初心者大歓迎。安心してマウンテンバイクデビューができる森のパークがオープン! | 自転車・MTB 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.11.01

    初心者大歓迎。安心してマウンテンバイクデビューができる森のパークがオープン!

    初心者大歓迎。安心してマウンテンバイクデビューができる森のパークがオープン!
    将棋棋士の藤井聡太さんの出身地として知られる愛知県瀬戸市。この町で30年以上に亘り、スポーツ自転車を販売する「人力車」というショップがある。ショップオーナーの亀井陽さんは、大のマウンテンバイク好き。「マウンテンバイクを売るには、走る場所がなければ売れるわけがない」と一念発起して、仲間と一緒にマウンテンバイクパークを作ってしまった。
    Text

    マウンテンバイク好きが集う森の広場

    マウンテンバイクパークで楽しくライド
    パークを楽しそうに走る人力車の亀井陽さん。

    パークの名称は、人力車マウンテンバイクパーク。2025年8月にプレオープンし、これまでは不定期に開放していたが、いよいよ今年11月1日に本オープンする。

    木々に囲まれた居心地のいいパーク
    木々に囲まれた居心地のいいパーク。10月の開放日には、小雨の降るなか数名が集まり、和気あいあいとライドを楽しんでいた。

    早速、瀬戸市内にある人力車マウンテンバイクパークを訪ねた。「ここはキャンプ場?」と思わせるほど開けた芝生広場の周囲には、緑豊かな木々が残されている。そんな林間を走り抜けるように、いくつかのトレイルが作られていた。

    ライドを楽しむ人
    走りやすい林間のトレイル。ライダーは、亀井さんと一緒にコース整備をしている佐藤聖司さん。来年には、名古屋市内に自身のサイクルショップを開業する予定。

    コースでは、噂を聞きつけやって来たマウンテンバイカーたちが、楽しそうに遊んでいた。急坂登りに挑戦したり、ショートコースをプチツーリングしたり、ショップが用意した試乗車に乗ってみたり。皆、笑顔で楽しそう。

    もっと多くの人にマウンテンバイクを体験して欲しい

    「マウンテンバイクで自然のなかを走る楽しさや、心地よさをたくさんの方に知っていただくために、このパークを作りました。マウンテンバイクで未舗装路を走ったことがない人が、乗り方を学んだり、土の上で自転車をコントロールする方法を身につけたり、そんなことを安心してできる場所を目指しています」と亀井さんは話す。

    今後は、不定期だが初心者を対象にしたライディングスクールや、ジャンプに特化したスクールなどを開催する予定という。

    ジャンプスクールの様子
    ジャンプスクールも開催。

    実際にトレイルを走ってみた。短い間隔でアップダウンや小さなカーブが繰り返すトレイルは、自然とリズミカルに走れる。ほとんどの場所の傾斜は緩いので、初心者が未舗装の斜面に慣れるにもよさそうだ。

    マイペースで遊びながらスキルアップできる

    変速機の操作、ブレーキをかけるタイミングなどを、自分のペースで考えながらスキルアップができる。スピードが出すぎてしまう長く急な下り坂もないから、恐怖を感じることなく、徐々にマウンテンバイクの操作を身につけられるだろう。

    小さな丘を下る
    実際にトレイルを走るときに役立つ体重移動など、基礎をしっかりと反復練習できる。

    「以前、山道に初心者のお客様を連れて行ったら、『怖くて走れない』と言うんですよ。いきなり山道にいくというのは、スキー初心者を上級ゲレンデに連れて行くような行為なんだと、そのとき学びました。このパークができたので、ここでしっかり慣れていただけば、もうそんな怖い思いをさせずに済みますね」と亀井さん。

    人力車マウンテンバイクパークの使用料は、初回のみ1,000円を支払い、その後は任意となるそうだ。また、詳細な場所は非公開としている。パークの利用方法やルールなどは、人力車にお問い合わせを。

    この日の参加者
    この日、パークに集まった仲間たち。

    自信がついたら近隣のマウンテンバイクパークに繰り出そう

    瀬戸市内には、ダウンヒル系の本格的なマウンテンバイクパーク「SRAMパーク」がある。さらに、クルマで1~2時間以内の場所には、個性豊かなマウンテンバイクパークが多数あるので、ステップアップできる環境も万全だ。

    トレイルを守るための活動に応援を

    トレイル整備をする亀井さん
    ここ数年、店の定休日になると、もっぱらトレイルに入って整備をしているという亀井さん。誰かが整備することで、森と道が守られ、気持ちよく走れることを忘れてはならない。

    また、亀井さんは仲間と共に、近隣にある古道を保全するための活動を4年以上に亘り継続している。自動車の入れない古道に人力で土を運んで破損した部分を修復したり、倒木があれば、チェーンソーで切って通れるようにすることもある。そんな活動には、資金も不可欠なため、賛同してくれる方の支援や協力を広く呼びかけている。興味がある方は、ぜひ「山の道の会」のnoteをチェックしよう。

    気持ちよく走るための整備とカスタマイズが得意なショップ

    続いてパークからクルマで約15分の場所にあるショップを訪ねてみた。

    人力車外観
    楽しそうな雰囲気が漂う人力車。開業は1992年。駐車場も完備している。

    人力車は、名古屋と瀬戸を結ぶ主要幹線道のひとつ、瀬戸街道から少し入ったところにある。慶昌院という1474年創建の古刹の目の前。ショップに入ると、看板モンキー”えて吉”君が賑やかに迎えてくれた。

    店のマスコットのおさるさん
    店のアイドルのフサオマキザル。

    天井には、多数のフレームが吊り下げられている。マウンテンバイクのみならず、ロードバイクやクロスバイクなども展示されていた。取り扱いブランドは、サンタクルーズ、クロスセクション、オルベア、コラテック、イエティなど。

    店内のy保碓
    フロアには、多数のマウンテンバイクが並ぶ。
    ロードバイクやクロスバイクもある
    ロードバイクやクロスバイクもある。

    スモールパーツがひしめくメカニックブース

    ショップの奥には、亀井さんの主戦場となるメカニックブースがある。覗いてみると、たくさんの工具が整然と配置され、その奥には驚くほどたくさんの補修用パーツがストックされていた。

    メカニックブース
    亀井さんが日々整備に明け暮れるメカニックブース。
    整理された工具
    使いやすいよう整頓された工具。

    さらに奥には、旋盤が鎮座。なにに使うのかを聞くと「完成車の場合、パーツにあるほんの小さな隙間が原因で、不快なガタつきがでることがあるんです。それを解消するためにスペーサーやパーツを削り出して調整したり、入手できない部品を自作することもあります」と亀井さん。

    バックヤード
    おびただしい数の補修パーツをストックするバックヤード。パーツを加工するための旋盤も完備。

    長年に亘り、このショップに通う常連客の多くは、そんなマニアックな亀井さんのカスタマイズテクニックにほれ込み、愛車を任せているとか。カスタムやオーバーホールなどは、他店で購入したバイクにも対応してくれる。腕利きのメカニックがいて、さらには走る場所まで整っている。マウンテンバイクが気になったら、多少、遠出をしてでもこんな店に足を運んでみてはいかがだろう。

    人力車の看板

    ●ショップ情報

    人力車

    • 所在地:愛知県瀬戸市東寺山町35
    • 営業日時:13時~20時30分(月、火、金、土曜)、14時~20時(日曜)
    • 定休日:水、木曜
    • 駐車場:あり
    • ホームページ:https://jinrikisha.com/

    山本修二

    ライター

    東京生まれ、名古屋在住。自転車好きライターとして本誌を中心に東京で活動し、2015年に名古屋へ移住。東海エリアの食とアウトドア環境を満喫中。肩の力を抜いてユルく自転車に乗りたい人のためにまとめた著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)、好評発売中。

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