみサポートクルーとドライバー(各1名)がいる以外、水や食料の調達を含めて原則自力。地下鉄やフェリーも使い、ゴールとなる緑色のポストを目指す。
コースを細かくわけてエクセルで計画を立てるエンジニア、内省を深めてとにかく諦めない心理学者と、ランナーの個性もいろいろ。香港にこれほどの自然が!? という驚きもあって、先の読めない展開に釘づけ。
目的は勝敗ではなく、自分との戦い。「全力を尽くしたと心から思えた」と微笑むランナーに、ぜひ自分も! とは思えないが、憧れの気持ちでいっぱいに。

CINEMA 02
懐かしくも美しい。バルセロナ郊外、ある土地での暮らし
『よき谷の物語』
(配給:コピアポア・フィルム)
●監督・脚本・編集/ホセ・ルイス・ゲリン
●ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開中

Los Films de Orfeo © 2025
開発から取り残された陸の孤島、バルボナ地区では、異なる文化や生活スタイルの移民が共に暮らす。井戸水を使い、川で遊び、ヤギやニワトリを飼い、野菜を育てる。夕方の風に吹かれて近所の人とおしゃべりし、ギターにのせた歌声はやがて陽気な大合唱に。どこか懐かしい暮らしを楽しむ人びとの姿、そこに鉄道増設計画が持ち上がる──。
よき谷の暮らし、その記憶の集積のような点描が、ドキュメンタリーの枠を広げて物語性をはらみ、豊かな時間を生み出している。
CINEMA 03
100%地産地消! 奇跡の学校給食は如何に実現したのか
『身土不二~日本一の学校給食と有機農業~』
(配給:ミカタエンターテインメント)
●監督・撮影/安孫子亘
●7/31~アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

’80年代から有機農業に取り組んだ福島県喜多方市、旧・熱塩加納村。地元の有機野菜と米で子供たちを育てたい! と、地産地消率ほぼ100%の学校給食が実現した──。
土づくりに始まり、愛情をこめて野菜を育てる農家、脱添加物を徹底した栄養士、調理の手間を厭わない調理師、学校や地域の人びと。
彼らを動かしたのは圧倒的熱量を持った、ある先駆者の力。行動する人たちならではの、静かな説得力を持つ言葉の数々が染み入る。その給食、食べてみたい!
※構成/浅見祥子
(BE-PAL 2026年8月号より)




