千葉県市川市の江戸川放水路で、兄家族とハゼ釣りを楽しみました。約3時間の釣果は、なんと7人で80匹。楽しかった釣りのあとは、もうひとつのお楽しみ=釣った魚を食べる時間が待っています。
釣り好きで、食べることも大好きな兄に、下ごしらえから調理方法までコツを教わりながら、小さなハゼたちを料理しました。
「ハゼって、こんなにおいしい魚だったんだ」と知った、まさに2度おいしい初夏の食卓のお話です。
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釣ったハゼを持ち帰っておいしく食べる

先日、千葉県市川市の江戸川放水路で、兄家族と2家族で楽しんだハゼ釣り(釣行の話はこちらで)。釣れたのは、初夏らしい小さなデキハゼが中心。体長4〜8cmほどのハゼが77匹。そして、越冬して少し大きくなったヒネハゼが2匹。そこに、なぜか混ざっていたイワシが1匹。合計80匹でした。
帰宅後は、みんなでご馳走の下ごしらえから。
デキハゼの下ごしらえと、から揚げの作り方

「こんなに小さくて、どうやって食べるの?」と思うかもしれませんが、これこそ初夏のハゼ釣りの醍醐味。小さなハゼたちは、ウロコと内臓をサッと取るだけで下処理は完了。数が77匹と大量なので、みんなでキッチンに並んで作業を進めました。
兄が頭を落とし、お腹を裂く係。息子たちは、内臓を洗います。ワイワイやる時間は、ファミリーフィッシングの愛おしい延長戦です。
まずは下ごしらえと、から揚げの作り方から。
(1)頭を落とし、お腹を裂いて内臓を洗う


80匹となるとけっこうな作業になりますが、みんなでやれば楽しい時間です。
(2)あら塩を振り、手でこすってウロコを取る

(3)片栗粉をまぶす

ハゼをザルに戻し、まな板の上にキッチンペーパーを敷いた兄は、何回かザルごとゴンゴンと振っていました。これで余計な片栗粉が取れるのだとか。

(4)油で揚げる


1度揚げなら、ふっくらジューシーな食感に。2度揚げすればサクサク骨まで食べられます。
現地調達した材料も。ハゼ料理の付け合わせを作ってみた

江戸川放水路でハゼ釣りをしたなら、忘れずに買って帰りたいのがホンビノス貝。これは北米からやってきた外来種ですが、今や東京湾の名物としてすっかりお馴染みに。
アサリやハマグリと違って砂抜きが不要で、肉厚で旨味もしっかり。釣りから帰ったあとでも簡単に一品を作れます。
ホンビノス貝の酒蒸し

作り方は、貝を鍋に入れてから刻んだニンニクをドサッと。オリーブオイルを回しかけて、白ワインを注ぎます。蓋をして約5分。貝の口が開けば完成です。簡単すぎるのに美味しすぎる!
残った出汁は捨てずに、〆のパスタにしました。

野菜の天ぷら

せっかくハゼのから揚げを作るなら、油は無駄にしたくありません。そこでサラダ油が汚れる前に、野菜の天ぷらを作りました。

完成。いただきます!

ハゼを中心にした、素敵なご馳走が並びました。
揚げたてのハゼは、サクサクッとした軽い歯ごたえのあとに、ふんわりとした白身の甘さが広がります。2度揚げしているので骨もまったく気にならず、丸ごとスナック感覚でいけちゃいました。子どもたちも「おいしい!」と手が止まりません。

自分たちで釣ったからこそ、1匹も無駄にせずおいしくいただきます。これがわが家の食育です。
旬を味わう江戸前ハゼの奥深さ
季節ごとのハゼをどう楽しむか。ここからは、釣り好きで食べることも大好きな兄に教えてもらった、少し上級者向けのハゼ料理のお話しです。
兄いわく、ハゼ料理のおもしろさは、「魚の大きさや季節によって、楽しみ方が変わるところ」なんだそう。今回釣ったような小さなデキハゼは、から揚げがぴったりでしたが、秋に向けて大きく育ったハゼなら、また違った味わい方ができるとか。いろいろなハゼの料理法をご覧ください。
1.天ぷら

ハゼが10cmを超えたころからは、ふっくらした身を楽しめる天ぷらがおすすめ。クセのない白身だからこそ、衣をまぶして揚げることで甘さが引き立ちます。
2.刺身

ハゼは冬に向けて急成長します。刺身にすることで、淡白ながらもモチッとした心地いい食感と上品な甘みが出るそう。
3.昆布締め

たくさんのハゼが釣れたときに、上品なお刺身だけでは途中で飽きてしまうこともあります。そんなときは、さらにひと手間かけて昆布締めにしていただきましょう。

「寿司だったら香りが移る程度に締めるだけだが、つまみにするので強めに締める。すると、水分が抜けてちょっと硬くなる」と兄。噛めば噛むほど凝縮されていたハゼの旨味がしみ出し、日本酒が止まらなくなる絶品のつまみになるそうです。
4.糸造り
さらに、もっと大きなハゼが釣れたときは、刺身にしたハゼの皮をひいて美しい糸造りにします。

糸づくりとは、サヨリやキスなど、身が薄くて平づくりにできないものの切り方だそう。
兄は、魚の皮も簡単には捨てません。
5.皮焼き

カリッとした食感と皮の脂の旨味で、これもまた立派な一品料理になるのだから、ハゼという魚のポテンシャルには脱帽です。なにより食べることが大好きで、体格のいい兄。彼の大きな手から、繊細な料理が次々生まれていく様子は、いつ見てもおもしろいものです。
6.一夜干し
「ハゼは淡白な魚だから、どうやって水分を抜いて、旨味を凝縮するか、そこがすべてなんだと思う」と兄。時間が水分を抜いてくれる一夜干しを作りました。


お刺身、昆布締め、そして一夜干し。
「江戸前の職人たちがハゼをさまざまな技法で仕込んできたのは、まさにその旨味を閉じ込める引き算の美学なんだ」という兄の言葉に深く納得しました。
7.ハゼの卵の塩漬け


ハゼの卵を丁寧に塩漬けにして、からすみのようにしたハゼ子。それを「チビチビとかじりながら、熱燗をキューっとやる」と兄。想像しただけで、次の秋冬の釣行計画を立てたくなってしまいます。
ただし、そんな卵を持った巨大ハゼを釣るには、普段の江戸川放水路を飛び出し、東京湾の最奥部にある三番瀬付近あたりまで繰り出さなければいけないそう。兄いわく、昔は手漕ぎボートで挑む猛者もいたそうですが、秋の湾内は波も風も強く危険すぎるのが現実。そのため、最近は大きな釣り船(乗り合い船)で出かけるのが一般的な釣り方のようです。
ちなみに、私たちが今回遊んだ江戸川放水路では、ハゼは大きくなっても18cmくらいまで。これが宮城県塩竃(しおがま)あたりまで遠征すると、なんと25cmクラスの化け物ハゼが釣れるそう。いつかキャンピングカーを北へ走らせ、その巨大ハゼを刺身や天ぷらに、そしてハゼ子も作って堪能したいものです。

命のことを考え、感謝しながら美味しくいただきました
今回、自分たちで釣った魚は、自分たちの手で丁寧に料理していただきました。
おいしく味わうことはもちろん、その魚がどこから来たのか、どうやっていただくのかを考える、魚の命と向き合う貴重な時間となりました。




