魚介料理を得意とするS(エッセ)清水明完シェフに、代表的な釣魚「アジ」を使って基本の三枚おろしと、簡単なイタリアンレシピを教わりました。アジ以外の魚でアレンジもOKです。
まずは三枚おろしを覚えよう!
どんな魚もおろしかたの基本は一緒。ウロコをひき、エラと内臓を取ったら身をはずすだけ!
1.ウロコをとる

ヒレをハサミで切り取ったら、包丁の刃でウロコをこそげ取る。アジはゼイゴも一緒に切り取る。
2.ワタとエラを抜く

肛門からハサミを入れて内臓を引き出したら、エラの両端に切り込みを入れ、エラを取り出す。
3.頭をはずす

内側をよく水洗いし血合いを取ったら、胸ビレの脇に切り込みを入れ、頭を切り落とす。
4.中骨に沿って腹と背に切れ目を入れる

腹に切り込みを入れ、それに添って中骨まで切り込む。向きを変え、背側も同様に。
5.尾から中骨に沿わせて身をはずす

尾のほうから包丁を入れ、身をはずしていく。包丁を前後に動かしながらゆっくりと。
6.腹骨と中骨をはずす

引っくり返して反対側も同様におろしたら、腹骨を削ぎ落とす。大きい骨も毛抜きで抜くといい。
7.三枚おろしの完成

二枚おろしの骨を外したのが三枚おろし。骨は捨てずに、出汁を取るといい味が出る。
アジの彩りカクテルサラダ

青魚特有のにおいがあるので、セルフィーユやディルなど、爽やかなハーブで和えると好相性。酸味の効いたサッパリ味で、気分爽快!!
【材料】(2人分)
アジ…半身
パプリカ赤、黄(乱切り)…各1/16個分
ミニトマト赤、黄(半切り)…各2個分
ブロッコリー(塩ゆで)…2房
タマネギ(スライスして水にさらす)…1/10個分
イタリアンパセリ…適量
レモン汁…小さじ1/2
オリーブオイル、塩…適量
セルフィーユ、ディルなどのハーブ…適宜
【作り方】
1.アジの身の両面に塩を振り、5〜10分おく。
2.皮を剥ぐ。包丁のミネを使い押していくときれいに剥がせる。

皮を押さえ、包丁のミネを皮に当てて身を押していくだけできれいに剥がれる。
3.食べやすい大きさに切る。

量感を楽しむならひと口大に。薄切りすればカルパッチョ、ゴロゴロでユッケに。
4.野菜に塩を振り3.を加えたら、レモン汁とオリーブオイル、大きめにちぎったイタリアンパセリを入れて混ぜ合わせる。
5.器に盛りつけて、ハーブを飾れば完成。
イタリアン風冷や汁

みその代わりにアンチョビペースト、大葉の代わりにバジルをプラスすれば、イタリアンな冷や汁に。アジは燻製するとなお美味。
【材料】(2人分)
アジ…半身
アジのアラ…1〜2匹分
ミョウガ(スライス)…1個分
キュウリ(薄切りして塩揉み)…1/2本分
バジル(ザク切り)…4〜5枚
トマト(角切り)…1/2個
豆腐(乱切り)…1/4丁
すりごま、アンチョビペースト、ごはん、
オリーブオイル、水…適量
【作り方】
1.アラと身の両面に塩(分量外)を振り、5〜10分おく。

身も骨も、両面に塩を振って水分を抜くことで、旨味が凝縮される。
2.出汁をとる。フライパンを強火で温めたらオリーブオイルを多めに敷き、アラを入れて弱火にし、焼き色がつくまで両面焼く。
3.香ばしく焼けたら水をヒタヒタになるくらい入れ、20分ほど煮る。途中水がなくなるようなら足してもOK。

じっくり炊いて、うま味を煮出す。魚は煮すぎるとえぐみが出るので20分が目安。
4.出汁だけボウルなどに移し、冷やしておく。
5.アジの身を焼く。熱したフライパンにオリーブオイルを敷き、弱火でじっくり火が通るまで両面焼く。
6.身をほぐしたら、4.の出汁に全部の材料を入れ、ザッと混ぜ合わせる。味が足りないようならアンチョビペーストを加えて調える。
教えてくれたのは…
S(エッセ)清水明完シェフ
イタリアンレストランマンジャペッシェで料理長を務めたあと、Sを開店。日本の旬の魚介を取り入れたオリジナリティ溢れる皿が人気。
S(エッセ)
住所:東京都渋谷区恵比寿南2-4-19
TEL:03(6412)7130
営業時間:昼11:30〜14:30(LO13:00)/夜18:00〜23:00(LO21:00)
定休日:水、日曜
※構成/大石裕美 撮影/中村文隆
(BE-PAL2019年7月号)