ブラっと散歩から学術探求まで!ネイチャー好きが楽しい〝行ける”東大スポット | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.12.02

    ブラっと散歩から学術探求まで!ネイチャー好きが楽しい〝行ける”東大スポット

    ブラっと散歩から学術探求まで!ネイチャー好きが楽しい〝行ける”東大スポット
    自分にもっと知識があれば、自然はどんな風に見えるんだろう? そんなことを考えたことのある人におすすめなのが、大学付属施設! 東大・京大の"自然の見方"って、とってもとっても面白いんです。今回は東大編。
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    編集・ハラボーが東大の附属施設「小石川植物園」に行ってみた!

    案内人 鹿野研史さん

    特任専門員。植物園にまつわるさまざまなエピソードを熟知。企画展の企画なども担う。アイルランド音楽が好きでダンスも演奏も!

    探検隊員 編集ハラボー

    野山を駆け回る、当たって砕けろ精神の主。ロケ先で見かける植物の同定ができるようになりたい!

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    向かって右側に生えているのが(大き目の葉の植物)
    ツヅラフジ科ハスノハカズラ、鹿野さんの後ろに生えているのが
    イネ科 シマダンチク、左側(シマダンチクのひとつ置いて左)が
    メギ科 ナンテン。

    知識欲が沸き上がる小石川植物園

    小石川植物園は、日本初の植物園だが、意外に東京大学の附属施設だとは知られていない。しかし、現在の正式名称は「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」。納得、である。
     
    まず、正門を入ってドーンと待ち構えているのが、メタセコイアの巨木だ。

    「1948年に米国が入手したタネが東京で播種されました。おそらくその1号がこの木だと思われていますが、園内にあと2本巨木があるんです」
     
    と、特任専門員の鹿野研史さん。園内の樹木の多くは明治時代以降に植えられたが、なかには樹齢300年以上の巨木もあるとか。

    「巨木巡り、いいですね~」
     
    見応えのある巨木や、植物園ならではの学問的な由緒ある植物が点在し、知識欲がムラムラと湧き上がる。
     
    正門から続く坂道を上がっていくと、公開温室が見えてくる。

    「東大で行なっている研究の一部を紹介しています」

    「あ、これ新聞で見ました!」

    「ショクダイオオコンニャクですね。日本では小石川で最初に開花しました。アリのにおいを発する植物や、互いに相手がいないと子孫を残すことができない昆虫と植物の特殊な関係など、最近の研究成果も見られますよ」

    「!? それ、研究者じゃなくても興味深いですね。気になる!」
     
    何気なく植えられているように見える植物も、薬用植物を栽培する薬園保存園だったり、植物の分類体系を学べる分類標本園になっていたり。ひと筋縄ではいかないところが、東大らしくて(⁉)面白い。

    「ソメイヨシノの学名も当植物園の初代園長、松村任三教授が1901年に名付けたものです。命名の基準となる標本が園内の木から採取されたんですが、どの木かわからないんです(笑)」
     
    面白すぎるだろっ、と思わず突っ込みを入れたくなりますが、そんな木を探し当てられたら、東大に入れるかも!? な〜んて。

    植物の分類体系に従って約500種が植えられた分類標本園。

    小石川植物園

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    住所:東京都文京区白山3-7-1 
    営業:9:00〜16:30(最終入園16:00)
    (温室10:00〜15:00、柴田記念館10:30〜16:00)
    休日:月曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始
    料金:大人(高校生以上)500円、子供(小学生以上)150円

    記念撮影の人気スポット〝ニュートンのリンゴ〞

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    物理学者・ニュートンの生家にあったリンゴの苗に由来。イギリスから贈られ、植物園でウイルスを除いてから1981年に植樹。

    由緒ある巨木探しへLet’s go!
     

    メタセコイア

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    正門前に鎮座。生きた化石と呼ばれる。中国で発見された野生の種子が日本でいち早く植物園に播種された。

    ヒマラヤスギ

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    第二次世界大戦中、空襲で隣の植物学教室は燃えてしまったが生き残った。名前にスギとあるがマツの仲間。

    精子発見のイチョウ

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    植物学教室の職員、平瀬作五郎が種子植物に精子があることを発見した、世界的に有名な木。樹齢約300年。

    スズカケノキ

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    街路樹のモミジバスズカケノキは、このスズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種。園には3種が健在だ。

    東大研究が垣間見れる温室は必見!

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    6個の公開温室には、熱帯・亜熱帯地域に生息する植物が約2,000種。隣の冷温室には、高山植物を中心に約400種を展示している。

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    温室のシンボルツリー、オオシマコバンノキ。絶対送粉共生と呼ばれる、植物と昆虫(ハナホソガ)の関係を証明。研究したのは川北篤教授。

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    研究成果も展示。望月昂助教による、傷ついたアリの匂いを放つタチガシワの研究。

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    大学院生の砂川勇太さんが、世界初のラン科植物におけるタマバエの送粉を解明した。

    歴史を学べる柴田記念館

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    現在は東大の研究者による、小笠原の植物研究の歴史を紹介する「Bonin×Botany」展を開催中。貴重な研究資料も見られる。

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    理学部植物学教室教授、柴田桂太氏の生理化学研究室として建設。現在は展示やグッズ販売を行なう。

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    カーチス・ボタニカル・マガジンの小笠原特集号に掲載された植物画の複製原画も展示。

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    日本庭園などの癒やしスポットも

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    第5代将軍、徳川綱吉が住んでいた白山御殿の庭園に由来。庭園の周りではウメ林、ハナショウブやハギなど、四季折々の花を楽しめる。

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    ほかにもあるぞ! ‟行ける”東大

    全国6か所の演習林には、季節によって一般公開される場所もある。公開日や見学会を開催している東大の附属施設も多いので、HPをチェックしよう。
     

    日光植物園

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    附属植物園の分園。おもに高山植物や寒冷地の植物の研究と教育が目的。ロックガーデンやミズバショウ池などが見所。

    東京大学総合研究博物館

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    ’96年に国内初のユニバーシティ・ミュージアムとして誕生。学術標本は400万点。レアアースなど世界的発見も見られる。

    ※構成/大石裕美 撮影/三浦孝明

    (BE-PAL 2025年12月号より)

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