豊島区の住宅街に真っ直ぐ延びる川の跡をたどる緑道散策【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY FILE.35】 | アウトドア・外遊び 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

アウトドア・外遊び

2026.04.26

豊島区の住宅街に真っ直ぐ延びる川の跡をたどる緑道散策【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY  FILE.35】

豊島区の住宅街に真っ直ぐ延びる川の跡をたどる緑道散策【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY  FILE.35】
プロハイカーの斉藤正史さんが、独自の視点で東京23区内の緑道を「GREEN WAY」として捉え直し、実際に歩いた足跡を紹介します。身近なGREEN WAYでも四季折々の見どころがあり、街の意外な歴史にふれることができる、かもしれません。

今回は東京都豊島区にかつて流れていた川の跡をめぐる「南谷端川GREEN WAY」です。
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35th ルート:南谷端川GREEN WAY

●前回はこちら

上野・不忍池周辺をゆっくり散歩してあらためて気付いたこと【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY  FILE.34】 | アウトドア・外遊び 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

僕は別に地図や地理のマニアではないのですが、日ごろから時間があると地図を眺めることがよくあります。ある日、何の気なしに池袋駅西口周辺の地図を見ていて、川や水路の跡である暗渠らしき細い道が目に留まりました。

この連載で何度か吐露しているように、僕は暗渠好きです。より正確にいうと、都心に残る水路跡の薄暗い路地を歩くことに、たまらない魅力を感じているのです。

地図で気になる場所を見かけたら即行動——が街歩きの基本です。ということで、今回は池袋駅西口周辺をめぐる「南谷端川GREEN WAY」です。

今回のターミナス(=トレイルの起点や終点となるアクセスポイント)は、池袋駅西口です。地下の改札から地上に出て写真を撮るためために振り返ったら「tobu 池袋駅 西口(北)」という看板が出ていました。

「tobu 池袋駅 西口(北)」ターミナス。

複数の路線が乗り入れていて出口もたくさんある池袋駅ですが、西口だけでも(北)(中央)(南)があるそうです。不慣れな人間は混乱しますが、池袋駅西口のすぐ目の前には大きな公園があるので道に迷う心配はありません。僕も「西口(北)って、どっちの方角なんだろう?」と思いつつも、ひとまず池袋西口公園に向かいました。

GLOBAL RINGシアター(池袋西口公園)

池袋西口公園には大きな輪っか状の構造物が建てられていて、「GLOBAL RING」という看板が掲げられていました。2019年にオープンした野外劇場のようです。音楽やダンス、演劇など、さまざまな演目が上演されているとか。

GLOBAL RINGシアター(池袋西口公園)。

西口なのに北だったり、公園なのに劇場だったりと一筋縄ではないかない感じが続きますが、ひとまず先に進みます。

池袋西口公園に隣接して東京芸術劇場があります。その先に緑の多いエリアが見えたので進むと、西池袋公園でした。池袋駅西口から徒歩10分足らずの場所にもかかわらず豊かな木々に囲われていて、ゆったり過ごせそうです。池袋西口公園と似た名称なので、混同しそうですが。

その西池袋公園のすぐそばに、なんともかわいらしい外観のお店がありました。

ヒャ/とろり。池袋店

こちらはTKG(たまごかけごはん)とかき氷が楽しめる「ヒャ/とろり。池袋店」で、週末には行列もできる人気店。TKGは各地のブランド卵が味わえ、かき氷は岐阜の名店「赤鰐」(あかわに)監修だそうです。TKGもかき氷もすごく気になりますが、まだGREEN WAYを歩き始めたばかりなので先を急ぎます。

ヒャ/とろり。池袋店。

「ヒャ/とろり。池袋店」から北西方向に、富士見通りという道が真っ直ぐ延びています。今は戸建て住宅やマンションが建ち並んでいますが、通りの名前から察するに、かつてはこのあたりからも富士山が望めたのでしょうか。…などとボンヤリ考えながら住宅街を抜け、区立西池袋中学校を過ぎた先に、今回の目的地がありました。

谷端川緑道

谷端川(やばたがわ)は、豊島区の粟島神社境内の弁天池が水源で、豊島区、北区、板橋区を通り、文京区水道橋で、神田川に合流していた川。河川としては1960年代に廃止され、全区間が暗渠の下水道となりました。現在は河川の跡地が緑道や公園として整備されています。

なお、大正時代後半には、谷端川沿いに簡易な小屋が多く建設され、美術学生や若い画家が集っていたそうです。現在は周辺に住宅やマンションが建っていて面影もありませんが、かつてはどんな雰囲気だったのか、気になります。

谷端川緑道の案内板。

僕がたどり着いた谷端川緑道の南側には西武池袋線の線路があり、地図などを見ても線路の向こう側には緑道がなさそうでした。なので、谷端川(緑道)を北上することにします。

僕が到着した緑道の場所には、遺構なのか復元なのか、橋の欄干らしきものと「みやしたばし(宮下橋)」という銘板が残されていました。川が姿を消して半世紀以上になりますが、谷端川緑道には今も橋脚や銘板などが残っているようです。橋は道しるべとして重要ですし、地域の人にとっては思い入れもあるでしょうから、今も大切にされているのかもしれません。

並木橋跡。
羽黒橋跡。

宮下橋から北へ進むと、並木橋、羽黒橋と続きます。いずれも、橋の跡ですが。羽黒橋跡の先には、銭湯がありました。

湯~ゆランドあずま

東京近郊でよく目にするマンション1階に組み込まれた形の銭湯「湯~ゆランドあずま」。もともとは「東屋」という屋号で、60年以上前の創業だとか。現在も浴室がタイル絵で装飾されていたりと、昔ながらの銭湯の雰囲気を楽しめるそうです。

営業は15:30〜で、この日は午前中に通りかかったのでシャッターが降りていました。GREEN WAY散策のついでにひとっ風呂あびたかったのですが、残念。

湯~ゆランドあずま。

銭湯をあきらめて谷端川緑道をさらに北上していくと、徐々に緑が濃さを増してきました。落ち着いた雰囲気で、何とも心地よい道のりです。

八幡橋、霜田橋の跡を過ぎると、立教通りに出ました。すると、立教通り沿いにできている行列に目につきました。今どきのお店らしく(?)目立った看板が出ていなかったので、後から調べたら台湾茶などを提供しているカフェのようです。

TSUMUGU CAFE

台湾でポピュラーなベジフード(素食)と、直輸入の茶葉を使用した台湾茶のお店「TSUMUGU CAFE」。台湾の素食は肉や魚のほか、ネギやニンニクなどにおいのキツい野菜も不使用ですが、お店のメニューにはカレーやピザなどの親しみやすいメニューが並んでいます。GREEN WAY散策のついでに台湾茶の1杯も飲みたかったのですが、行列に並ぶ余裕はないのであきらめます。残念。

お昼前から行列ができていたTSUMUGU CAFE。

立教通りを超えると、谷端川緑道にはベンチなども増えてきました。その少し先には、谷端川第二親水公園がありました。たまたまそういう時期だったのか、何か理由があるのか不明ですが、池の水が抜かれていました。水気のない親水公園は何とも寂しい印象です。

何だか寂しい雰囲気の谷端川第二親水公園。

谷端川第二親水公園からさらに緑道を北上すると、丸山橋跡、長崎橋跡があります。長崎橋跡は、東京メトロ有楽町線の要町駅と目と鼻の先です。今回はここでフィニッシュとします。

池袋駅からもほど近い住宅街の川の跡=緑道をめぐった「南谷端川GREEN WAY」。途中、老舗の銭湯や人気カフェに目移りしつつ、気づけば7つの橋(の跡)を渡り歩いていました。橋脚や欄干などを目にしながら真っ直ぐ延びた細い道を歩くことができ、暗渠好きとして大満足でした。

■今回歩いたルートのデータ
|距離約2.2km
|累積標高差約2m

今回のコースを歩いた様子は動画でもご覧いただけます。

●南谷端川GREEN WAY

斉藤正史さん

プロハイカー

2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載。

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