夏を告げる海の女王「シロギス」を釣って食す | 海・川・カヌー・釣り 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2019.07.05

    夏を告げる海の女王「シロギス」を釣って食す

    私が書きました!
    宿「 bed&breakfast ichi 」亭主
    成相修
    成相修(なりあい・おさむ) 通称ころすけ。神奈川県三浦半島南端の町「三崎」に夫婦で営む小さな宿「bed&breakfast ichi」の釣りバカ亭主。宿では釣りやトレッキングなどの自然体験ツアーも開催。

    北海道南部から九州までの日本各地。挑戦半島南部、黄海、台湾に分布

    神奈川県南部に位置する三浦半島「三崎」という町で、釣りやトレッキングなどの体験ツアーを行う宿「bed&breakfast ichi」を運営している成相ころすけです。

    三浦半島で梅雨入りをむかえる頃になると、海の中も春から夏の魚へと釣れる種類が変化していきます。浅瀬でも水温が高くなるにつれて色々な魚が群れをなし、接岸してきます。そのひとつが、今回のターゲット「シロギス」です。

    小さな魚でありながら可憐な姿と上品な食味がファンを魅了する

    シロギスは、冬から春の間は海の深場で過ごし、連休が明ける頃になると、産卵のために浅瀬へと群れをなして移動してきます。群れは、普段は数匹から数十匹の単位で形成し、ゆっくりと砂地の海底付近を回遊しています。ゴカイなどの多毛類や小型の甲殻類などを好んで食べ、食欲旺盛にエサを追う一方、危険が迫ると砂の中に潜り身を隠す、警戒心の強い魚です。

    日本では古くから沿岸で手軽に釣れ、風味も良いために、釣り魚種として強い人気があります。食べ方は、天ぷらなどの揚げ物が代表的ですが、塩焼きなどにしても美味しく食べられます。特に30㎝ほどに成長した大きいものは、刺身で食べることもできます。

    風味豊かなシロギスを今回も“釣って、美味しく食して”紹介していきたいと思います。

    シロギスは砂底の変化が生まれる地形を狙う

    海底が砂地であれば堤防・磯・砂浜とポイントは無数にある

    まずは、シロギスを釣るポイント選び。砂地を好む魚ゆえ、内湾でも外洋でも必ず砂地の海底がポイントに適しています。堤防や磯に立ち、海面をのぞいて海の底が白く見える場所を探します。砂地を好む魚なら、砂浜に行けば簡単に釣れるのでは? と考えてしまいますが、砂浜はポイントも広大で、海底の地形や潮の変化をつかみずらいため、足場の良い堤防を例に紹介します。

    シロギスは砂地の海底を回遊してエサを探しています。堤防から砂地を確認したら、変化がある場所をピックアップします。船が頻繁に通る所は「船道」といって1箇所が深くえぐれていて、シロギスがエサを探して回遊してきやすい場所です。また、堤防の先端は潮の流れが直接当たりやすいため、海底の形に変化が生まれます。砂地でもこういった要素を含んだポイントを見つけることが、シロギスを釣るための秘訣です。

    ちょい投げで手軽にシロギスを狙う

    ① 2m~3mのルアー竿&リール ②天秤錘 ③仕掛け ④虫エサ(ジャリメやアオイソメなどのゴカイ類)⑤ライフジャケット ⑥クーラーボックス ⑦竿置き

    シロギス釣りには、通常は投げ竿を選びますが、扱いが難しいため、今回は手軽にシロギスを狙うことができる“ちょい投げスタイル”で説明します。竿はイカ釣りやシーバス釣り用に使われるルアー竿(長さは2m~3m)。竿には小型のスピニングリールを付けます。リールに巻く糸は「PEライン」と言われる、編んでつくられた糸の0.6号~0.8号(号の数字が大きくなるほど太くなる)。その先に「ナイロンライン」2.5号を、1m程結びます。ナイロンラインの先には天秤錘を結びます。天秤錘から下は、針を2~3本結んだ仕掛けとなります。

    シロギスのアタリはとても繊細なため、釣り糸の感度が高いものを選びます。PEラインは、通常使われる透明のナイロンラインと比べ感度と強度に優れています。ただし、ナイロンラインラインよりも伸縮性がなく、天秤錘を投げた時に負荷がかかって切れてしまいます。それを防ぐために、ナインロンラインを結んでショックを吸収します。

    エサはジャリメやアオイソメなどのゴカイ類です。シロギスは小さな口でエサを吸い込むように食べます。釣具屋さんでエサの細さを選べるようなら細~中細の物を用意します。

    エサの鮮度は釣果に繋がります。ジャリメやアオイソメは細くて生きの良いものを選びます

    釣り場が決まったら、竿をセッティングし釣り開始。狙いを定めたポイントへ仕掛けを投げ入れます。この時には、必ず仕掛けを底に着底させてリールを巻き、糸ふけを取って糸を張ります。その後は仕掛けが底を這うように、ゆっくりとした速度でリールを巻きながら仕掛けを引きずります。時々リールを止めて魚のアタリを待ちます。

    一定の速度で海底を丁寧に探る。キスがいればすぐにエサに飛びついてくるはず

    竿先にコンコンと伝わるアタリを確認したら、今までより少し早く仕掛けを引きずりアワセます。その動作のままゆっくり竿を立てて、一定の速度でリールを巻きます。

    海面にシロギスが見えるまでは、気を抜かずリールを巻き続けましょう。足元までシロギスが寄ってきたら、ゆっくりと竿を立てて海面から抜き上げれば勝負アリ! です。巻き上げから抜き上げまでは糸をゆるめるとシロギスが針から外れることがありますので、糸を緩めずにキャッチしましょう。

    生きているシロギスは日の光を当てるとパールピンクに輝く。まさに女王

    釣り上がったシロギスは針を外し、ジップロックなどの袋に入れて、氷の入ったクーラーボックスにしまいます。この時、バケツなどに入れっぱなしにしていると、高温でシロギスの鮮度が悪くなってしまいます。速やかにクーラーボックスへ入れましょう。

    サクッほわ! 箸が止まらなくなる風味豊か 「シロギスの天ぷら」

    シロギスの白身はサイズを問わず、品のある風味が病みつきになります。身も柔らかすぎず硬すぎず、揚げ物にぴったり。ご飯やビールとの相性も抜群です。

    今回はシロギスの定番料理、「シロギスの天ぷら」を作ります。

    シロギスの天ぷら

    【材料】 1~2人分

    シロギス…6~8匹
    てんぷら粉…大さじ2
    塩…適量
    サラダ油…適量

    【シロギスの下処理】※作り方は下へスクロール

    ① 包丁を使い、鱗を丁寧に取り除いておく

    ② 頭の後ろに包丁を入れて背骨を切り、頭と胴体を手に持ち引き裂いて、一緒に内臓を取る

    ③ 頭側から包丁を入れ、背骨に沿って背開きにしていく

    中骨に沿うようにすると綺麗に開けます。

    ④ 背骨も取り除く。腹骨は20cm以下の個体ならそのまま落とさなくてもOK

    【作り方】

    1:下処理を行ったシロギスに、分量外のてんぷら粉を両面にまぶす

    2:てんぷら粉を水で溶く

    3:溶いたてんぷら粉にくぐらせ、180℃の油で5分程度揚げる(菜箸で触るとカリカリとした感触を感じるまで)

    身の薄いシロギスは高温に熱した油でサクッと短時間で揚げるのがポイントです。カリカリの食感とシロギス特有のほわっとした風味が食欲をそそります。

    シロギスは手軽に遊べるため、ファミリーフィッシングに最適です。釣って良し! 食べて良し! な手軽な夏の魚、皆さんも釣りに出かけてみてはいかがですか?

    ◆三浦半島のお魚を食べるイベントも月一で開催中!

    Kai’s kitchen「三浦半島の魚を三崎で食す
    https://www.facebook.com/pg/bedandbreakfastichi/events/

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