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ビーパル小僧の「野遊び」自由研究 第2回 ご近所漢方薬

クワ、ヨモギ、オオバコ、ドクダミ、ヒナタイノコヅチ、ビワ、タンポポを干した乾燥ブーケ。煎じてお茶に!
教えてくれる先生
365日野草生活 のんさん
身近な植物の楽しみ方をSNSや観察会を通じて発信。一年に100回ほどのワークショップを催行する。新刊の『見る・食べる・楽しむ まいにち野草』(大和書房)が好評発売中!

「身近な草にも生薬に使われる草がたくさんあるんですよ!」
教えてくれたのは「365日野草生活」の屋号で野草の楽しみ方を発信するのんさん。野草を常食していたら、アスリートでもないのに骨密度が常人の1.3倍になり、健康診断はオールAになった逸話をもつ。
「私は漢方の専門家ではないので薬効は語れませんが、たしかに作用を感じる草はあります」
「漢方」とは中国から伝来した医療技術の体系のことで、漢方で薬に用いられる天然由来の素材が「生薬」と呼ばれる。
植物は種類ごとに蓄える成分が異なり、この成分が摂取した人に作用する。成分の種類や量によって薬にも毒にもなる。
「飲むとなんとなく元気になるもの、トイレが近くなるもの、お腹が下るもの……。正の効果も負の効果もあります(笑)」
そういうとのんさんはあたりをひとめぐり。30分で20種ほどの草を集めた。
「ね! 身近にもあるんです。でも簡単だからとたくさん採るのは禁物です。採集も法的に問題ない場所で行ないましょう」
作用が強い草もあるから一般的に利用されている草木以外は摂取をおすすめしない、とも。
「薬効を期待するより、その草のひとつの側面が生薬である、くらいの感覚でほど良くお付き合いすると良いと思います!」
ご近所漢方薬の作り方
1 調べる

2 洗って干す

3 煎じる

4 飲んでみる!

身近なフィールドにも毒草は生えているので種の同定は念入りに。「お茶として利用するときは、採集物を雨の当たらない場所で干して、低温で焦がさないよう煎る。飲むときは少量から試してみて」
【旨!】クズ/葛根・葛花

漢方では根塊を葛根、花を葛花として利用。葛根は風邪に葛花は二日酔いに効くとされる。春先の伸びたばかりの新芽は天ぷらで美味。
ヤブカラシ/烏瀲苺

全草及び根を叩いた粘液が打ち身や虫刺されなどに効くとされる。「とにかくアクが強い。茹でたものを何度水替えしてもアクが出る」
スイカズラ/忍冬、金銀花

茎と葉が忍冬、花が金銀花。「葉をお茶にするときれいな青緑色が出る。やや苦みがありぬるっとした口当たり。花はやや甘みがある」
ノイバラ/営実

「実が便秘に効き利尿作用がある……とされるけれど、試さないほうがいい生薬の筆頭です。お腹が下るし、おいしくもないですね」
【旨!】クワ/桑白皮、桑葉、桑椹

根の皮、葉、実がそれぞれ生薬。利尿や鎮咳作用があるとされる。「葉のお茶はさわやかで飲みやすい。実は生で食べるのがおいしい」
ハコベ/繁縷

写真はウシハコベ(定番はコハコベとミドリハコベ)。「口内ケアに効果ありとされていて、江戸時代は歯磨き粉の素材に」
ギシギシ類/羊蹄根

写真はナガバギシギシ。生薬として用いられるのは根。飲むと便秘の改善に、生の根をすり下ろして塗ると皮膚病に効果があるとされる。
オオバコ/車前草

葉は咳止めと去痰、種子は利尿作用があるとされる。「葉をお茶にするとまろやかでコクがある。若葉はルッコラみたいな味」
【旨!】ドクダミ/十薬

漢方の世界では端役だが民間薬として人気。「葉を煎じたお茶はおいしいし地下茎も炒めて食べると美味。採集適期は花が咲く直前」
ユキノシタ/虎耳草

葉のしぼり汁はかぶれに消炎効果があり、葉を煎じたものは鎮咳の効果があるとされる。「肉厚な葉は油と相性がいいので炒めて!」
タンポポ類/蒲公英

写真はセイヨウタンポポ。利尿や消炎に効果があるとされる。「日差しを遮って葉を軟白化させると食べやすくなる。にがおいしい!」
イノコヅチ/牛膝

写真はヒナタイノコヅチ。干した根には利尿、鎮痛の効果があるとされる。「若葉を天ぷらにすると海苔天のような味わい!」
ヨモギ類/艾葉

「干してお茶に。ヨモギは複数の種類があるけど、それほど気にせず利用しています。団子や佃煮にしてもおいしいですね」
【旨!】シソ/蘇葉

効能は発汗、解熱、健胃……とされる。「シソの効果はみなさんもご存じのとおり。葉を取ったら枝をお風呂に入れて薬湯に!」
【旨!】ビワ/琵琶葉

漢方では鎮咳、民間療法では汗疹に効果があるとされる。「葉を煎じたお茶が文句なしのおいしさ。甘みもある。作用もマイルド」
チガヤ/茅根

利尿、止血に効果があるとされる。「サトウキビに近縁で花穂が若い時期に根元を吸うと甘い。万葉集でも詠まれています」
カキドオシ/連銭草

採集の適期は花が咲くまで。「お茶にすると低血圧の人には合わず、高血圧の人には合うから、血圧に作用する成分があるのかも」
【旨!】クコ/枸杞子

実が目に良いとされる。「疲れたときに若芽を食べるとおいしいと感じるし、疲れた人ほど好む。疲労回復の効果があるのかも?」
ツユクサ/鴨跖草

「茹でるとちょっとホウレンソウに似ている。茹でて砕いて濾した汁がきれいな青緑なので、私はシフォンケーキの色づけに使います」
※フィールドには毒草もあるので、信頼できる図鑑で確認し、迷ったときは絶対に口にしないように。また、体質などによっては体に合わないこともあるので、気分が悪くなったりかぶれたりした場合は使用をやめましょう。
※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一
(BE-PAL 2026年8月号より)




