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つの丸のふがふがDog Days 第12回 マンガ家を救う一手はアウトドアにあり!
つの丸
1970年5月27日生まれ。漫画家。代表作はアニメ化もされた「みどりのマキバオー」など。保護犬たちと暮らしている。

わんこたちに寂しい思いをさせないよう、つの丸は動いた!
マンガ家を休業して保護犬とのんびり暮らして8年にもなる。そんな私(つの丸)の生活に興味を持ってくれたのか新聞、雑誌、テレビ番組のちょっとした取材を受けたりした。そして昨年からはそんな犬とののんびり生活を綴る連載をBE-PALで始めた。今あなたが読んでいるコレだ。そしてその数か月後、ついにマンガの連載も決まってしまった。もちろん犬との生活を描いている。
「仕事をやめて犬と暮らす日々」を描くという仕事がはじまってしまったのだ。なんという矛盾。
これまでのピートたちとの平和で楽しい日々を壊して描く「犬との日々」なんてのはありえないのでマンガのほうは紙媒体ではなくウェブ連載、週刊ではなく不定期ということにさせてもらった(編集部の認識は隔週らしい)。そして一人で描いているので仕事場に行く必要もなく、自宅リビングで犬といっしょにソファに寝転がりながら描いている。iPadで描いているのでどこでもマンガは描けるのだ。いい時代になったもんだ。なので仕事を再開したとはいってもピートたちとはずっと一緒にいる。寂しい思いはさせていない。寂しい思いはさせていないけど、忙しくなってきてお出かけの時間は減って家に篭りがちになってきている。
晴れた日にはもっともっと、どこか遠くに出かけたい!
寒い冬の間はあまり思わなかったが、桜が咲き始める春になるとその思いはピート、ロッコ、チッチ、そして私も強くなった。そして気付いたのだ。
iPad があればどこでもマンガは描けるといいながらなぜ家に篭ってるのか!!
大自然の中で仕事すればいいのだ!
というわけでピートたちとiPadを車に詰め込んで道志川までレッツゴー!
お目当てのキャンプ場に着いたらまず河原をたっぷり散歩。そしてお湯を沸かしてる間に前号で紹介したカーサイドオーニングを開いてコットと椅子を組み立てる。いつものキャンプといっしょだ。
めんどくさいことは抜き! マンガとわんこに集中だ!
そしていつものキャンプだとやれ火おこしだの料理の準備だのとわざわざめんどくさいことをしている。しかしカップ麺でいいじゃないか! お弁当を買えばいいじゃないか! ということでカップ焼きそば食べてお仕事開始。ピートたちは満足してコットで寝ている。
静かな自然の中でかわいい犬たちをはべらせて仕事とは実に最高だ。
そうしてしばらく仕事をして、犬たちの充電が完了して起きて退屈しだしたらまた散歩。その間にiPadを充電して。
テントやタープの設営、料理や食器の片付け、薪割り、火おこしなどに時間を割かなければ十分仕事はできる。テレビもないし他にすることもないのだから。
かつて私がマンガ家デビューしたころ、〆切前のマンガ家たちは神保町の「錦友館」というホテルに閉じ込められて漫画を描いていた。いわゆる「カンヅメ」というやつだ。
時代は変わり、今や道志川のほとりで川のせせらぎや鳥の囀りを聞きながら「カンヅメ」。なんて解放的な「カンヅメ」だ! これもまた矛盾。
集中もできるし気分も良く、何より犬たちが喜んでいるのでこの「カンヅメ」は大いにアリ、今後もやっていこうと思う。
ただ往復の運転の時間がちょっともったいない。渋滞なんかにハマったら尚更。これを自動運転とかにできたらその時間も仕事できるのに……。
なんて考えるようになってきちゃってるあたり、やはり週刊誌連載のころのワーカホリックに戻りつつあるなぁ。良くないなぁ。

解放感あふれるわんこ3匹と私。いったい私は何をしているでしょうか?
これが〆切前だとは思うまい

見よ! この穏やかさ。令和の「カンヅメ」スタイルの誕生だ。




※文・イラスト・写真/つの丸
(BE-PAL 2026年6月号より)




