サルサというブランドのマウンテンバイクに試乗してわかったこと | 自転車・MTB 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自転車・MTB

2025.08.06

サルサというブランドのマウンテンバイクに試乗してわかったこと

サルサというブランドのマウンテンバイクに試乗してわかったこと
各地にマウンテンバイクパークが続々と誕生し、安心して走れる環境が整ってきた。歩行者やクルマが入らない、マウンテンバイク専用のパークへ出かけて、安全に心ゆくまでトレイルライドを楽しみたい。

「そうだ、新しいマウンテンバイクを買うぞ!」と意気込んでみたものの、どのタイプのマウンテンバイクを買えばいいのかわからない。そこで、試乗をして答えを導くことにした。

マウンテンバイクには、遊び方に合わせたいろいろなタイプがある

サルサのティンバージャック
今回試乗したサルサ/ティンバージャック SLX29のSサイズ。さて、その走りは?

新しいマウンテンバイクが欲しい。しかし、今の自分には、どんなタイプのバイクが相応しいのか決めきれない。ジャンプして遊ぶことに特化したダートジャンプバイクか、振動をきっちり吸収しながら足りないテクニックまでカバーしてくれるフルサスバイクか、はたまた普段乗りにも使える用途の広いハードテールバイクか。

走るコースや遊び方によって、ベストなバイクは変わってくる。できることなら先にあげた3タイプすべてのバイクが欲しい。しかし、それは経済的にも、置く場所の事情からも無理。とすれば1台に絞らなければならない。どうやって選ぼうか?

スポーツバイクの性能を知るには、試乗するのが一番

フレーム
美しいデザインに仕上げられたアルミフレーム。

そんなとき、1台のバイクに試乗できることになった。それがサルサ/ティンバージャック SLX29というバイクだ。アルミ製のフレームに130mmストロークのフロントサスペンションを組み合わせたハードテールバイク。タイヤサイズは、ちょっと太めの29×2.6インチ。変速機は、シマノ/SLXの1×12段。最新のワイヤレス変速ではなく、手動でレバー操作するクラシックなタイプ。

毎日が冒険になる自転車を生み出すアメリカのブランド=サルサ

バイクレポートの前に「サルサ(SALSA CYCLES)」というブランドについて少しだけ紹介したい。

ミネソタ州でのファットバイクライド
マクラクが発表された翌年の2012年冬に、当時のサルサ開発スタッフとミネソタ州ダルースに出かけ、スペリオール湖などで氷上ライドを楽しんだ。

サルサは、アメリカのミネソタ州ブルーミントンにあるQBP(Quality Bicycle Products)という会社のブランド。マウンテンバイクの草創期に、ロス・シェーファーというビルダーがカリフォルニアで立ち上げたマニアックなブランドだったが、90年代になってQBPが買い取った。買収直後は、クラシックな雰囲気のクロモリスチール製ツーリングバイクや、美しいグラフィック処理が施されたマウンテンバイクなどを得意としていた。

サルサは十数年前から、「ADVENTURE BY BIKE」というキャッチフレーズを掲げ、キャンプ道具を積んで未踏の地へ走りに出かけられる走破性の高いバイクや、街中や郊外を走ってもワクワクの冒険気分を楽しめるハッピーな自転車を販売している。速く走るためのバイクもあれば、ミニマムなキャンプ道具を積んでロングライドを楽しむためのバイクまで幅広いモデルを展開している。

2011年のサルサ/マクラク
サルサは、2011年にファットバイク専用のオリジナルハブを開発し、左右対称のフレーム「マクラク」を完成させた。

その後、ファットバイクが注目を集めたタイミングで、左右対称のモダンなフレーム「マクラク」をリリース。やがて世界中でグラベルバイク熱が高まり始めると、一早くレーシングタイプのグラベルバイクを投入した。

本国では、マウンテンバイクの分野でも高い人気を誇る。その理由のひとつが、2013年から採用しているスプリットピボットという高性能なリアサスペンションにある。このサスペンションを搭載したモデルが登場してから、サルサの評価は急激に高まっていった。その一方で、今回紹介するハードテールバイクも大切に作り続けている。

オリジナリティとクオリティの高さから、広大かつ変化に富んだフィールドを有するアメリカ各地のサイクリストに高く評価されている。

2013年発表のサルサ/ホースシーフ
こちらは、2013年に発表された当時のスプリットピボットを搭載したホースシーフというモデル。現在本国では、E-MTBなども展開している。

ダウンヒルコースでテストライド

試乗したティンバージャックは、サルサがモダンなバイクブランドに生まれ変わってからの代表的なモデルのひとつ。

それは試乗前のこと。経験上、アルミフレームは、クロモリフレームよりも硬くて疲れることはわかっているし、29インチのタイヤも自分がコントロールするには大きすぎるのではないかという先入観を抱いていた。正直、あまり期待していなかったのだ。

フレームの太さを比較
ブランドロゴは目立たないフレーム下にデザイン。ロゴが入るダウンチューブと比べて、ほかのチューブが細いことが分かる。このメリハリのきいた設計により、極上の乗り心地が生み出される。

そこで、マウンテンバイクパークに持ち込みテストライドをした。走ったのは、約7kmの初心者むけのダウンヒルコース。序盤の小さなバンクが作られたフロートレイルで、いきなり小気味のいいキレキレのハンドリングを実感。「これは楽しいぞ!」と口元が緩んだ。

29×2.6インチのかなり太めのタイヤは、路面が少し荒れたバンクのないシングルトラックのカーブでも、きれいに思ったラインを攻められる。前日に降った雨の影響で、少々ウェットなコンディションだったが、予想に反してタイヤが大きく滑ることはなかった。

ライドする様子
次々とコーナーが現われるシングルトラックを思いのままに気持ちよく走れた。大径タイヤによるデメリットは感じられなかった。

当初、思い描いていたフレームの硬さについては、トレイル走行ではまったく気にならなかった。上質なタイヤの性能もあるだろうが、反発力の強いアルミフレームでありながら、絶妙な設計で振動を和らげているのだろうか。常に、後輪がしっかりとグリップする感覚があり、地面からの突き上げもまったく気にならなかった。

フロントサスペンション
ロックショックス/35 Silver TKという130mmストロークのサスペンションを搭載。動きはスムーズで、レース以外の目的なら、必要十分な性能ではないだろうか。

フロントサスペンションの動きは申し分なく、それを頼るように走れば、かなり攻めた走りができる。コースがよく整備されていたことも一因ではあると思うが、正直、今回の試乗コースでは、リアサスペンションの必要性を感じなかった。

フロントタイヤ
滑りやすそうなコーナーでも、しっかりとグリップしてくれたフロントタイヤ。コンパウンドがしなやかで、サイドのブロックが大きい。
リアタイヤ
フロントよりもブロックが細かいリアタイヤ。土はけもいい。

リアサスペンションは必要なのか?

リアサスペンションがあることで、振動吸収性も、コントロール性も高まり、トラクション効果もアップするため、上りまで楽になるバイクもある。しかし、デメリットは、重量とメンテナンス箇所の増加、さらには高価になること。初心者やダウンヒル専門で楽しむような方は、迷わずフルサスペンションバイクを選ぶべきだろうが、ある程度、乗れる人なら、走る場所に合わせてハードテールを選択するのもありではないだろうか。

変速機
シマノ/SLXの変速システムを搭載。フロント1×リア12段変速。高速でトレイルを走ると、ハードテールゆえの振動はあるが、リア変速機がバタついたり、チェーンが外れそうになることは一切なかった。

街中でも乗ってみたが、タイヤ径の大きさからか、ストレスを感じないスピードで走り続けることができた。トレイルでは、マイルドな印象だったフレームも、アスファルトの上ではパリッと硬い乗り味に変わった。小気味のいいハンドリングはそのままに、街中でも気持ちよくクルージングできた。オンロード用のタイヤに履き替えれば、さらにご機嫌なクルーザーになるに違いない。

バイクパッキングなどにも使える拡張性の高さも魅力

フレームにあるネジ穴
フレームには、様々なオプションの装着ができるたくさんのネジ穴がある。

しかも、フレームにはたくさんのネジ穴があるので、フレームバッグやケージなどをたっぷり搭載して、バイクパッキングにも出かけられる。さらに、フレームのリアエンドは、「オルタネータードロップアウト」という、後輪軸の位置を前後にスライドできる機能を備えている。ツーリングに行くときは、ホイールベースを広げて安定感を高め、トレイルを走るときには、ぎりぎりまで詰めることでハンドリングをシャープにすることができる。

リアエンド
後輪軸の位置を前後に変えられるリアエンドを採用している。

ホイールは、標準装備の29インチのほか、27.5インチとのコンパチブルも可能だ。29インチの場合、タイヤ幅は2.6インチまで、27.5インチの場合、2.8インチのセミファットタイヤの装着もできる。そう、購入後にいくつかのパーツを交換して、乗り味を大きく変更できるのだ。

サルサ/ティンバージャックは、どんな用途に向いているのか?

結論としては、高いコントロール性能で、マウンテンバイクとして楽しくトレイルを走れ、街中のクルーズで使っても悪くなく、たまのバイクパッキングにも使えるポテンシャルを秘めていることがわかった。なかなか用途の広いマウンテンバイクといえる。

ディスクブレーキ
申し分のない制動力と、軽いタッチの操作感を楽しめるシマノ/MT401の油圧ディスクブレーキ。

パーツスペックは、変速機、ブレーキともに、操作性に優れ、補修パーツの心配もないシマノ製。走りながらレバー操作で、サドルの高さを買えられるドロッパーシートポストも標準装備する。

気になる価格は、335,000円。多くの方が簡単に手が出せる価格ではないと感じるかもしれない。しかし、スポーツバイクの高騰が続く今、このフレーム設計とパーツスペックで、長く楽しく乗れる性能であることを考えれば、納得できる価格ではないだろうか。

ドロッパ―シートポストの操作レバー
ドロッパーシートポストのコントロールレバーは、シマノ製。ハンドル周りのブランド感を統一している。
ドロッパーシートポスト
レバー操作でサドルの高さを瞬時に変えられるドロッパ―シートポストを標準装備。買ってそのまま走りに行けるうれしいパーツスペック。

■商品情報

  • サルサ/ティンバージャック SLX29
  • 価格:335,000円
  • フレーム:アルミニウム
  • サスペンション:ロックショックス/35 Silver TK(130 mmストローク)
  • 変速機:シマノ/SLX M7100(リア12段変速)
  • ブレーキ:シマノ/MT401
  • タイヤ:マキシス/Minion DHF 29 x 2.6″(フロント)、マキシス/Rekon 29 x 2.6″(リア)
  • シートポスト:TranzX/YSI05 RAD+(30mmトラベル)
  • 発売元:モトクロスインターナショナル https://ride2rock.jp/

山本修二

ライター

東京生まれ、名古屋在住。自転車好きライターとして本誌を中心に東京で活動し、2015年に名古屋へ移住。東海エリアの食とアウトドア環境を満喫中。肩の力を抜いてユルく自転車に乗りたい人のためにまとめた著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)、好評発売中。

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