北海の水は冷たい!そして風が強い!それでも多くの人が海にやってきます。
いったいどんなことをしているのでしょうか?オランダ流、北海の楽しみ方をご紹介します。
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海風を浴びながら、優雅に過ごす
北海はイギリス、北欧、ヨーロッパ大陸に囲まれた海。海水温は夏でもおよそ17℃、冬にはおよそ6℃とその名の通り冷たい海です。私は学生の頃に住んでいた福井県でダイビングをしていたのですが、10月に入って海水温が20℃を下回るとウェットスーツを着ていてもちょっと寒いなぁ…と思っていたくらい。実際オランダの海で最初に水に浸かる時は、毎回かなり意を決して「ヒェッ」と思いながら、その冷たさに慣れるという感じです。

そんなわけで、海岸にたくさん人がいても海水浴をしている人はそこまで多くありません。それよりも海風を浴びてリフレッシュしたり、日光浴を楽しんでいる様子。海辺を眺めると砂浜に大判のタオルを敷いたりパラソルを広げたりして、のんびり過ごす人たちがたくさん。昼寝をしたり読書をしたり、その横で子どもたちは砂のお城を作ったりと、過ごし方は人それぞれです。


また主要な海水浴場にはビーチカフェと呼ばれる飲食店が並んでいて、とても素敵な雰囲気のテラス席がたくさん設けられています。そこで海の風を感じながら、カクテルやビールを一杯、というのもオランダ人の夏の楽しみ方の定番。ビーチカフェは夜も営業していて、夕日が沈む頃から海にやってくる人たちも。

ビーチカフェの横にはちょっとした小屋が建っていることがあります。実は砂浜に建つコテージなんです。一日中海風を浴びてリラックスし波の音を聴きながら過ごせるということで、毎年なかなか予約が取れない宿泊施設です。

ひたすら海岸線をウォーキングする
オランダの海岸線は約400kmほどあるのですが、日本に比べて長い砂浜が続いているところが多くあります。ここをひたすらウォーキングするのも海遊びのひとつ。海水で湿った砂の方が歩きやすいため、ちょうど波打ち際のあたりを歩く人たちが遠くまで見渡せるほど。それにしても皆さんいったい何キロくらい歩いているんでしょうね。オランダの自然保護協会のホームページにはさまざまなウォーキングルートが紹介されているのですが、海辺のルートも2㎞くらいのものから25kmのものも紹介されていました。特に海岸と町の間に砂丘があることも多く、それらも含めた変化のあるウォーキングルートが人気のようです。

ちょっと余談ですが、この長い海岸線ならではのおもしろい商売があります。それがこれ。

なんと砂浜を走る移動販売トラクターです。ビーチカフェはおしゃれなレストランといった感じなのですが、ここではフライドポテトやフィッシュフライなどの軽食、アイスクリームが販売されています。ドドドッーとトラクターがやってきて、停まったところでお店がオープン。カランカランと販売を知らせる鐘が鳴るとお客さんが続々と集まってきます。そこでしばらく営業をすると、またドドドッーと砂浜を走り次のエリアへと向かっていきます。

のぼり旗がついたカートを押して歩いてきた人がいました。これも何かのお店なのかなと思っていたら、バナナボート体験の受付デスクでした。

集まった人たちが受付を済ませライフジャケットを着ていると、海にはバナナボートをけん引した船がやってきました。しばらくこのあたりで営業をしていた後、またカートは砂浜を、船は海を次のエリアへと移動していきました。どちらも長い沿岸を移動しながら営業しているスタイルがおもしろいですね。
北海に流れ着くものは
さて、ビーチコーミングという言葉をご存じでしょうか。海岸に打ち上げられた漂着物を探したり、観察したりする自然体験活動の一種です。私も子どもの頃は貝殻やシーグラスを集めたり、福井に住んでいた時は大陸からの外国語が書かれた漂着物にドキドキしたり、コウイカの甲羅やらウニの殻やら集めて楽しんでいました。そんなわけで北海沿岸ではどんなものが拾えるんだろう!と思っていたのですが、これが案外拍子抜け。海藻は少なく、似たような大きさや形の二枚貝ばかりです。でもオランダの砂浜にめちゃくちゃ多いのがこれ。

マテ貝です。でもこの破片は薄くて鋭く、はだしで歩くとケガをしてしまうこともしばしば。オランダ語では「Scheermessen(スヘールメッセン)」と言い、かみそりという意味です。オランダ人はあまり食べないのですが、主にスペインやイタリアなど魚介類を多く食べる国に輸出されているそう。日本でもオランダ産マテ貝が売られているようですよ。
と、私の北海ビーチコーミングはちょっと期待外れだったのですが、調べてみるとZandvoort(ザントフォールト)という町にビーチコーミング博物館がありました。訪れてみたところ、多種多様な漂着物が盛りだくさん!貝殻やカニの甲羅といった生物の他、氷河期時代にこの地が陸地だった頃のマンモスの化石、第二次世界大戦時の兵士たちの持ち物、NASAロケットの破片、漁網やブイ、プラスチックごみの数々、そして瓶に入れられた手紙の中身などなど。小さな館内に所狭しと並べられていました。場所や季節、天候などを選べば、北海でもビーチコーミングが楽しめそうです。
またオランダ南部の方では海岸でサメの歯の化石が拾えるということで行ってみたこともあります。私が拾えたのは数ミリサイズの小さいものでしたが、おもしろい体験でした。

北海は風が強い!
さて北海の特徴は低い水温の他に強い風があります。でもこの風や波を活かして、サーフィンやカイトサーフィンが楽しめるんです。サーフィンといえば南国と思っていた私には、まさかオランダでできるとは驚きでした。私の子どもたちもサーフィン教室に通ったり、夏休みのサーフキャンプに参加したことも。夫は今年の夏も波がいいとサーフボードを車に積んで北海に繰り出していたのですが、私はどうしても北海の冷たくて濁った水ではそういう気分になれず…。家族の中で唯一「北海サーフィン」未経験です。

サーファーがたくさんいる海は、さらに風が強くなるとカイトサーフィンでいっぱいになります。広い空にたくさんのカイトが舞う様子は、圧巻の光景でした!

またランドヨットと呼ばれる風の力で砂浜を走る車のアクティビティもあります。なかなか機会がないのですが、いつか挑戦してみたい遊びの一つです。

北海ならではのアザラシウォッチング
さてここからは砂浜からちょっと海に繰り出して。北海にはゼニガタアザラシとハイイロアザラシが生息していて、アザラシウォッチングができます。日本でも数年前に「オランダのアザラシ幼稚園」こと、Zeehondencentrum Pieterburen(ピーテルブーレン・アザラシセンター)が話題になりました。親とはぐれてしまった赤ちゃんアザラシや、けがをしたアザラシを保護して野生に戻す活動をしている施設です。同様の施設は他にも国内に数カ所あり、お互いに協力して迷子のアザラシが発見されると最寄りの施設が保護に向かいます。

同施設では保護したアザラシを野生に返すリリースツアーも実施しています。一度参加したのですが、船で陸から離れた砂州までアザラシを運び、そこで海へと返す作業を参加者みんなで手伝いました。


南部のゼーランド州でも船に乗ってアザラシを見に行くツアーがあります。1903年に建造された古い小さな帆船に載って自然保護地区をめぐるツアーに参加した時には、野生のアザラシたちがゴロゴロとしている様子を見ることができました。

ちなみにゼーランド州の海には牡蠣がたくさん繁殖していて、なんと自由に採集することもできるんですよ。以前ご紹介したのでよかったらぜひこちらもご覧ください。
最後にこれは番外編!毎年1月1日正午にオランダ各地で、Nieuwjaarsduik(ニューイヤールスダウク、直訳すると新年飛び込み)という寒中水泳大会が行われます。見ているだけで寒いし、参加者もほんの一瞬水に浸かってすぐ戻ってくるのですが、これがもうお祭り騒ぎで大賑わいのイベントなんです。つめたーい北海を最も満喫できる機会かも?






